ロンドン旅行記 〜シャーロック・ホームズ博物館編・1〜


<10/9>

歩き初めて5分もたたないうちに、ベーカーストリートにあるシャーロック・ホームズ博物館に着きました。それは思ったよりも静かな道路にそって何気なく建っていました。
ここはホームズの下宿を再現している博物館です。確か持ち主は銀行だったと記憶していますが、コナンドイルの設定通りちゃんとベーカー街に建っています。
博物館の小さな入り口に人が2人並んでいました。もしかして混んでいるんだろうか?と少し心配になりながら近づいて行くと、玄関にはホームズの時代のおそらく警官の姿をした人が立っていて、入場者の受付をしていました。

私たちを見るなり「ジャパニーズ?」と聞くのでそうだと答えると、日本語で書かれたリーフレットを渡してくれました。どうぞと促され、混んでいるのではないと分かり入り口をくぐりました。入るとすぐにホームズの時代のメイドの格好をした女性が現れました。

「見学ですか?レストランでお食事ですか?」と聞かれたので「ミュージアムだけです」と答えると「£5です」と言われたので料金を手渡しました。
すると少々時代がかった様子で彼女は膝を軽くおりながらお礼を言いました。芝居がかっているなぁとうれしくなりながら、かつてNHKで放送されていた「シャーロックホームズの冒険」で何度も出てきたのにそっくりなホームズの家の階段を登っていきました。

まず最初に現れたのは何度もブラウン管を通してみたホームズの居間。ちゃんと暖炉もバイオリンも実験道具も置いてあります。更に部屋の隅にはハドソン夫人が用意してセッティングされたと思われるテーブルもありました。
もちろんベーカーストリート側には窓もついています。ここが良くホームズが外を見ていた窓なのねと思いつながら、モリアティー教授の手下は居ないかと向かいのビルの窓を覗いてみました。もちろんそこには誰もいませんでしたが、心はすっかりホームズです。本来なら石畳の前の道は現実にはアスファルトの道路で、馬車の変わりに自動車が通っています。すっかり現代になってしまったなぁと過去も知らないのにしみじみしてしまいます。
不思議なものでTVでさんざんホームズの家を見ていたので、初めて訪れた感じがしないのです。

ここは実に精密に作られていてモリアティーの手下が打ち込んだ銃弾の跡はどこだろうと探してみましたが、見つかりませんでした。(実際に作られているそうです)
それにしても良く出来ているなぁと部屋の中を眺めていると、先程玄関で入場料を集めていた女性が入ってきました。彼女は部屋に入るなり、暖炉の前に置いてある応接セットの前にあったロープのかかっているポールを取り除き、ソファーの上にあるクッションを裏返しました。そして私を含めて6人いた見学者に向かって、
「ここに座って写真を撮ってもいいですよ。ここにある帽子とパイプも使っていいです。でも、それ以外の物には触らないで下さいね」
そう言うと部屋の外に出ていきました。早速私たち6人は順番に写真を撮り始めました。まさかこのソファーに座って写真が撮れるなんて驚きです。
日本なら絶対「手を触れないで下さい」と書いていそうな物に座れるのです。全員喜々として自分の番を待って写真を撮りました。

・上の写真はシャーロックホームズ博物館のホームズの居間です。(著者撮影)

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