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防衛白書が中国の台湾周辺における「軍事圧力・威嚇強化・拡大」を、「軍事活動活発化」と表現

 今回公表された防衛省の令和3年版
防衛白書には、次の様な部分があります。
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令和3年版防衛白書(52ページ)第T部 わが国を取り巻く安全保障環境  第2章 諸外国の防衛政策など 第3節 米国と中国の関係など 3 台湾  

(51ページより続き)
る方針を議会に通知しているが、戦闘機の売却は1992年以来 27年ぶりである。

(中略)

 
中国は、台湾周辺での軍事活動をさらに活発化させている。特に、台湾国防部によれば、2020年年 9月以降、中国軍機による台湾海峡「中間線」の台湾側への進入や、台湾南西空域への進入が増加している。台湾国防部によると、同年の 1年間で中国軍機延べ約380機が台湾南西空域に進入した。また、同年には、空母を含む中国軍艦艇がバシー海峡を通過して訓練を実施した。これら台湾周辺での中国側の軍事活動活発化と台湾側の対応により、中台間の軍事的緊張が高まる可能性も否定できない状況となっている。

(以下略)
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 私は以前よりNHKのテレビニュースが、尖閣諸島周辺での中国海警船の日本の領海侵犯などを報じる時に、中国の行為を「活動を
活発化」と表現していることに、強い違和感・憤りを感じていましたが(A215尖閣で繰り返される大規模で執拗な中国艦船の領海侵犯、漁船の追尾を、「活発な活動」と報じるNHKの狂気)、今回防衛白書が同じように台湾周辺の中国の動きについて、「軍事活動の活発化」と表記していることを発見しました。

 
“活発化”とは、肯定的な表現です。少なくとも否定的ではありません。白書は中国による台湾への軍事的圧力強化を、“肯定的”に見ているのでしょうか。そんな事は無いはずです。否定的に論じるのであれば、「軍事活動の活発化」ではなく、「軍事圧力の強化」「軍事威嚇を拡大」などと表記すべきです。

 NHKの時はNHKを含む日本のマスコミ業界が、
日中記者交換協定に縛られて、このような表現をしているのだろうと考えましたが、いま、読売新聞の記事をきっかけに、防衛省の防衛白書を直接確認して、白書が同様の表現をしているのを知り、大変驚き、衝撃を受けました。

令和3年7月14日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ