ロンドン旅行記
〜自然史博物館編・3〜


<10/11・午後>

入館時にもらったマップを見ながらアース・ギャラリーを目指します。
このリーフレットを開いた時から目を引いた、写真の部屋がもうそろそろ現れるはずです。その写真は実に幻想的なのです。水のような透明感のある青い床に、同色の半球体が置かれており、その上にギリシャ神話の神々のような白い像が置かれています。まるで海の中にあるギリシャ風の神殿のような写真なのです。
絶対これは見たいと思っていたので、わくわくしながら歩きます。

漸くその展示物のある部屋に到着しました。写真にある通りの部屋です。しかし、実際に見てみると、人は多くて床は暗くて良く見えず、ギリシャ風かと思えば宇宙飛行しやコンピューターを操作しているらしい像まであって、何だかテーマが分からないのです。人間の歴史を表しているという感じでもないし・・・・
やっぱりイギリスって良く分からないけど、まぁ、写真写りはいいから、とりあえず写真でも撮っておこうという事で、この部屋が正面から見える階段に登りました。ファインダーをのぞくと、やはりなかなかの眺め。
しかし、それよりも凄い物を発見!正面奥に、何と地球らしきものがあったのです!しかも、その地球には穴が開いていて、その中にエスカレーターに乗った人々が吸い込まれていたのです!二階に行くだけのところに、何という仕掛をしているんだっっ!でも、私も乗ってみたい!吸い込まれてみたい!という事で、そそくさと階段を下り、うきうきとエスカレーターの乗り場に移動しました。

見上げてみると、長い長いエスカレーターがずっと上まで続いています。そして、そのエスカレーターの到着地点の手前から、エスカレーターは地球の中に突入していきます。ディズニーランドの考えそうなこのエスカレーターに乗り込み、子供のようにキョロキョロ周囲を見回します。思ったより遅い動きのエスカレーターに少しがっかりします。
もっと早ければ面白いのにと思った途端、エスカレーターが止まってしまいました。えっ?!と乗り口にいる係員を振り返ります。仕方がないのでそのまま待っていると、ほどなくエスカレーターは再び動き始めました。さあ、いよいよ地球に突入です。

しかし・・・・外より中は予算がかけられなかったようで、思ったほどのものではなく、とっても、とってもシンプルな中身が登場しました。マグマをイメージしたのか赤いだけ、という感じ。今となっては思い出せない程、張りぼてのような代物でした。
なーんだっと、がっかりして、エスカレーターを下ります。別にディズニーランドのスペースマウンテンのように、爆発のようなフィニッシュを期待していたわけではありませんが、もう少しひねって欲しかったのです。

到着した部屋は、地震、火山などの地質学のコーナーです。火山の映像や、石などの展示が続きます。石マニアではない私たちは、ざっと見る程度でそのフロアーを見学する事にしました。一周し終わる頃だろうかと思うころ、思わぬ展示物が現れました。三年前、神戸で起こった阪神淡路大震災の展示室が作られていたのです。

この部屋には、地震で崩れ去ってしまった商店が再現されていました。あの日の記憶がよみがえります。あの日テレビで見た映像が、ここで再現され、様々な写真や絵が資料として展示されていました。
三年前のあの日、地震があった時、私はまだ就寝中で、あまりに長いそして大きい揺れに怯え、ふとんの中でうずくまっていました。東京の祖母の家で震度4を経験した事はありましたが、その時の揺れとは全く違うものでした。震源地から遠く離れた我が家でも、あれだけ揺れた地震。その爪痕が、ロンドンのこの部屋で記録として残され、多くの人々に伝えられているのです。
改めてあの地震の大きさを感じ、天災の恐ろしさを感じました。自然の力の前では、人間の日常は突然ひっくり返されてしまうという事を、改めて思い起こさせる展示物でした。

ヴィクトリア&アルバートミュージアムに続いて、自然史博物館も、信じられないスピードで見終わり、一応の達成感が湧いてきます。
出発前に、このスケジュールがこなせたら、来年はホノルルマラソンだっっ!!!!と言っていたのを思いだします。(走れもしないのに)とにかく疲れたけれど来て良かったと思い、今度はハロッズへ向かう為に、数時間前に下り立った駅に向かって歩き始めました。

・上の写真は、自然史博物館のアース・ギャラリーの写真です。
正面奥がエスカレーターです。(著者撮影)

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