ロンドン旅行記
〜ビクトリア&アルバート美術館編・1〜


<10/11・昼>

地下鉄ヴィクトリア駅でディストリクト線に乗り換え、サウスケンジントン駅で下車します。
この近くには自然史博物とビクトリア&アルバート美術館があるので、駅は雨にも関らず、賑わっています。改札を出て案内のボードを頼りに地下通路を進みます。人々は長い地下道をぞろぞろと、美術館や博物館に向かって歩いています。その道には、ところどころにストリート・パフォーマーが居て、歌ったり楽器を演奏したりしていました。
最初、彼等の姿が見えない時には、スピーカーから音楽が流れているのかと思ったのですが、通路を進むうちに、それはストリート・パフォーマーによるものだという事がわかりました。しかも、間隔が狭いので、微妙に音が混ざってしまっています。 漸く路上に出るようにという指示が出てきました。地上に上がる階段をのぼります。

路上に出ると、雨は先程と変わらず降り続いていました。目の前にある横断歩道を前に、人々が立ち止まっています。ここを左に行けば自然史博物館、右に行けばビクトリア&アルバート美術館です。
私たちはまず最初に右へ行く事にしました。

歩きはじめてからすぐに、ビクトリア&アルバート美術館が現れます。寺院のような彫刻が施された石造りの入り口を通ります。入ると正面にチケットブースがありました。傘を折りたたみながら、ブースに出来た短い列に並びます。
さすがにお昼近くなってきたせいでしょうか。テート・ギャラリーとは違い、ここは少し活気づいています。£5を払ってチケットを受け取り、日本語の案内書を貰いました。館内の地図を見ると、想像以上の広さで、少しくらっと来てしまいました。
時計を見ると丁度12時。まずは館内のカフェで昼食を取ろうという事になり、地図と館内の標識に従って歩き始めました。

ミュージアムショップの横を通り、近東コーナーを抜け、カフェに行く途中にあるヨーロッパのコーナーを目指します。ところが、例によって方向音痴が始まったのか、館内の表示がわかりにくいのか、なかなかカフェが現れないのです。地図で見るよりも各コーナーは大きく、既に迷子状態。
これは困った・・・・と思って振り返ると、私たちをつけて来たのか数人が、ぞろぞろくっついて来ていました。どうやら彼らもカフェに行くつもりのようです。

まずい・・・・どこにあるのよっ!?と話しながら私たちは次第に寂しい場所に足を踏み入れていました。
まさか、このスロープの向こうにあったりして・・・・と半信半疑で狭い通路を抜けます。すると、ガラスのドアが現れました。その向こうにはちょっとした空間が。
取りあえず出てみると、右側にカフェがあったのです。良かった良かったと安心し、後にくっついて来た人達も無事到着したようで、急にカフェの入り口がにぎやかになりました。

表に出されたメニューのボードを見ます。ところが、どうもピンとこない。まぁ、他に行くところもないし、セルフサービスで好きなものを選ぼうという事で、明るい店内に入りました。

トレイを持ち、各コーナーをまわって好きなものを取っていきます。サラダバーやサンドイッチのコーナー、ドリンク・コーナーなどをまわります。でも、どれもあまりおいしそうではないのです。
仕方なく、サラダ・バーで小さいお皿を選び適当に盛り付け、グレープフルーツ・スカッシュを取り、例によって大きな細長いサンドイッチをトレイにのせてレジに向かいました。
トータル£4.8を払い、木製のテーブルに移動します。

店内は広く、天井も高いせいか開放的で、自然光も入ってくるのでテラスといった感じがします。まあ、とりあえずお昼にありつけたと、ほっとしながらスカッシュを一口のみました。
ま、まずい・・・・・物凄くまずい・・・・何だこれは。氷で10倍に薄めたようなこれがスカッシュ?水の方がよっぽどましだよと、自分の間違ったセレクトにショックを受けます。
料理を試すのに少し勇気がいる展開になってきました。フォークを持ってこわごわサラダに突き刺します。ズッキーニを口に一口入れたとたん、様々なハーブの香りの洪水が訪れました。こ、これはまずった。
次にポテトに挑戦しました。ま、ポテトのゆがいたのなんて、どこでも一緒よと祈りながら、口に運びます。・・・・何と言ったらいいのでしょうか。ドライな仕上がりというか、固いというか、味がおかしいというか、まぁ、はっきり言えばまずいのですが、少なめに盛ってきて良かったと、自分の警戒心に安堵します。

このサラダを、他の人は我慢しているのかしらと辺りをきょろきょろと見回してみると、驚くべき事実が分かりました。
皆、平然と食べているのです。しかも、私の小皿にちょこっと盛りではなく、大皿に大盛りで!
もうサラダは諦めて、最後に残ったサンドイッチに取り掛かります。セロハンで巻かれたそれは、どうも外部の業者が作っているようです。
これなら大丈夫だろうと安心して、包みをはがして取りだします。茶色いパンにサラミとレタス、トマトが挟まっています。まあ、おいしいだろうと一口かじりました。・・・・・・ばさばさ。何だこのパンは。焼いてから何日目だろうというようなまずさです。しかもサラミはすっごく塩辛いし、味付けはチーズだけ。

のどにつまりそうな乾燥サンドイッチを食べながら、溶けた氷水にジュースを数滴たらしたような全く炭酸の入っていないスカッシュを飲む。イギリスに来て、ここまで食事がはずれたのは、この時が初めてでした。

・上の写真はV&Aミュージアムの入り口です。(著者撮影)

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