ロンドン旅行記 〜ナショナルギャラリー編・1〜


<10/10・午後>

タワー・ヒル駅からディストリクト線に乗り、昨日AMPの「シンデレラ」で出てきた「エンバンクメント」でベーカルー線に乗り換え、ナショナル・ギャラリーのあるチャリング・クロス駅で下車。
ホテルの最寄り駅という事で、何度もここを通っているのですが、昼間見るこの駅の周辺は、随分様子が違っていました。

地下鉄の通路を上がって地上に出ると、そこには「トラファルガー広場」が広がっています。そこは観光客と鳩でうめ尽くされています。夜の閑散とした広場とは違い、昼間の広場は活気に溢れているのです。

有名なライオンの像に噴水、そしてネルソン提督の像。そしてその後ろにはナショナルギャラリーが建っています。
襲って来る鳩をよけながら、風に吹かれて空を見上げると、青空が広がっていました。ライオンの像の台によじのぼって休んでいる人が大勢います。鳩に餌をやって腕に鳩をとまらせて遊んでいる人、噴水に腰掛けてくつろいでいる人、写真を撮っている人。ここは憩いの場になっているのです。

結構疲れているので、ナショナルギャラリーに行ってから、一度ホテルに戻る事にして、ここからは目と鼻の先のギャラリーに向かいました。

横断歩道を越えてナショナルギャラリーの玄関に立ち、トラファルガー広場を振り返ると、噴水の水の青さが目に飛び込んできました。あのライト・ブルーはどこからくるのかと友人が首をかしげています。空の青にしては色が違うし、噴水の底が青いぐらいではあそこまできれいな色にはならないのでは?と不思議になります。
あの青は一体何なんだと言いながらナショナルギャラリーへ。中に入るとインフォメーション・カウンターが入り口にありました。

そこでギャラリー内部のリーフレットをもらいます。そこではイアホン・ガイドも貸しだしているのですが、私たちはリーフレットのみで見学する事にしました。

まず入って最初にしたのは、今私たちが何処の部屋にいるのかを知り、何処の何を見るのかを決めることでした。この建物はとても大きいのです。
セントラル・ホールにまず足を踏み入れ、左右に飾られた絵を見ます。イギリスはどこもそうなのですが、肖像画がとても多いので、足を止める事なく、歩きながら見るを繰り返して進んでいきました。

ナショナル・ギャラリーはとにかく一日がかりの広さで、セインズブリー・ウィング、ウェスト・ウィング、ノース・ウィング、イースト・ウィングの4つにわかれています。そこにバテ気味の私たちがチャレンジしに来たのですから、言うまでもなく「いいとこどり」を狙っている訳です。

とにかくフランス絵画だけは見たいと思いモネを探すのですが、広い館内は回っているうちに何処の部屋を見たのか見ないのか分からなくなって来て、いつの間にか迷子の様な気分になってきます。
どうしようと思いながらついついベンチに腰をかけて足を休ませます。そこでおもむろに部屋の表示を見ると、「トラファルガー・スクエアー・エントランスはこっち」などという、大ざっぱな表示が目に飛び込んできました。
何故イタリアのように分かりやすく大きく部屋の番号を入れてくれないんだ!と思いながらまた次の部屋へ移動します。
移動の途中、絵の模写をしている人を数人見かけました。彼らに近寄りスケッチブックを見せてもらうと、目の前の絵画に描かれたものをそのまま模写しているのではなく、体の各パーツだけを模写していました。
イギリスの学生はこんな環境で勉強出来て幸せだなと思いながら辺りを見回すと、今度は絵の前に集団で座っている人達に気が付きました。
こちらは教授だか学芸員だか分かりませんが、講師がちゃんといて、その前でその絵について、その絵が描かれた頃の時代についての解説を聞いているのです。その解説もQ&Aで進められていて、とても楽しそうです。
いいなぁ、いいなぁと羨ましい事だらけになりながら、再び見たい絵を探して歩き始めました。

 そして、やっと見つけたのです。私の好きなモネの絵を。でもここの「睡蓮」には上野の西洋美術館の「睡蓮」のような迫力はありませんでした。せめてルソーが見たになぁと思って見回しますが、ルノアールやスーラなどしかありません。

まあ、仕方がないかと思い、疲れたから帰ろうと再び出口を目指します。帰る前に一応ミュージアムのショップに立ち寄る事にして、そちらの方に歩いて行きました。すると、そこに人込みがあったのです。

・上の写真はナショナル・ギャラリーです。(著者撮影)

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