ロンドン旅行記 〜ナショナルギャラリー編・2〜


<10/10・午後>

やけに混んでいる展示室には、レンブラントの絵が掛けられていました。特別展なのか常設なのかは分かりませんが、揃っている絵からすると、どうやら特別展のようです。広いギャラリー内でここだけ満室という様子を見ても、この絵を目当てに訪れた人が多いということがわかりました。

といっても絵はそう多くなく、せいぜい10枚ぐらいです。人の波にそって後ろから絵をのぞき込みます。すると、そこには「ベルシャツァルの饗宴」がありました。雑誌太陽で見てから印象に残っていた一枚です。それに「夜警」(に似たものだったのかもしれませんが)もありました。

教科書でしかみた事のない絵をこの目で見たのです。色といい、人物の表情といい、このギャラリーに展示されている他の絵画とは全く違った絵がそこにはありました。ああ、やっぱりレンブラントは凄い!と感動しながら人と人の間だから絵を見ます。彼の絵は肖像画でもその人間の内面を描き出し、何とも言えない魅力を持っています。
よくぞこの部屋に気づいたものだと我が身の幸運を感じながら、美術館というのは、絵を何枚所有しているかではなく、優れた絵をたった一枚でもいいから所有しているという事が重要なのだと思いました。たった一枚でも、感動をもたらしてくれる絵があれば、そこに足を運んだ意味が出てきます。
たとえそれが国境を越えなければならないほど遠い場所の美術館にあったとしてもです。それほどまでの力が芸術作品にはあるのです。

ナショナル・ギャラリーに来て良かったと思いながら、今度はギャラリー・グッズを売っているショップに入りました。内部は思ったより狭く、こじんまりしています。
ギャラリーの図録を見ると、見たことがない絵が色々ありました。どうやら私たちが見落としているだけでなく、展示されていないものもある様です。所蔵が多い為なのでしょう。ここのお土産はどこでもそうなのですが、ポストカードやポスターが一番人気の様です。
図録に出ていて見られなかった絵が気になりながら、ショップを後にし、トイレに行く為に地下におりました。

地下にはティールームもあるようです。ウォーター・クーラーの口にペットボトルの口をつけて水をくんでいる女性の横を通りすぎ、ここの水って飲んでも大丈夫なのかなと思いました。多分大丈夫なのでしょうが、試してみる勇気は湧いて来ませんでした。(後日、知人がロンドンの水道水は大丈夫だと力説していましたが)
地下には電話、トイレ、ウォーター・クーラーそしてベンチがあり、ちょっと疲れた時に立ち寄るには結構便利なところです。壁には沢山ポスターが貼られていて、どこで何をやっているのかが分かり、情報収集も出来ます。
トラファルガー広場で休憩するのもいいですが、静かに休みたい人には、ここも結構お薦めのスポットです。

これでナショナルギャラリーは終わりにしてホテルに戻る事にしようという話しはついていたのですが、その前にこの近くのお店で買い物がしたいと友人に頼み込み、フィレンツェのアカデミア美術館とは違いちゃんとしたトイレだったナショナル・ギャラリーを後にして、今度はバレエの書籍とビデオ、CDなどが充実しているダンス・ブックスに向かいました。

・上の写真はナショナル・ギャラリーです。(著者撮影)

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