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“ふるさと納税”は制度として存在するのか その「本旨」なんてどこにも書いてない ないものを有るかの様に論じるのは詐欺行為ではないのか
7月2日のNHKテレビニュースは、「ふるさと納税ポイント付与募集禁止 松本総務相 “理解求める”」と言うタイトルで、次の様に報じていました。
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ふるさと納税ポイント付与募集禁止 松本総務相 “理解求める”
2024年7月2日 12時02分 NHK
ふるさと納税をめぐって、ポイントを付与する仲介サイトでの募集を禁止する総務省の決定に、サイトを運営する事業者の1つが反対していることについて、松本総務大臣は本来の目的にかなう制度にするためだとして理解を求めました。
ふるさと納税をめぐり、ポイントを付与する仲介サイトの間で競争が激しくなっていることを受けて、総務省が来年10月から仲介サイトを通じた寄付の募集を禁止することを決めたのに対し、サイトを運営する楽天グループは、撤回を求めてインターネット上で反対の署名活動を始めました。
これについて、松本総務大臣は2日の閣議の後の記者会見で「ポイントの原資まではコメントできないが、金の流れを見れば寄付額から仲介サイトに入り、そこからポイントの金も出ていると言ってもいい部分もあるのではないか。そうしたお金の流れは、やめていただきたいということで禁止させてもらった」と述べました。
その上で「関係する事業者とはこれまでも丁寧に話をし、システム改修に一定の期間がかかるということで、来年10月からとさせてもらった。ふるさと納税の本旨にかなった適正化を目指すことに理解いただけるよう引き続き丁寧に説明していきたい」と述べました。
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ふるさと納税の“本旨”とのことですが、法律上の明確な“本旨”なんてあるのでしょうか、あるとするならば一体どこに書いてあるのでしょうか。
私は以前“ふるさと納税”制度に疑問を持ち、この制度の本来の定義・趣旨を確かめようとしましたが、見つけることが出来ませんでした。“本旨”なんてどこにも書いてないのではないでしょうか。出ているのは法的な根拠のない解説だけでした。
(参考)
H115
泉佐野市は法廷で“ふるさと”納税制度の不公平・欺瞞を主張すべき -菅官房長官は宰相の器か- (kcn.ne.jp)
H118
単なるネット・通販に過ぎない「ふるさと納税」の大義の欺瞞 -本旨逸脱は奈半利町だけではない、泉佐野市を叩くのは不公平- (kcn.ne.jp)
“ふるさと”と名が付く以上、“ふるさと”を離れて大都会で就職した若者達が、自分が育ったふるさとに恩返しをする制度の様な漠然としてイメージを持っていましたが、いざ、実際に“ふるさと納税”(買い物)をする時には、自分の出身地も寄付先も全く関係ないことに少し驚きました。これでは単なるネット通販に過ぎません。
このネット通販で買い物をすると、その金額が産地の自治体に対する「寄付金」として扱われ、その寄付をしたことにより自分が現在居住している市町村に納める地方税の内、ほぼ寄付金と同額が減額されると言うものです。
自分が実際に生まれ育った地域への寄付であれば、その趣旨を理解することも可能ですが、そうでなく単なる“商品の産地”に対する寄付となるであれば、その為に現在の居住地の税金を減額するのは本旨(本心)ではありません。
そう考えてくると、“ふるさと納税”という言葉自身が、実態と“本旨”が乖離して、納税者を欺く欺瞞であると思います。そもそも“ふるさと納税”という言葉自体が、法令の中にあるのでしょうか。私はいくら探しても見つけることが出来ませんでした。ありもしない制度があるかのように報じられているのは、とてもまともな“法治国家”のする事ではありません。これは立派な“詐欺行為”です。
このふるさと納税は菅前総理が発案したものですが、彼は出身は秋田県で、現住所、選挙区はともに横浜市です。彼が出身地の秋田に“ふるさと”納税をすると選挙区である地元の有権者の利益に反する行いとなります。こんなことで良いのでしょうか。寄付金控除制度を利用(悪用)する点では“良いアイデア”という事になるのかも知れませんが、全く理屈が通らない制度の悪用であり、菅氏のお粗末さ(悪質さ)が知れる代物です。
令和6年7月2日 ご意見・ご感想は こちらへ トップへ戻る 目次へ