ロンドン旅行記 〜ホテル編〜


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石畳の上をトランクを押して下ること数分。ガタガタの道は滑りにくく、転がしているというよりは小さな出っ張りを乗り越えている感じで、重い荷物を両手で引っ張り上げるようにして私たちは進んでいました。 でも、どうも怪しいのです。人は少なくなってくるし、石畳は続いているし、大通りには出ないし。本当にあっているの?と思っていると、そこに清掃係らしきおじさんが現れました。

「こんにちは」と日本語でにこにこと話しかけてきます。
60歳ぐらいのおじさんは、何度も「こんにちは」と言って私たちの所に来ました。
「どこに行きたいの?」今度は英語で聞いてきました。これ幸いと地図を見せながら
「ストランド・パレス・ホテルに行きたいんだけど」と言うと、
「全然違うよ」という顔で首を左右に振り始めました。
「この道じゃないの?」と言うと、「左じゃなくて右に曲がるべきだったね」との答え。

「君たちは今、ホテルの裏側の近くに居るんだよ。ほら、あそこに見える建物がホテルの裏側。だから、この道をまっすぐ下って左に曲がり、すぐ右に曲がる。その道をまっすぐ下ったら大通りに出るよ。そこを右にいくとホテルだよ」
ありがとうとお礼を言い、教えてもらって本当に良かったと思いながらそのおじさんと別れました。それにしてもさっきの駅員は何だったんだろうと言いながら再び荷物との格闘を始めました。明日は絶対筋肉痛だねと言いながらようやく大通りへ。そして遂にホテルを見つけました。

辿り着けて本当に良かったと思いながらドアを開けました。ポーターに荷物を預けてチェックインをしにカウンターへ。カードキーを受取りリフトを使って517号室へと向かいました。結構古いエレベーターはちょっとぎしぎししています。ロンドンもイタリアと同じく日本でいう一階はカウントせず、日本の二階が一階なのねと思いつつ六階に下り立ちました。700部屋あるというこのホテル。恐ろしい数のルームナンバーボードを頼りに517へ。途中防火扉になっているらしいスウィングドアをいくつか通って漸く自分の部屋のあるブロックを見つけました。どうやら私たちの部屋は角部屋のようです。
さて、どこのホテルでもドアが開くまで悪戦苦闘してしまう問題の鍵。既にイタリア旅行でさんざん鍵で苦労した私はドキドキしながら「開いてね」とつぶやきつつカードを差し込みました。
ところが、心配した通りの無反応。もー、どうしてこう海外の鍵って難しいの!と思いつつもう一度差し込む。しかしまた無反応。
3度目の正直と思ってもう一度ゆっくり差し込みゆっくり抜いてみました。すると緑のランプが点滅を始めたのです。
「今だっ!」とばかりにドアノブを回すと今度はちゃんと開きました。良かった良かったと思いやっと部屋へ。

中は予約した通りのツインルームで書き物用の机とテーブル、椅子が2脚。TVとクローゼットそして広めのバスルームがついていました。ドライアーもちゃんと机の中にあります。更に壁には備え付けのズボンプレッサーまでありました。

内装をやり直したという説明通り、広くはないけど清潔な部屋で、煙草の匂いもしていません。トランクもどうにか2人同時にちゃんと広げられるスペースがあります。機能的というにふさわしい部屋に結構満足して、ロンドンで会うことになっているバレエのチケットを取ってもらった、イギリス留学中の智子さんに会うべく、ホテルのロビーに再び向かいました。

・上の写真は私たちが間違えて左に曲がってしまった建物です。さて、何処でしょう?
後日分かります。(著者撮影)

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