ロンドン旅行記
〜AMP「シンデレラ」2nd Night編・3〜


<10/10・夜>

シンデレラのイラストが描かれた薄い幕が上がり、シンデレラの家のセットが現れます。

全体のイメージカラーはダークブルーで、全体に暗い室内になっています。
舞台正面には玄関のドアがあり、新聞受けまでつけられています。そのドアの上には12の文字が。どやらこれは住所を表しているようです。室内からみているので、数字は裏からみた状態になっていました。おお、芸が細かいと少し驚きます。

そのドアの奥には空襲に脅かされるロンドンの街がひろがっています。
舞台の左側には階段がありました。その階段を上ったところに部屋があるようです。
そして右には暖炉があり、その暖炉の上は屋根のようになっていて、舞台奥に向かっててんぺんが斜めになっています。その斜めになった一番下の部分の横に柱時計のような時計がくっついていました。

暖炉の前では父親が車イスに座ってうっつらうっつら居眠りしています。舞台の中央には長椅子とセットのソファーが置かれています。シンデレラは誰もいない部屋で長椅子に腰掛け雑誌を読んでくつろいでいます。黒ぶちのメガネをかけてダサい刺しゅうつきのグレーのカーディガンをはおり、中途半端な丈の黒のプリーツスカートをはいたサラは、どこから見てもブスっかわいいシンデレラ。
後々の変身を際立たせるためでしょう。とにかくダサさを強調した衣装とメークです。

AMPらしいなと思いながら見ていると、もっとAMPらしい人達が出てきました。長男と二男です。コリンの長男は昨日よりも更に女性的で、しなの作り方、ヒステリックさ、どこをとっても昨日のスコットのマルコム以上にはっきり言わせてもらうとおかまっぽい。
す、凄い・・・・彼はデザイナーを目指しているのか、首にメジャーをかけて仮縫い中のスーツを着せかけたボディーと戯れています。

一方二男のバーノンは女好きというのを全面に出してますます嫌な男ぶりを披露。シンデレラ(サラ)に迫りまくるバーノン(ライト)を実生活でもサラのパートナーであるアダムは、いらいらしながら見ているんじゃないかと思うほどのしつこさです。

次に飛び込んできたのは三男のエリオット。まあ、こんなに大きくなってという程アンドリュー・ウォーキンショーは大人になりかけていました。それにしても、痩せています。顔は以前より大人になり、頬はこけています。でも、やっぱり彼はAMPの「子役」で男の子を以前と変わらず演じています。でもその動きには、AMPカラーが染み付いています。彼は正にAMPの申し子といった感じ。ユーモアのセンスも正にAMP。さぞかしマシューとスコットがかわいがっているのでしょう。生き生きと楽しそうに演じています。

その後姉妹が登場し、遂には悪の権化とも言える継母シビルが登場。もう、強烈なキャラクターです。
白い階段から登場していきなり、タバコにむせかえり笑いを取ります。黒地に白の花柄のワンピースと揃いの帽子。歩き方といい、仕草といい、どこをとってもディズニーの「101」のクルエラ・デビルを思いださせます。正に悪役。
しかもその存在は怖いながらも滑稽なのです。何とも魅力あふれるシーモアのシビル。まさに当り役です。

表情の一つ一つが良く分かる席で本当に良かったと再び幸せを感じていると、あっと言う間にエンジェルの登場になりました。
暖炉の上の屋根にエンジェルに扮したウィリアム・ケンプが腰掛けています。ああ、ケンプだっっ!と心の中で叫び、彼の姿を見上げます。白い髪、白い肌、薄いグレーのスーツを身にまとった彼は、無表情にシンデレラの狂った家を眺めています。まあ、ケンプ。大人になって物静かになって。と、静かな役だからそうなのだというのにしみじみしてしまいました。
エンジェルの彼は「SWAN LAKE」でイタリアン・プリンセスのエスコートをしていた彼だとは思えない大人っぽさです。でも、あいかわらず痩せていて背の高さもそう変わってはいない様子。
エンジェルは屋根を滑り降り(といっても着地するところは見えないのですが)部屋に降りてきました。

さあ、いよいよアダム・クーパー演じるパイロット、ハリーの登場シーンです。
胸の鼓動が再び高まりました。

・上の写真はピカデリーシアターです。(著者撮影)

・「シンデレラ」の内容についてはこちらをご覧下さい。

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