ロンドン旅行記
〜AMP「シンデレラ」2nd Night編・7〜


<10/10・夜>

ロマンチックなカップル達と同じダンスホールに居ながら場違いを続行しているシビルの御一行。
恋人達が姿を消したホールで、シャンパンに酔った彼らの踊りが始まりました。AMPのコミカルパート担当者たちの踊りです。実に生き生きと踊っている彼らの滑稽な踊りに、観客が湧きます。スコットのマルコムを最前列で見たかった・・・と少し悔やまれる場面です。

騒がしい登場人物たちが去り、再びシンデレラとハリーが戻ってきました。今度は二人とも、下着に近い格好です。
シンデレラは先ほどのドレスの身頃部分は同じで、スカートが超ミニになっています。ハリーはランニング・シャツに軍服のズボンをはいています。お互いの愛を確かめあうデュエットが展開されます。
こうして見ると、二人とも当然の事ながら筋肉質だなぁなどと思いながら眺めていると、二人がこちらにやって来ました。
デュエットは二人が重なって床に横たわるというところで終わるのですが、それが丁度目の前だったのです。
手の届きそうなところにアダムが横たわっています。近い!!!!とドキドキしながら目の前に横たわるアダムに目がくぎ付けになります。先ほどまでリフトを多用した結構激しいデュエットを踊っていたので、当然ながら二人とも荒い息を押し殺しています。

そうこうしているうちにエンジェルが登場して来ました。もう時間だよとシンデレラに告げます。一人慌てるシンデレラ。必死にハリーを起こそうとしますが、彼はゆすっても起きてくれません。
重なっていたサラがいなくなったので、今やアダムは一人で私の目の前で横たわっています。アダム、アダムと話しの展開はそっちのけで彼を観察していると、こちらからも分かるぐらい激しくお腹が上下していました。・・・苦しいのでしょう。死体役ではないので全く問題はないのですが、何だか少し笑えます。
起きて起きてとゆするサラの前で休むアダム・・・・などとばかな事を考えつつケンプも時々見ながら話しの展開を見守ります。

舞台の背景になっているカーテンのような幕に時計が映しだされました。時計の針は10時からスタートし、あっというまに12時に近づきます。
ブルーカップルはブルーボーイがブルーガールを抱きかかえ、ブルーガール達は腕を振り子のようにふって時計になっています。その中でどうしようともがくシンデレラ。家族達も登場し、悪夢が展開されます。
悪夢・・・・これもまたマシューの好きなパターンです。「SWAN LAKE」でも王子はしょっちゅう悪夢にうなされていました。

漸く起きたハリーは義理の姉といちゃつき、他の家族は彼女をいじめにかかる。先ほど元気だった父は元の姿に戻り、頼みの綱のエンジェルは冷たく時間切れを告げる。そしてブルーカップル達は、追い立てるように時間を刻んでいる。
どうしたらいいの?と嘆くシンデレラ。そして、その時、爆発音が会場に鳴り響きました。

再びシンデレラの家の前に舞台は変わっていました。空襲で壊れた家。その玄関にシンデレラの靴が片方だけ落ちています。
白い布ですっぽり覆われているのでよく分からないのですが、担架で運ばれていくシンデレラらしき人物が舞台を横切ります。

そこに、頭に血のにじんだ包帯を巻いた一幕の時と同じ姿をしたハリーが登場しました。
戦争中の飛行士が着ているようなジャンバーを着ています。壊れたシンデレラの家の前に駆け寄り、シンデレラの靴を拾い上げるハリー。この瓦礫の中にある片方だけの靴というのが、今回の公演のポスターになっているシーンなのです。
靴を固く握りしめ、シンデレラを探しだす決意をするハリー。そして、盛りだくさんだった二幕が幕を閉じました。

再び会場が休憩に入り、騒がしくなってきました。
幕間の飲食に命をかけている(と言っては語弊があるかもしれませんが)イギリス人達は再び活気づいています。私はというと、またまたため息をついてぼんやりとシンデレラの幕を眺めていました。友人の隣のカップルは、今日何故ここに座っている必要があるのかと思うほどに二人の世界にどっぷりつかっていました。

ざわざわと人が行き交う様子を眺めているうちに、15分が経過しました。
いよいよ最終章、三幕が始まります。

・上の写真はダンスブックスで購入した雑誌(左)とシンデレラのパンフレット(右)です。(著者撮影)

・「シンデレラ」の内容についてはこちらをご覧下さい。

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