ロンドン旅行記
〜AMP「シンデレラ」2nd Night編・11〜


<10/10・夜>

白いついたてが動き、舞台には病室が二つ作られました。

ナースに連れられて、手にトランクを持ち、頭に包帯を巻いた軍人が入って来ました。ハリーです。
アダムー!と意味も無く心の中で叫び、彼の一挙手一投足を見守ります。
ハリーが通される病室では脳波を測るらしい、怪しげな機械が運び込まれていました。そう、映画「リターン・トゥ・オズ」でドロシーがおかしな病院で取り付けられた、電気ショックのような機械です。
でも、AMPのそれは持ち運び自由で、何だかカラフル。誰がこんな物作ったのって、デザイナーのブラザーストーンでしょうが、何だか奇妙な物体です。

神妙な顔つきでハリーが病室に入り、促されるまま椅子に腰掛けました。そこにエンジェルが登場。ヘッドホンのようなものをハリーに被せます。そして、彼がスイッチを入れました。
すると、ハリーが電気ショックを受けたのか、ひどい騒音を聞いてしまったのか、苦しそうに暴れだしたのです。暴れるアダムを見て更にケンプ(エンジェル)は日ごろの恨みでもあるのか、ボリュームを上げていきます。
やめて、アダムに何をするのーっっっ!頭がバカになっちゃったらどうするの!!!(本当にファンか?)エンジェル、いくらシンデレラを取られそうだからって、ハリーにこんな仕返しする事ないじゃないのっっっっ!!!!!マシューもマシューよ、いつも怪しげな医者を出して、主人公をフラフラにする事ないじゃない!とは、思いませんでしたが(かなり思ってたかも)何故ここでこんな機械が登場するのかはかなり謎。「SWAN LAKE」の王子ロボトミー事件に引き続き、第二の謎です。

このシーンで考えつく理由と言えば、この苦しむハリーの叫び声にシンデレラが気づく為の拷問だったという事ぐらいでしょう。
それにしても、この展開。脳波検査(推測)だなんて・・・・・マシュー、あなたの発想ってやっぱりかなりおかしい。 それに、こんな面白い展開を真面目な顔をして演じているアダムとケンプも、役柄的に仕方がないのですが、見ていてかなりおかしい。

思いっきりハラハラドキドキしてしまった脳波検査が終わり、その悲鳴に気がついたシンデレラが声の主を探して歩き始めました。ハリーとの再会まで後もう少しです。

シンデレラが声のした病室をそっと覗くと、そこにはハリーがいました。勇んで駆けより「私よ!」と訴えかけます。しかし、どうもピンと来ないハリー。急いでサラ(シンデレラ)がメガネをはずし、同時にアダム(ハリー)がメガネをかけました。こんなおちがついていたとは、昨日も見たけどやっぱりおかしすぎるーっっっ!マシューっっっ!!!!!会場中爆笑の渦です。
メガネをかけた二人はダンスホールでのプレイボーイと美女ではなく、真面目で人のよさそうなカップルです。お互い抱きあって再会を喜びたいのに、もじもじしてしまってきっかけがつかめません。その不器用さが初々しさを出しています。
観客は、そんな二人にまだるっこしさを覚え、むずむずしながら座っています。二人とも役者だなと思わせる場面です。
ああ、もう、素直になりなさいよ!と思った瞬間、ハリーはトランクを投げだし、シンデレラを抱きしめてキスをしました。
アダム、痛い目にあって良かったね、ちゃんとサラに会えてと、もうハリーとシンデレラ、アダムとサラがごっちゃになって、しみじみ見つめます。
かくしてメガネのカップルが出来上がり、二人はこのおかしな病院から足早に立ち去っていったのでした。

・上の写真はダンスブックスで購入した雑誌(左)とシンデレラのパンフレット(右)です。(著者撮影)

・「シンデレラ」の内容についてはこちらをご覧下さい。

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