Anthony Dowell Interview 抜粋
  by Chris Pasles(L.A.Times) 1997.5.21

 ロイヤルバレエ団のダンサーが、他のカンパニーに移籍するのは今に始まったことではないが、最近、ロイヤルのプリンシパルだったアダム・クーパーがマシュー・ボーンのカンパニー、AMPに参加する為に退団した。

 クーパーはロンドンでの「白鳥の湖」(AMP)の公演で、白鳥/黒鳥役を踊る為に休暇をとっていた。しかし、マシューがこの作品をL.A.のアーマンソン・シアターに持っていく事を決め、もうこれ以上休暇は取る事は出来ないと判断したクーパーは、ロイヤルを退団した。

 ロイヤルのダンサーでもう一人、サラ・ウィルドー(クーパーの実生活でのパートナー)が、マシュー・ボーンの次回作「シンデレラ」に出演する為、ロイヤルを2.3カ月離れる事になっている。

 それに関してロイヤルの芸術監督アンソニー・ダウエルはこう語った。
「アダムはシーズンの終わりにロイヤルを去るつもりだった。彼は演技や歌といったものにも興味を持っていた。彼の後ろにはエージェントがついている。私は巣立って行こうとする人間の道を阻むような事は絶対にしない。しかし、もしアダムが財政的、またその他の全てにおいて困難な時期に入り、戻ってきたいと思う事があったとしても、我々が一つの集団(カンパニー)である以上、必ずしも温かく受け入れる事が出来るとは言えない。とは言うものの、ドアをピシャっと閉めてしまうような事も決してしない。」

「サラは間違いなく解放感を味わうだろう。彼らに鎖と重りをつけておく事は出来ないし・・・・・そう、これはギャンブルだ。もし彼女が巣立ちたいと言ってきても、私に彼女を止めることは出来ない。彼らは自分の道を見つけたのだ。本人がそうしたいと言っているのを止める事は出来ない。」

「私はAMPにダンサーを提供している事を大変嬉しく思っている。マシューのカンパニーはとてもおもしろい。彼らは我々が子供のころから慣れ親しんだ、素敵で馴染み深い作品を新しい方法で見せ、必ず私たちを魅了してくれる。」

しかし、ダウエルはマシューとの共作などは全くする気がないらしい。
「マシューには彼の進む道がある。我々はクラッシックのカンパニーで、古典作品とクラッシックダンサーを使う。さしあたって今、彼は自分の個性にぴったりあった彼自身のカンパニーを持っている。」
と彼は語った。

                                  日本語翻訳:なつむ (1997. 6 /20)

・このインタビューは、Los Angeles Times (1997年5/21) に掲載された記事の一部分を翻訳したものです。

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