ロンドン旅行記
〜ビッグ・ベン&ウェストンスター寺院編〜


<10/9・午後>

ヴィクトリアから地下鉄でウェストミンスター駅へ。さすがにビッグ・ベンとウェストミンスター寺院の最寄りの駅だけあって、観光客がぞろぞろと降りていきます。
人の波にのり、今度の目的地もすぐ見つかるといいなぁと思いながら外へ出るための階段を登っていきました。

ここはどうやら改装中の駅らしく、あちこち鉄パイプが剥きだしの状態で、何だか殺風景です。工事現場みたいな階段を登りきり、ふと顔をあげると何とそこにはビッグ・ベンの時計が!まさしく真正面のご対面でした。
思い掛けない登場に度胆をぬかれつつ、心の中で
「ピーターパンとウェンディー達が止まり木に使っていた時だっっ!」と叫んでいました。

外に出て左を見るとテムズ側、そして真正面にはビッグ・ベン。その後ろにはウェストミンスター寺院が。これぞ正しく観光スポット!

とりあえずテムズ側に掛かっている橋の方へ歩いて行きました。これが国会議事堂かと思いながら、いいアングルで写真が撮れるまで橋の上を歩き続けました。
ところがいくら歩いても背の高いビックベンと横に長い国会議事堂がちゃんと入るようになりません。ふと気が付くと橋を半分以上渡っていました。
その時向こう岸にある博物館らしき建物を発見。
「何だろうね」と言いながら目を凝らしてみますが、よくは分かりません。これからウェストミンスター寺院にも行くのでそのまま立ち去る事にしましたが、実はこれ、秋にオープンしたばかりの水族館でした。

テムズ川の遊覧船を見ながら再びビックベンの方に向かって歩きだしました。道路を渡り、今度はビックベンの背面へ。すると曇っていた空が晴れ渡り、青空が。美しい青の中にビックベンがよく栄えています。再び写真を撮り、漸くウェストミンスター寺院に向かう事にしました。

きれいな写真が撮れて良かったといいながら寺院内部へ。数日前に故ダイアナ元妃の葬儀が行なわれた場所に足を踏み入れました。

中は人で一杯です。先日からテレビで何度となく見た光景が目の前に広がっています。あの白と黒の大理石の床があるシャンデリアの美しい場所はどうやら仕切りの向こうにあるようで、入り口からはシャンデリアしか見る事が出来ません。

そちらの見学をするべく、入場料を払う為にカウンターに行きました。ところが、ロープを張られてしまい、先に進む事が出来ません。入場制限でもしているのだろうかと見ていると、どこからともなくマイクで聖書を読むような呪文を唱えるような声がしてきました。そしてなんとカウンターは閉まってしまったのです。
まさか!と思いながら腕時計を見ると、針は4時50分をさしていました。寺院内部の公開は4時45分までで、たった5分遅れで見られなかったのです。何でビックベンであんなに時間をとってしまったのか・・・・今更なのですが後悔していました。
「すっごく見たかったのに」と悔しがる友人を連れて仕方なく回廊へ。

そこには売店があり、その奥ではブラス・ラビング(拓本)をする人が沢山いました。
ブラス・ラビングというのは、歴史を物語る色々な絵の真ちゅう版に紙を乗せ、ワックスでこすって絵を写し取るというものです。
そこにはひたすら板に向かってこすり続ける人が大勢いた訳ですが、皆真剣で少々むきになっているようにも見えました。出来上がりは美しい絵が浮き上がり、なかなかいい作品が仕上がっています。が、ここには夢中になっている人を狙ったスリも多いらしく、「カメラとバッグに注意」という警告が貼られていました。

どこかを見てから帰りたいなぁと思い更に奥に入って行くと、一カ所だけ見学可能な場所がありました。最初は何だろうと興味を持ってドアを開けたのですが、そこは「参事会会議室」でした。

入場料を取るのでさぞ広いのだろうと思うとワンフロアーのステンドグラスの部屋だけ。なんだぁと思いつつ、でもそのステンドグラスの美しさに満足感がわいて来ます。
ここは修理中で、中では作業をする人がおり、床はビニールシートで覆われているのですが、それでもこの部屋の美しさは損なわれていませんでした。
しばらくそこで腰をおろして眺めた後、修復後ここはどう変わるのだろうかと思いながらその光に包まれた部屋を後にしました。

外にでると空はだんだん夕方へと変化していっています。
長い一日の観光予定は終わり、遂に待ちに待ったAMPの「シンデレラ」の時間が迫ってきました。
増えた手荷物を見、やはり劇場に行く前にホテルに寄ろうという事になり、私たちはウェストミンスター寺院を後にし、再びビックベンの横を通って地下鉄でコヴェントガーデンに移動しました。

・上の写真はビッグ・ベン(左)とウェストミンスター寺院内の「参事会会議室」(右)です。(著者撮影)

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