★このレポートは皆さまから寄せられたものです。
公演日順ではなく、頂いた最新のレポートが一番上になっています★


★草加さん★

2月26日マチネ
ヴァルモン:アダム・クーパー
トゥールベル:サラ・ウィルドー
ロズモンド:マリリン・カッツ
メルトイユ:ヨランダ・ヨーク・エドジェル
ヴォランジュ:ウェンディ・ウッド・ブリッジ
セシル:ナターシャ・ダトン
ダンスニー:ダニエル・デヴィットソン
ジェルクール:リシャール・キュルト
プレヴァン/神父:パーネビ・イングラム

2月26日ソアレ
ヴァルモン:アダム・クーパー
トゥールベル:サラ・ウィルドー
メルトイユ:サラ・バロン
ロズモンド:マリリン・カッツ
ヴォランジュ:ウェンディ・ウッド・ブリッジ
セシル:ヘレン・ディクソン
ダンスニー:デーミアン・ジャクソン
ジェルクール:リシャール・キュルト
プレヴァン/神父:サイモン・クーパー

 最初に断っておきますが、私はアダム・クーパーのファンです。アダムさえ出て れば内容はなんでもいい、と言ってしまうと信用されないと思いますが、それに 近い感覚もなきにしもあらず、です。

 というわけで、「危険な関係」大阪での3公演、26日マチネ・ソワレ、27日マチネの三枚を買いました。まず、臆面もなしに一言で言ってしまえば、期待通り私の好みの作品でした。
 昔、書簡文学にはまったこともあり、原作は随分若いときに読んでいましたし、マルコヴィッチ、グレン・クローズの映画も公開直後に観た記憶です。私は、この映画よりも今回の作品の方が気に入っています。

 2001年にK-balletで、AdamのSix Facesを見たときに、すでにこの企画があることを彼が話していたので、AdamとLezが温めてきたと同じ年数、私もこの作品を熱望していました。K-balletのパンフを読み直してみると「うまくいけば今年(2001)年の秋頃には初演出来、2002年にはツアーできると思います」というものすごい楽観的なコメントがありました。苦労したわね〜っと感慨深いものがあります。ともかく、彼の企画、プロダクションが実現したことが嬉しいです。

 まず、26日マチネですが、チケットの引き替えに時間がかかり、キャスト表を見 る暇もなく席につきました。席は、中央通路の後方ボックス席のすぐ後ろです。
 キャストには遠かったけれど舞台全体が見やすい席でした。幻想的なプロローグ に始まり、眼を奪われたのはやはりレズの美術です。これは・・・!と言葉を失 うほどの素晴らしい舞台装置でした。

 東京の感想などを読み、聞きしていたので、もし途中で睡魔が襲ったらアダムに申し訳ない、と緊張した一幕でしたが、人間関係を把握するのに逃してはならないと観ていたので、退屈することはまったくありませんでした。サラ・ウィルドーのトゥールベル婦人は、もう彼女のためにある役とも思えるぐらいです。ミシェル・ファイファー(映画版)を圧倒的に上回って、サラの勝ち!と思いました。彼女の容姿は、本当にこの役にぴったりで、去年On Your Toesを見ていなければ、地でやっているのかしら、と思わせるぐらいです。
 ロイド・ウェーバーが当時奥さんだったサラ・ブライトマンの為にファントムを書いたように、アダムもサラがいてこそこの作品を作ろうと思ったのでは?と考えたほどです。

 印象は、この内容にしては演出が全体的にあっさり目だと思いました。まず、ヨ ランダ・ヨーク・エドジェルのメルトイユがそれほどいやらしくない。なんとい うか、さっぱり系。Swanでも、中年ねちっこ系とさっぱり系の女王様がいました よね。ナターシャ・ダトンのセシルは、純情無垢な感じはあるのですが、本来的 にこの年齢の女の子の持つ好奇心、大人の世界への憧れの部分の印象が薄く、最 後まで、ヴァルモンを怖がっている感じでした。
 そして、ダニエル・デヴィットソン君のダンスニーに至っては、青年というよりも少年・・・。あまりにもあどけなさすぎる。体も細いし。ヴァルモンとの決闘場面では、「もう、そのぐらいにしておいてあげましょうよ」と思ったぐらい。
音楽の合間に入る「ぎぎぎ・・」という不気味な機械音。レズはギロチンの音(ですか?)と言っていましたが、私には、運命の歯車がまわる音のように聞こえました。
 最後のLiberteの血文字は、当然フランス革命の「自由」と、ヴァルモン、メル トイユが共にむさぼりあい、破滅にいたった肉欲からの解放とも解釈できます。

 あの手紙で綴られた心理劇ををよくこの作品につくりあげたとも思いましたが、 ものすごく感動したというわけでもありません。冷静に考えると自分の中の思い でなんとか感動にもっていったという感じです。

 さて、ソアレは、ひょっとしたら、サイモンがヴァルモンをやって、アダムが客 席に・・・なんてこともあり?かなと思い、少しドキドキして会場に行きました ら、キャスト表を見て残念!アダムは舞台の上です。
 アダムが主演で残念と思うのもおかしのですけれど、もし座るならば私の右でなくて左に座って欲しいものだ(私は自分の右に人に座られるのが嫌いなので)とか、カラオケに誘われた時の英語まで用意するといういう幻想にひたっていたものですから・・・。それと、実は、サイモン兄ちゃんを舞台でみるのは初めてです。なおこさんに笑わせもらった小道具の下手な使い手をちょっと見てみたいとも思っていたので、これもちょっと残念。席は中央通路のレフト、前から12列目。マチネよりずっとキャストに近づいた位置です。

 サラ・バロンのメルトイユが出てきた途端、これは!昼の作品とはまったく別物 になる!と確信しましたが、本当に別物でした。
 圧倒的な存在感、圧倒的ないやらしさ!メルトイユはこうでないといけません。彼女の前ではグレン・クローズだってかすんでしまいますわ。
 そして、ヘレン・ディクソンのセシルは、少女らしい無垢と無邪気、そして悪戯っぽさ、大人の世界への好奇心などがすべて表現できていたと思います。アダムに襲われた後の彼女の困惑、悲痛、そして、その後に見せる大人の女への変貌などから、彼女もまた未来のメルトイユになるのか、と思わせるぐらいよく出来ていました。
 デーミアンのダンスニーは、ダニエルよりはずっと大人の青年でした。セシルとの恋、そしてメルトイユとの情事。ダニエルの場合は、情事というよりも好きなように玩具にされている感じで、本人の意思というものが感じられなかったけれど、デーミアンは、純愛とは別の肉愛をちょっと怖いけれど楽しんでいる様子に見えました。アダムの女性陣へのかかわりも昼の部よりもセクシーに感じました。
 ただ、この日はテクニカルミスがありました。まず、幕があくまえに、スモーク がかなり会場の方に入ってしまい、ゲホゲホ状態でした。それもある種幻想的だ ったのですが、この日のマチネ、翌日のマチネではなかったので、ミスでしょう かね?それと、最後のホリゾントをあげるタイミングがちょっと狂いました。Liberteの一部が、あれ?あがってしまった?

 27日のマチネは、オペラグラスを用意し、アダムのアップなどを追うことに集中 しようと考えました。2ステージみていると結構余裕です。

 アダムのあの鬘をぬぐシーンが好きです。突然顔も豹変するのです。怖い。サクソン人みたい。アダムの鼻って前から思っていたけれどサクソンの鼻ですよね。衣装を一枚一枚脱いでいく。虚飾をとって本来的な悪徳そのものが現れるところです。私は、一度だけアダムの足と足の指をみてみたいと思っていたので(念のために言っておきますが、人の足とか足の指に興味を持つことは普段はありません。見たからと言っても特に目的はありません)このシーンが唯一のチャンスです。オペラグラスで足に集中・・・のつもりが見逃した!オペラグラスがふらふらっとお腹と胸方面に誘惑されてしまった。そんなんいつでもみられるやん!(いやプライベートには見られないけれど)自己嫌悪です。
 冗談はさておいて、この日はテクニカルミスもなく、キャストも充実していたので、安心していましたが、やはり、Swanの時同様、二幕め中盤にかかると、あともうすぐ終わってしまう・・・という哀さがこみ上げてきました。

 去年のOn Your Toesの時は「来年、危険な関係で会いましょう!」というお約束があったのですが、今回は、これで終わり〜。何か本当に淋しいです。次に来日 する時は何なのでしょう。


★かねごんさん★

 1月29日、2月1日、2月5日、2月10日、2月15日の公演を見てきました。
上演時間は一幕、二幕合わせて2時間足らずと短いものでしたが、とにかく最初から最後までその世界に引き込まれっぱなしでした。

 レズ・ブラザーストンの美しい舞台装置と衣装、エモーショナルで印象的な音楽、そして完璧なまでに素晴らしいキャスト!アダムが長い年月をかけて創り上げただけある素晴らしい舞台でした。

 「Swan Lake」「On Your Toes」「Singin,in the Rain」とアダムを観てきましたが、今回この舞台を観て彼に対する認識がちょっと変わってしまいました。美しい舞台装置や衣装などで甘美な世界をつくりながらも、その根底にあるのはドロリとした人間の「業」。心の奥底にある暗い情念。底知れぬ深い闇。そういったものを作品としてかたちにしたいと考えた彼の知性、そしてこの舞台をこんなにも完成度高く創り上げた彼の感性!
 アダムってもしかしたら希有な才能を持ったすごい人なんじゃないかと認識を新たにしてしまいました。

 アダムの振付けは、特別小難しいテクニックを駆使しているわけではないんですが、登場人物のそれぞれの感情を見事に描き出していたと思います。
 ダンサーたちの高い演劇性によって、まさに振付けが「言葉」そのものになっているんです!踊り手に力があるのはもちろんですが、こんなにも感情が伝わってくるものなんですね〜。単に振付けられたものを踊っている、という感じではなくなっていたように思いました。
 アダムが常々「ドラマティックなものが好き」と言っていたのが本当によくわかった。彼がこんな引き出しを持っていたなんて、正直言ってちょっとびっくりしました。

 今回の舞台で強烈な印象を残したのはやはり、サラ・バロンではないでしょうか。その圧倒的な存在感、強力な個性。彼女がいなければこの舞台はありえなかったとさえ思えます。
 本気でトゥールヴェルを愛してしまったヴァルモンを蔑み、ものすごい形相で睨み付けて唾を吐きかけるあの迫力。そしてラストのあの慟哭。
あれだけの張りつめた緊張感をつくりだし、ああいったフリーの動きを、観る側が納得できるような説得力を持って体現できる、というのははとんでもなくすごいことなんじゃないでしょうか。

 思えば「Swan Lake」の映像の中でも彼女の存在はかなり目立っていましたよね。一人だけパンツスーツで、しかもあのアイパッチ。
 すごく背が高い印象があったんですが、楽屋口で実際会ってみると私(165cm)より小さいのでちょっとびっくり!舞台の上ではあんなに大きく見えるのに!
「素晴らしかったです」と話したらウインクしてくれました。スッピンのお顔はまた違った意味でインパクトのある彼女でした。

 ヨランダ・ヨーク・エドジェルのメルトイユも観ましたが、彼女のメルトイユはサラ・バロンとくらべると、ずっとフェミニンな印象でした。
 一見、か弱そうに見える女性の方が実は計算高くしたたかで腹黒かったりする、なんて事を考えるとなるほど、そういったアプローチもあるのかなと思いました。

 そして誰よりも私の心を捉えて離さなかったのがサラです。彼女が舞台に登場する場面が私は大好き!それまでの薄暗い舞台から一転して、やわらかな日差しの中に黒いドレスで静かにたたずむ姿。そこにマリリン・カッツの歌声がかぶさって・・・。
 まるで絵画のように美しくって印象的で胸がいっぱいになってしまう。黒いドレスをひるがえしながら、ちょっと思い詰めたような表情でなめらかに踊る。彼女の持つ清らかさ、透明感は本当に天性のものなんでしょうね。

 そして二幕でのアダムとサラのパ・ド・ドゥはホントにホントに素敵だった! 音楽がまたすごくいい!切なくて胸がぎゅーっとなる。今思い返しても涙が出そうなくらい。そう、まさに二人が生み出す類い希な化学反応を目の当たりにしたのです。完全に完璧なまでの二人の世界。息が合っているなんてもんじゃありません! 我を忘れて二人の世界に引き込まれてしまいました。

 一度ナターシャ・ダトンのトゥールヴェルも観ましたが、彼女すごい美人で、サラとはまた違ったトゥールヴェルを演じていて良かったのですが、私にはやっぱりサラじゃなきゃと思えてしまいました。

 セシルを演じたヘレン・ディクソンも表現力豊かでとても良かった。彼女、実年齢はいくつぐらいなんでしょう。セシルになっている彼女はかわいらしくあどけなくって、本当に16、7ぐらいの女の子にしか見えない。ダンスニーのデーミアン・ジャクソン、若くてハンサムでなかなか素敵。彼と一緒にいるとアダムがおじさんに見えちゃったりして。
 一幕の、回転するピアノ(18世紀だとチェンバロになるのかな?)と共に二人が踊るシーン、カメラワークを意識したようなこのアイデアは秀逸。若い二人のめくるめく恋のときめきが手にとるように伝わってきました。若いっていいな〜。
 しかし、ピアノの回り方が少し「ガタン、ガタン」しちゃっていたのがちょっと残念。あそこがもっとスルスル〜となめらかに動いていたらもっと雰囲気よかったのにな〜。

 ダニエル・デヴィットソンは小柄で細くてちょっと頼りなさそうなダンスニーでしたが、セシルとのラブラブ度は高かったように思いました。サイモン兄は思ったより出番が少なかったかな。アダムとは醸し出す雰囲気は違っても、やっぱり兄弟だけに体つきとかはそっくり。

 一幕最後のレイプシーンは、アダムにとっても一つの挑戦だったんじゃないでしょうか。「レイプ」というある種のタブーに表現としてどこまでできるか・・・。
 直接的な表現もありましたが、そういった表現もこの作品を語る上では必要だと考えたのでしょう。幕が降りたあとの拍手はまばらでした。やはり、あの場面の直後には拍手はしずらいですよね。心理的に。でも、私は彼の「恐れずに挑戦する」姿勢を評価したいです。

 それにしても、アダムが服を脱ぐシーンってなんてセクシー!毎回目が釘付けになっておりました。服を脱ぐ、という動作だけでこんなにも「魅せる」ことができるダンサーなんてそうはいませんよね。身につけているものを一つ一つ取り払っていく・・・。あの表情に背筋がゾクッときちゃうんですよね・・・。
 アダムが舞台の上で発散するこの「色気」と言うか「オーラ」って、抗いがたくいつも私をとりこにするのです。だけど18世紀風の下着はまさにステテコ!鍛え上げられた美しい肉体にステテコパンツのコントラストがかなりたまりませんでした。

 今回の舞台、決して「明るく」「楽しい」ものではありませんでしたが、そこにはまぎれもなくリアルな人間のドラマがあり、深い余韻を残してくれました。こんなにも新しいアダムの一面を見ることができ、おどろきとうれしさでいっぱいです。この舞台を実現させてくれたDAKSとTBSには感謝です!


★なおこさん★

2月11日「危険な関係」byサイモン+サイン会

ヴァルモン子爵:サイモン・クーパー、トゥールヴェル夫人 :ナターシャ・ダトン! ヴォランジュ夫人:ヨランダ・ヨー ク・エドジェル、セシル:ナターシャ・ダトン、ダンスニー: デーミアン・ジャクソン、プレヴァン:バーネビ・イングラム

 サイモン主演というのに興味があって、とりあえず早い段階からチケットを取ってました。すると、直前になって公演後にアダムのサイン会決定との知らせが。。。!なんということでしょう!うれしい誤算???
 アダムファンになって丸3年。ロンドン、ワシントンまでアダムの舞台を観にいきながら、出待ちのひとつも出来ない超シャイなファンな私にもついにサインをGET出来るチャンスがやってきたのですっ!神様っているのですね。。

 はやる気持ちを抑えつつ。。。。私は青山劇場は今日が初めて。ゆうぽうとより小さいけど、いいサイズです。座席にかなり傾斜があるので前の人がまったく気になりません。
 さて、開幕。最初に仮面をつけている段階では、アダムだと思っても間違いない。。体つき似過ぎです。仮面を取ってところで、よーく見ると、サイモンの方が少し背が高いし、顔の造作もちょっとずつ違うのですが、遠目にはほとんど同じ。。

    キャストが違う時特有の違和感がありません。。どころか、その踊り、手足の動きはアダムより滑らかで色気があります。
 細かい演技はアダムの方がやっぱり作りこんでいる感じはあり、サイモンはぎこちないというか、さらっと演じてしまうんですね。 もっと大げさにしてくれてもいいのに〜。。まぁ滑り出しは上々。。。と思ったら、第一幕の第3場。メルトレイユ夫人とのデュエットのきめポーズでちょっとミスが。
 リフトの後バロンを抱きとめて正面を向いて終わるはずが、中途半端に抱きとめて、無理やり前に持っていってました。これまで3回観たけど、一度も失敗したところを見たことがなかったので、ちょっとびっくりしました。

   その後脱ぎ脱ぎシーンはちょっと乱雑。もっといやらし〜く脱がなきゃ!皮パンのベルトをはずすのに手間取って焦ったのかな?? 懐にしまうはずの手紙がちゃんと収まらず、右じゃなくって左だっけ?とやってる間に時間がなくなり、手紙を持ったままの手で燭台を持つはめに。ドアを通り抜ける間に手紙をしまってましたが、焦りが見えます。さらにセシルを襲う場面でもやはりリフトが危ない危ない。。。 かえってほんとに襲ってるみたいではありましたが。。百戦錬磨のヴァルモンというより、激しい若者な感じが。。
 幕間に、うーん、こんなことでトゥールベル夫人とのリフトしまくりデュエットは大丈夫なのだろうか。。と余計な心配をしてしまった私でした。

 第2幕が始まろうとした時、私の座っていた席の4列ほど後にアダムがやってきて座りました。会場の皆さんかなり注目。。。会場が静まるのを待っていたのか、随分間をおいてから2幕のスタート。

 サイモンのソロの踊りは実に素敵。ジャンプもアダムより高いし、余裕があるような気がします。トゥールベル夫人とのデュエットはうまくやってね。。と祈るような気持ちで観てしまいました。
 さて、本日のトゥールベル夫人はナターシャ・ダートン。 彼女のセシルを観ていたので、どうしても貞淑な夫人より可憐なイメージが。。。。サラのイメージがあまりにも強いせいもあるのでしょう。問題の?デュエットはどうにか?二人ともうまく乗り切ったと思います。入り込めました。ダートンの表情もどんどん良くなっていきました。

 それにしても、サイモン君、小物の使い方が下手です。。。!セシルが腰に短剣をしまってくれる時にもてまどい、ダンスニーが入るには入れなさそうでした。。決闘はうまくこなしましたが、自ら刺されに行くところでは、もう一つ表現が物足りなかったです。ここもしっかり演じてほしかったところなのに〜!
 そして最後、刺された後。。よろよろ椅子の側へいって、そこに隠されているであろう血のりをお腹に塗るのですが、それがもろにわかってしまう塗り方。。。! しかも、お腹いっぱいに自分でぬりぬりしてるのがあからさまにわかってし まい、思わず笑ってしまいました。。
 そして、幕 − カーテンコール。観客席にいたアダムが「ブラボー、WowWow〜」と大声で騒いでました。サイモンもアダムを指差して応えてましたが。。アダムったら。。! せっかく舞台に向かってる観客があなたの方をみちゃうでしょ!!

 その後、ロビーでサイン&握手会。サインをもらえるのは記念フォトブックを買った人だけ、購入チケットを持ってるだけだと同じ列に並んでいても握手のみ! 招待チケットは握手もだめ!写真撮影はNO。。。とかなり厳重。。というか。。。 これって、アダムがどうこうじゃなくて、主催者側の問題ですよね。
 「アダム」という商品はお金で売れるわけですから、タダで写真やサインなんてもってのほか!ってことですよね。。ちょっと悲しいけど、しょうがない。

 流れ作業のようにどんどんサインをこなすアダム。皆さんあまり声をかけてなかったのですが、中には面と向かって「I loveyou〜〜」とのたまわったおばさまも。 すばらしい。私はというと。。サインをしてもらってる間は話しかけられず、握手しようと思ったら、アダムが横をむいてスタッフと何か話してしまい。。向き直って握手してくれた時にようやく出た言葉は「Ihope you could bring this back to London(ロンドンで再演できることを願っています。。のつもり)」だけでした。。わかってくれたのかどうかわかりませんがアダムはちょっと真顔になって「Thank you」と。。。。
 大きな瞳にすいこまれそうでした。。あぁ。。かなりディープなファンってわかってくれたかしら。。。?? ほんとは「The showwas great! (すばらしい舞台でした)」とか「I was really impressed(感激しました)」とか言いたかったのに。。。

 商業主義が鼻につく企画ではありましたが、何はともあれようやく初サインGET&初握手達成させてくれた企画だったわけで。。文句は申せません。握手の山が明日の公演に響きませんように。

2月12日「危険な関係」

私にとっての千秋楽です。サイモンで締めくくるのはどうかな。。と、ふと数日前に思い立ったけど、さすがに残席わずか。2階席の端の方でした。本日も90%ほど座席は埋まっています。

 2階席からはオケの中身がよく見えました。ヴァイオリン系が3人、チェロが2人、フルート、オーボエ?、キーボード、オルガン?各1人のこじんまりした編成。 オープニングとエンドの効果音とハミングような歌声?は録音テープのようです。この舞台はオケなんだけど、大きなスピーカーが設置してあって、音楽は基本的にそこから聞こえてきます。
 オケな気がしなくて録音テープっぽいなぁとずーっと感じていたのですが、効果音テープと小さなオケの音をマイクで拾って合わせるとそうなっちゃうのでしょうか???

 昨日のサイモンとどうしても比べてしまいます。アダムの方が当然ながら踊りこんでるし、役も作りこんでるので、ずべてが滑らかで観ていて心地良いです。。 昨日に引き続き、本日もトゥールベル夫人はナターシャ・ダトンでした。今日のほうが気持ちが入っていて、踊りも良かったように見えました。
 サラで締めくくれなくて残念でしたが、ダトンのトゥールベル夫人もついには恋に落ち、心を開いてしまう感情の動きをうまく表現していたと思います。そして、これは出演者全般的に言えることですが、初日当初から比べて堅さがほぐれて動き や演技がどんどん良くなっていっているように思いました。

 この数日間は映画の「危険な関係」を観て、お勉強してました。燭台を持つのは映画のイメージから来てるのかな。。とか、プレヴァンの話は映画では描かれてない部分だけど、メルトレイユ夫人のキャラクターを表現する上で必要だと考えたのだろうな。。なんて思いました。

 最後に今回の舞台のまとめです。
 踊りの技術だけをとると、サイモンしかりアダムより上手い人はたくさんいると思いますが、アダムには表現力や舞台栄え、スター性とでも言うのでしょうか、そんなカリスマ性があるのだと思います。ロイヤルではクラッシックバレエダンサーとしてそれが高く評価されることはなかったのですが、バレエという枠組みをとった「ダンス・アクト」の舞台では、それがいかんなく発揮され、評価を受けているのだということを実感しました。
 そして、アダムのコリオグラファー及び演出家としての能力に感服した舞台でした。その才能と人柄の良さですばらしいキャストとスタッフも揃えてしまえるし。。。振付けたミュージカル、Grand Hotelでコリオグラファーとしてオリビエ賞にノミネートされているのも、以前ロイヤルの芸術監督の話もあったというのも、うなずけきました。本当にすばらしい舞台でした。


★なおこさん★

2月4日(金)の舞台を観てきました。

(前回と違うと思われる分のみ)セシル:ヘレン・ディクソン、ダンスニー:ダニエル・デヴィッドソン、プレヴァン:サイモン・クーパー

 今日は友人が一緒でした。これからバレエやダンスの舞台をお勉強する!という人なので、どういう反応を示すか非常に興味のあるところでした。

 さすがに3回目となると本当に落ち着いて見ることができます。舞台の中にちりばめられた細かい演出がよく目に留まりました。
 これまで集中力がもたなかった第一幕。アダムもトークショーの時に一番苦労したのは?の問いに「第一幕の振り付け。人間関係をどのように表していくのかが難しかった。」と語っていました。
 感情をダンスで表すより人間関係を表現する方が難しい。。そうですよね。そういった視点で改めて観たところ、今日はまったく眠くなりませんでした!
 舞台の後方のマジックミラーは実に多用されていて、始終誰かが後ろに立ってのぞいていたり、別の場面を繰り広げていたり。。と細かい工夫がなされていて、苦労の跡が見てとれます。
 友人もちゃんと集中していて、「踊りだけであんなに表現できるもんなんだね〜」と言っていました。アダムの思惑通りにいったようです!

 第二幕はやっぱりサラ(ウィルドー)がいいです。彼女の表情を見ていて私は鳥肌が立ちました。そしてバロンのエンドはすばらしい。照明が強烈に効果的です。たぶん結構いると思われるリピーターもだんだん自分なりの解釈を深めていているのではないのでしょうか。
 舞台が終わった瞬間大きな拍手。。!人間の根底にある複雑な心理描写の物語だけに、観る度に味が出てくる。。。そんな舞台だと思います。 友人にも好評でした! 引き続き彼女には4月のSwan Lakeにもお付き合いいただく予定なので、ダンスワールドに引き込みたいと思ってます。


★なおこさん★

 初日と、トークショーがあった1月30日の舞台を観てきました。

2005年1月22日「危険な関係」
ヴァルモン子爵:アダム・クーパー、メルトゥイユ侯爵夫人:サラ・バロン、トゥールヴェル夫人:サラ・ウィルドー、ロズモンド夫人:マリリン・カッツ、ヴォランジュ夫人:ヨランダ・ヨーク・エドジェル、セシル:ヘレン・ディクソン、ダンスニー:デーミアン・ジャクソン、ジェルクール伯爵:リシャール・キュルト、プレヴァン:サイモン・クーパー

 最初に結論を言うと。。期待通り、いえそれ以上の舞台でした。よくこれだけのものを創り出せるものだなぁ。。とただひたすら感心、感激しました。
でも、決して万人受けする作品ではありません。

 まずは。。やっぱりレズ・ブラザーストンの舞台美術はすばらしいです!古ぼけた風の鏡を多用し、ヴェルサイユ宮の鏡の間のような雰囲気を出しつつ、それがマジックミラーにもなっていて、鏡の向こうから様子をのぞくシーンにとても効果的な雰囲気を生み出す。
 舞台装置そのものを大きく変えなくても、ほんの少し、引き戸のような大きな衝立を引き入れることによって、奥行きを調節し、部屋の雰囲気を変えていく。レズお得意の手法が今回も随所にちりばめられていて、本当に素敵です。 

 おっと、肝心の舞台。黒い衣装に仮面をつけた登場人物がろうそくやたいまつを手に舞台を横切っていきます。ここで登場人物の人間関係を描いていくわけです。 仮面と黒いマントをとったアダムはストレートのロングヘアーを首の辺りでゆわ えたズラに全身白のコスチューム。ズラにはさほど違和感を感じなかったのですが、色のせいなのか次の衣装の上から着ているのか、あのアダムの足がなんだか太く短く見えました。そんなはずは絶対に無いのにっ!!!!

 場面が変わってアダムの衣装は得意の黒の皮パンになるわけですが。。これが、濃い茶のパンツの上からお尻股周りをカットした皮パンなのです。皮パンをどうしてもアダムに履かせたいけど、暑いから。。という折衷案だと思いますが、そこまでして皮パンを履く必要があるだろうか??重ね着によってせっかくの素敵な足のラインを損ねていると思ったのは私だけでしょうか? 

 正直言って前半は最後の場以外ダンス自体もおとなしいものだったので、全体的に暗い雰囲気の中どうしても眠気が襲ってきてしまいました。。。しかし、眠気が吹き飛ぶ第一幕の最終場。
 セシルを我がものにするため、身支度を始めるヴァルモン。ズラをはずし、洋服を一枚一枚大げさに脱いでいく。。ファンへのサービスシーンなのでしょうか。。。しかも胸はちゃんとしてあるし。。
 で、最終的には上半身裸で下着のモモヒキいっちょになっちゃうのですが、その姿には思わず笑ってしまいます。そして、そのモモヒキ姿でセシルを襲う襲う。
 かなりの激しさにこの日は1幕終了時には拍手もマバラでした。アダムって鉄棒も出来るのね。普段リフトしまくりなわけですから、当然ものすごい腕力があるのですね。

 ゆったりとした1幕から2幕は速いテンポで話が展開していきます。最初は横に並べられた椅子に一同が背を向けて座って、上半身の動き、目線で演技をするのですが、この演出はいいと思います。ヴァルモンとトゥールヴェル夫人のパ・ド・ドゥはヴァルモン唯一邪悪な顔をせず踊るシーン。
 せつないトーンの音楽と二人の踊りがマッチして、胸がきゅ〜っとなりました。

   ここで、各出演者について一言ずつ。。メルトレイユ夫人サラ・バロンの独特な濃いキャラクターでかなりすごい人物に仕上がってます。ヴァルモン、プレヴァンやダンスニーをいたぶる弄ぶ。。裸足で爬虫類のように這う姿はすごい。。の一言。大変な存在感です。

 トゥールヴェル夫人サラ・ウィルドー。貞淑な夫人であったトゥールヴェル夫人がヴァルモンに翻弄され、ついには命を絶ってしまう。。とまどい、心を開き、そして打ち破られた悲哀。。すべてを完璧な表情で演じきるサラ・ウィルドーは本当にすばらしいアクトレスです。

 ロズモンド夫人のマリリン・カッツ。声はすばらしいけど、存在感がいまひとつ。唯一オペラのように歌う役柄なのですが、フランス語の歌詞なので内容がほとんどわからない(苦笑)
 淡々とした中で歌が入ることによって、流れを変える効果があるのかな。ダンスニー役のデーミアン・ジャクソン、かなり男前でかっこいいです! ジェルクール伯爵のリチャール・キュルト。彼の衣装が出演者中一番お気に入りです。
 好色な中年男のいやらしさを強調するようなラインストーンギラギラな上着そしてリチャール・キュルトの表情がまた良い!芸達者な人です。
 神父+プレヴァンのサイモン・クーパー。体型がアダムそっくりなので、同じ丸坊主姿だと遠目には見分けがつかない。。。特にプレヴァン役でメルトレイユ夫人と戯れている時は、どっちがどっちか。。

 最後の決闘シーンはアダムのチャンバラ。。いえいえ、剣さばきがなかなか決まっていて、素敵。最後のシーンではメルトレイユ夫人が破滅へ。。とSynopsisに書いてあったのですが、私には決意も新たに踏み出しているように見えました。

   熱演が終了した時には大きな拍手とブラボーの声(たぶんやらせ)。スタンディング・オベーションを送る人もいました。1幕後は私もむむ〜ん、これは微妙な作品〜と思いましたが、2幕目終了時には「良かった!、でかしたアダム!」と自然に拍手が出ました。

 公演が決定した頃から、こういったテーマのダンス・アクトが日本でどのように受け入れられるものなのか私はとても不安でした。ましてや世界初演と言えば聞こえはいいけど、本国ですらスポンサーがつかなくて長年実現しなかった舞台を、アダム人気だけで日本で上演してしまうというその企画。そんなことがとても気になっていました。
 アダム人気でなんとかお客は入ると思いますが、自分を含めてダンスやミュージカルなどに目の肥えていない人々がどのような評価を下すのであろうか。。。だから、2幕終了時大きな拍手を聞いて、かなりほっとしました(余計なお世話ですが。。)

 でも、依然として、ただかっこいいだけのアダムではないし、普通の人が観るには暗いし、テーマが深すぎるので、この後の公演の入りが気になるところです。

2005年1月30日「危険な関係」+アフタートーク
(キャストが違う分だけ)セシル:ナターシャ・ダトン、ダンスニー:ダニエル・デヴィッドソン、プレヴァン:バーネビ・イングラム

 eプラスからのお知らせメールで、なんとこの日の公演終了後にアダムのトークショー開催決定!とのこと。あわててチケットを取りました。あんまりチケットの売れ行きが良くないのか。。。友人が偶然チケットを入手していて、一緒になったのですが、私は14列、彼女は2列。。私の超アダムファンは周知のところなので、彼女は2幕目から席を替わってくれたのでした。ありがとう!持つべきものは友なり〜!

 2回目の今日はかなり落ち着いて?見れました。モモヒキにも慣れました(笑) しかし、オープニングの後どうしても集中力が途切れがちです。
 特にアダムが出ないカードで遊び〜ダンスニーとセシルの恋の芽生えあたりのシーンで。。その後のメルトレイユ夫人の毒気で目覚めましたが。。夜セシルの寝室へダンスニーが訪れるシーンでは、メルトレイユ夫人によってガウンを剥ぎ取られたセシルにダンスニーが自分のジャケット着せます。
 その後仲介役のヴァルモンが入って来て、セシルからジャケットを受け取り、帰ろうとするダンスニーに渡すのですが、ここにアダムの人の良さが出てました! セシルが脱いだとき、袖が裏返ったのを、アダムはわざわざそれを直してダンスニーに渡したのです!ダンスニーはそれを持ったまま退場だったのに。。。う〜ん、アダムって優しいわ♪

 2回目でもヴァルモンがセシルを襲うシーンはやっぱり迫力あり!友人はこのシーンが一番激しくて気に入ったそうです。うむむ。仕事を終えたヴァルモンがマジックミラー越しのメルトレイユ夫人に自慢げにご挨拶するシーンは前はなかったよ うな。彼女との策略の末ということを強調するためでしょうか。

 変わったと言えば最後のシーンが大きく変わっていたように思います。初日はメルトレイユ夫人が毅然と前を向いてのエンドだったと思ったのですが、今日はろうそくとたいまつを持った黒衣装の人々に囲まれ、その火が一つずつ消えていくごとに、メルトレイユ夫人がカツラを落とすほど破綻していく。。という形に。これもゲーム感覚で人々の心を弄んだ結果、その人々を死に追い込んでしまった彼女の身の破滅を誇張するための演出だと思います。

 今日のダンスニー役がダニエル・デヴィッドソンはかなりお体がきゃしゃでいらして、そのわりには立派なあごひげが妙で、いまいち好みではありませんでした。 プレヴァンがサイモンではなかったので、混乱せずに済んだのは良いとして。。セシル役のナターシャ・ダトンは踊りが滑らかで良かったと思います。

 さて、お待ちかねトークショー。司会はTBSのアナウンサー、アダムはグッズで売り出している帽子とTシャツ姿で登場。
 通訳のおば様も入れて3名で舞台の上に用意された椅子に座ってのインタビュー。私はアダムの言っていることがわかる程度の英語力はあるのですが、通訳の方はとても上手に訳していらしたと思います。インタビューの後は観客からの質問に 答えてくれるコーナーもあり。。??と思う質問もありましたが。。。中でも印象に残ったもののみ挙げると、今日で(すでに!)5回目です!というかなりディープなファンの方がいい質問をしてくれました。
 最後のシーンではメルトレイユ夫人のバックに「LA LIBELTE(アクサン無視)」と書いてあるその意味について、「魂の開放ということですか?」 深い〜! 
 アダムはちょっと戸惑ったようですが、きちんと答えていました。この物語はフランス革命前の時代のものなので、この後の革命によって退廃した貴族社会が崩壊し、開放されることをレズがこのように表現したのだと思うというような主旨だった思います。 

 それから、制作の上で一番苦労したことは、「お金」とずばり答えてくれました。約3年ほど前からアダムのファンになった私は、この作品が何度か上演話が頓挫しており、でもアダムがずーっと実現させたいと思い続けていたのを知っているだけに。。。とてもいい作品だと思います。
 今後、この作品が正当な?オーディエンスのいるところで上演され、評価される 機会に恵まれることを願ってやみません。

 トーク終了後に自分のかぶっていた帽子を客席に投げ込むファンサービスも。 アダムさん、お疲れのところご苦労様でした!!


★原作も映画も好きなりょんさん★

 観てきました、『危険な関係』。すごく面白かったです。本当に凄かった。

 特に第2幕、ヴァルモンが未亡人のトゥルーベルを本気で愛していることに気づくシーン、心えぐられました。胸が締め付けられるような場面でした。

 あと、映画の『危険な関係』と『恋の掟』は台詞の掛け合いが濃密な作品だったのに、小説もまがまがしい文章の応酬だったのに、よくもまぁ全2幕、約1時間半に収めたなと、その構成力には驚きです。

 また、さすがはレズ・ブラザーストン。セットも衣装も素晴らしい出来です。 三共生興(ジャパン・ダックスです)、よくぞお金を出した! 偉い!その一言です。

 それから、舞台を観る前にもう一度、映画の『危険な関係』と『恋の掟』を観ることをオススメ。どういう風なところにアダムがインスパイアされたか、よく分かって、より一層楽しめます。マシュー・ボーン作品よりもR-15指定の度合いが高し!


★ローブリッターさん★

 26日のマチネを観てきました。。。。
アダム〜〜ッ!スパイダーマンやってる場合じゃ〜ないでしょ!!・・・・・あ〜、見かたを変えると、天蓋つきベッドのシーン、ここだけ・・・・笑えました。いえ、決して笑えるシーンではないのですが、友人曰く、「あの女の子が可哀相〜〜〜、アダム、なんてことを〜〜」とまあ、そ〜ゆ〜シーンでアダムはスパイダーマンのごとくに登場するのです。
 妖しく上から出てくる・・・・というだけで、パリオペラ座の「クラヴィーゴ」の寝室シーンもチラつきましたが、やはりスパイダーマンです。ここだけ、あの・・・落ち武者風のカツラを取ってくれて嬉しかった(笑)。

 「危険な関係」は もうかなり前にグレン・クローズ、ジョン・マルコビッチ出演の映画で観ていました。マルコビッチに強烈なインパクトありで、「大好きではないが、なぜか時々見たくなる映画」として。

 今回のアダムの舞台は一回だけの予定です。良ければチケット追加も考えていましたが、その思いはなくなりました。もう一度、あそこの場面を観たい!というような気持ちが全然沸かないのです。マシューの舞台のように目が足りないのでもう一回!・・・という感じでもない。アダムのチャレンジが私にはどーもピンと来なかったということです。

 ステージは両側面、正面、そして天井までも鏡や硝子で作ってあり、照明の効果で美しくも妖しくも映り、素敵でした。(映画でも硝子扉でかくし部屋が出てきましたので、さほど驚きはなかったのですが)

 しかし、舞台に気持ちが入らないまま観る、というのは辛いものです。席が前方でしたので、天井の鏡に映るダンサーを眺めることができました。しかし、これは今、舞台上にいる出演者に引き込まれていないから目が天井の絵に行く、ということ。
「こんな気持ちで観ているのが悲しい・・・アダム〜〜ッ!なんとかしてぇ〜〜〜っ」と思いながら最後まで・・・そう、最後までそう思いながらいってしまいました。

 音楽は生演奏でしたが、効果音がかなり耳障りでした。チェンバロがグルグル回るシーンではそのスムーズさに欠けた雑音にも重なって逆効果音に思え、胸がつまり、早くチェンバロを止めて、と思ったほどです。

 カーテンコールの拍手は今まで私が観たどの舞台よりも少なく、出演者らも一回で舞台そでに下がり、会場もあっというまに明るくなりました。ほかの日はわかりませんが、この日の公演は多くの観客の心には響かなかったと思います。

 出演者のキャラクター表現も力量のせいか中途半端に思えるふしもあり、「何か妙なものをみてしまった」というのが正直な感想です。


★ちいままさん★

 今回は見終わった後のキモチが乗らないと言うか、解放されてないと言うか、悶々としていて、上手くまとまらなそうだったので書かないつもりでしたが、やっぱり書きます。

 悶々としたキモチは、たぶんTOMOKOさんが書いてくれたようなことが主な理由かとも思われます。2月22日世界初演と言うことで期待して(しすぎ?)行きました。
 チケットもぎりの次にパンフもらいますよね。必ず受け取って下さいね。DAKSのCFのアダムとサラが踊ってる写真のクリアファイルが入ってます。

 幕は初めから開いていて、白いシフォンのようなカーテンが引かれています。ほぼ時間通りに開幕です。ジャキーン!という音で始まりました。その後も時々ジャキーン!が入ります。  その時は、なんかよく分からなかったんですが、後でパンフ(2000円也)を読んだら、ジャキーン!はギロチンの音だそうです。
 現代人には(?)、日本人には(?)、私には(?)なじみがないので、ギロチンとは分かりませんでした。確かに、不気味で不安定な時代感を表してはいます。

 アダムは『バレエとは違う』とか言ってますが、明らかに違うのは1幕目の最終場でしょうか。アダムが年若な処女を犯すとこノ。
 ロン毛のカツラを取って、上半身裸で、ステテコみたいなパンツ一丁でノ(世界初R?12のバレエではないかと、密かに思ったりして)表現があからさまで、バレエにはない直接的な表現。オブラートに包まれてない、行為そのものな振付ってノどうですかね?

 そんなシーンの後、キモチがドヨヨーンとしたまま1幕目が終わり、終わったんだけど、一瞬拍手が起きなかったんです。感動して拍手を忘れたわけではなく、終わったのかどうかが分からなかった為だと思われます。何せ、世界初演ですから。
 客席で観ていたスタッフ4・5人が拍手をし、あわてて観客が拍手をしたって感じです。

 2幕目、リサイタルの場面。歌う人以外全員が客席に背を向けて椅子に座るんです。席順と、背中と、横顔などで複雑な人間関係、心模様がよく表されていて私の好きなシーンの一つになりました。ストーリーは暗いし、重いし、アンハッピーエンドだし、カーテンコールは2回しかしなかったし、ちょっと盛り上がりに欠ける感はありましたねえ。

 ところで、1月30日は公演後にトークショーがあるらしいじゃないですか!その日のチケット持ってる方、是非その時の様子教えて下さい!!私は2月にもう一度行く予定です。劇場も違うし、違った目でキモチで見られると期待して。


★TOMOKOさん★

 初日に観てきました。会場の中に入ると、まず目に飛び込んできたのが、DAKSの宣伝のアダムとサラの大きな看板。前に立って記念撮影している人もいました。

 レズの舞台セットは、すごく美しかったです。AMPの時とはまた一味違った端整なセットで、18世紀末のお屋敷の雰囲気が良く出ていました。
 照明も美しく(時々踊りを見るにはやや暗く感じるところもありましたが)、うっ とりしました。音楽も、舞台の雰囲気に合った、不安な気持ちを掻き立てるような独特なメロディが美しく、演奏も良かったと思います。

 ただ、どうしても舞台に入り込めなかったのは、私が事前の予習をしていかなかったせいなのかも知れません。危険な関係の映画等を見ておけばよかったのかもしれませんが、なんか、見ていていまいち気持ちが盛り上がらなかったのです。
 なにが理由か自分なりに考えてみたのですが、一番引っかかっていたのは、アダムがパンフレットのインタビューかもしれません。
「この作品をバレエとは呼んで欲しくない。なぜならバレエと言うのは、演劇やミュージカルみたいに、誰が見ても楽しめるというものではないから。精通していればその表現している事の意味が分かるけど、そうでない人には分からない事だらけ。それがバレエと言う物だと思うんだよね。僕はそういう作品作りはしたくない。」
と言う発言があったのですが、じゃあ、一体今回の舞台はなんと呼べばいいんでしょう。決してバレエを超えたとは私には思えなかったのです。 AMPの「白鳥の湖」が、バレエを超えたと言うのならすごく納得はしますが、そういった衝撃がなかったと言うか、なんというか。

 それに、バレエが必ずしも約束が分からないと楽しめないとは私には思えません。例えばパリオペラ座の「ロミオとジュリエット」なんて、基本的なあらすじさえ知っていれば、初めてバレエを見るのでも、分かる人には分かると思います。

 今回のアダムの舞台を決して否定しているわけではないのです。好きなシーンはあったし、特にアダムとサラが徐々に惹かれあっていくダンスシーンには引き込まれました。
 サラは相変わらず清楚で美しく、貞淑なトゥールベル夫人の役はぴったりでした。やや体型に不安はありましたが。ロイヤル辞めて、今までの節制がちょっとはじけてしまったのでしょうか?(笑)

 舞台の最後にはスタンディングで拍手している人も多かったので、今回の舞台が良かったと思った方は多かったのではないでしょうか。
 私も、初めてということで入り込めなかったと部分もあると思います。2月にもう一度見に行く予定なので、それまでに、出来れば映画の危険な関係も見て望みたいです。


HOMEに戻る

On your toes in 2003@London Reportsを読む

AMP &Ballet indexを見る