ロンドン旅行記 〜ロンドン塔編・1〜


<10/10・午前>

地下鉄マンションハウス駅で電車を待つこと数分。
ここは寂しい駅で、ホームには私たち二人をいれても四人ぐらいしかいません。ひと気のないホームにはチョコレートの自動販売機が備え付けられています。
ロンドンの地下鉄には、何故か飲み物ではなくチョコレートの自動販売機が多いのです。イギリス人は日常的に突然チョコが食べたくなる人達なのかな?と思いながら、漸く来た電車に乗り込みました。

ロンドン塔とタワーブリッジのあるタワーヒル駅はさすがに観光客で大混雑しています。地下鉄を降りるとホームの壁にはお約束の様に最寄りの観光スポットの絵が描かれていました。人の波に乗り、改札を出ると地下道をくぐるようになっています。
誰だか私には分からない銅像と写真を撮っている親子連れや団体客で賑わっている地下道を行くと、右手がロンドン塔らしいという事が分かりました。入り口に辿り着くまでには結構距離があるようです。外堀のようなところを左にして歩道を歩いていくこと数分。漸くロンドン塔の入口付近に到着しました。その近くにはタワーブリッジがある様です。

入場料(£8.3)を払ってゲートをくぐると、色々な言語で書かれた案内書が壁に備え付けられてありました。その中の日本語版を取り、いよいよロンドン塔の内部へ入る為の橋の様な通路を渡ります。その上で頭の部分が募金入れになった犬と猫の置物を発見。とてもかわいいので思わず写真を撮り、血生ぐさい話しがついてまわっているロンドン塔にはそぐわないこの置物に、今となっては観光地だなぁと実感しました。

通路を渡った入り口には人だかりが出来ていました。ロンドン塔は定期的にガイドツアーが出発しているそうで、人だかりの先にはここの制服を来たガイドさんが芝居がかった口調でしゃべっていました。
黒地に赤色い模様が入った帽子と、同様に黒地に赤の模様、胸には赤い王冠マーク、ウエストのあたりには「ER」の赤文字が入った国王衛士隊長の制服をロンドン塔のスタッフはまとっています。彼らは皆結構な年齢の人達なのですが、この派手な制服が妙にマッチしてお伽の国の人達という感じがしていて、思わず写真を撮りたくなります。
このスタッフはヨーマン・ウォーダーと呼ばれ、ビーフィーターという愛称を持ち、ロンドン塔内に住んでいるそうです。

人だかりを通り過ぎ、とにかく奥へ進んで行きます。道の左右は要塞のような石で作られた建物が続いています。そう、ここはどこまでも石造りの立派な牢屋が続いているのです。城というよりはやはり牢屋という感じです。ではいざ見学をという事で最初に目の前に現れた「中世の宮殿」に足を踏み入れました。

中は案外狭く、階段も小さく、全体に殺風景な場所です。装飾はほとんどありません。
「オーラ」と呼ばれる王の私用のホールには大き目のダイニングテーブルと燭台、そして暖炉と椅子があり、そこにはこの部屋を説明してくれるエドワード一世時代の格好をしたガイドスタッフが立っていました。しかしここも豪華さはなく、どちらかというと普通の家のダイニングルームといった感じです。
礼拝所のステンドグラスも小振りで、全体にこじんまりしています。通路を渡っていつの間にか同じ区画の別の塔へ移動。
ここの二階には玉座の様な椅子と円形の、飾りのほとんどついていないシャンデリアがありました。この中では一番中世風で美しい部屋でしたが、「宮殿」というよりは要塞を持つ「城」の一室という感じです。ここは結構地味な観光スポットだなと思いながら「中世の宮殿」を終了。次に「ウォール・ウォーク」のエリアに入ります。

またまた殺風景なソルト・タワーに少しがっかりし、マーティン・タワーに入りました。そこには上るのが少し怖い階段がありました。何だこの変な仮設のような階段はと思いながら、いかにも最近付け足しました的な螺旋階段を上ります。
すると、そこには何と王冠があったのです!

・上の写真はロンドン塔の「ホワイト・タワー」です。(著者撮影)

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