ロンドン旅行記
〜ハロッズ編・2〜


<10/11・午後>

座ってすぐに、メガネをかけた20代ぐらいの、軽い感じのウェイターがメニューを持ってきました。
中を見ると、日本語の説明もあります。日本人観光客が多数訪れているのでしょう。そして、このメニューはアフタヌーンティーのセットだけしか出ていないのです。
紅茶を選んで下さいと書いてあるので、何にしようかと思っていると、先ほどのウェイターが来ました。メニューにはアフタヌーンティーしか載っていないのだから頼むまでもないじゃないかと思いつつ、アフタヌーンティー・セットを頼むと、お茶の種類を聞く隙を与えず去っていきました。
何なんだ、今のはっ!!!と、ちょっと腹が立ちます。

疲れたねと話していると、あっと言う間にサンドイッチが運ばれてきました。
何故こんなにスピーディーなの?しかも、いわゆるアフタヌーンティーのテーブルセットを全く無視した状態での登場です。
本来なら、お皿を金属のスタンドで支え、下からサンドイッチ、スコーン、ケーキの順で並べていくはずなのに、いきなりお皿に盛られたサンドイッチがドン!と現れたのです。しかも、まわりに散らされた貝割れ大根はしなびてヘナヘナ。どう見ても作り置きしていて、待機させていた代物です。
テーブルセットはまあいいですが、このサンドイッチは何なんだっっっ!

それと同時にお茶が来ます。先ほどのウェイターがカップを置き、あっと言う間に注ぎます。
これがまた、めちゃくちゃ濃い。しかも味も悪い。ハロッズの茶葉はおいしいはずなのに、何なんだ、この入れ方、この葉の選び方はっっっ!

更にスコーンがジャムとクリームを伴って到着します。レーズンの入ったスコーンが4つお皿に乗せられています。そして、あっと言う間にケーキが到着。チョコのかかったエクレア、イチゴのケーキ、色々な果物がのせられたタルト、チョコレートケーキがお皿にのせられています。

では、あわただしく運ばれた物を、ゆっくり味わいましょうかと、まずはスコーンに手をつけました。本来なら、ジャムやクリームをつけたり、はさんだりして食べるのですが、まずは味見でスコーンだけを食べてみます。あ、甘い・・・・これにジャムをぬる人がいるなんて。ふと顔を上げると、向こうでは何人だか分かりませんが、恐らくイギリス人がスコーンの間だにクリームをたっぷり挟んで食べていました。
うーん、幸せそうな顔つき。甘党なのでしょう。

次に、サンドイッチを試してみようと思い、まずはきゅうりのサンドイッチを食べます。な、何だこれはっっっっっっ!!!!
パンは日本と同じような感じのパンで薄いのですが、それより少しだけ薄くなったかな?という厚さのバターが塗られているのです。厚さ2ミリ強はあるでしょう。
バター食べてるんじゃないのに・・・・うっとなりながらお茶で流し込みます。
しかし、このお茶もまたまずい・・・友人もこれには参ったようで、まずいまずいと繰り返しています。
他のサンドイッチも同様で、サーモンもハムも、どれをとっても厚い黄色いバターが挟まっていました。これは塗ったのではなく、スライスしてはさんだという感じ。
しかも、作り置きしておいたというのが分かる、乾燥パンがそれにくっついているのです。サーモンも少し生臭いし。
いいとこないじゃないのっ!と腹が立ってきます。

日本円にして一人3000円以上はしているこのお茶を、全部残して行くのはやはりもったいないと感じるので、うんざりしながら、拷問のようなお茶をゆっくりゆっくりと食べて行きます。
ぼったくりじゃないかっと怒っても後の祭り。こうなったら旅行記で思いっきり書いてやろうと心に決めます。(という訳で、今書いているのですが)

しかし、店内を見ていると、次から次へと犠牲者が入ってくるのです。6人ほどの日本人のおじさん集団が入ってきました。学会か会社か何かの集まりのようです。
6人全員、アフタヌーンティーを頼みました。よせばいいのに・・・と言ってあげる訳にもいかず、彼らを見守ります。
更に子供をつれた日本人家族二組が入ってきました。彼らもやっぱりアフタヌーンティーです。それにしても、ガイドブックに掲載されている落ち着いた豪華な雰囲気の写真とは違い、ここはやっぱりデパートにあるレストラン&ティー・ルーム。騒がしくて、どこか安普請です。

なかなか無くならないサンドイッチとスコーンをとにかくお茶で流し込みます。でも、次第にのどを通らなくなってきました。飲み込めない・・・
私よりは快調に飛ばしている友人はどうにかクリアーしています。日本人親子づれはスコーンにたっぷりクリームを塗って、豪快に食べています。おじさん集団は、たくさん残して席を立っていきました。

何で高い料金を払って私はここで、食べ物の拷問を受けているの????と悲しくなってきます。
ケーキにとりかかる友人の横で、もうやめると宣言しました。ケーキのフルーツだけ少し食べ、もうこれでここを出ようという事になりました。
しかし、先ほどのウェイターがなかなか来ません。見ると、ウェイトレスと歓談中。
全く、どうなっているのよと思いつつも、怒る気力も失せてきます。漸く請求書を受け取り、料金を挟んで彼に渡しました。二人合わせて£31。しかも、サービス料抜きです。
細かいのがないので£40を挟んで渡すと、ウェイターはその中を見て、声を上げて笑いました。どういう事なの?と気になります。

早く戻ってこないかしらと待つこと10分以上。だんだん不安になってきます。まさか、おつりを忘れている事はないよね、と話します。こんな目にあって、£40も取られたんじゃ、目も当てられません。
余りに待たせるので、違うウェイターにおつりを待って長いのだけれどと、告げます。少し歳をとったこのウェイターは丁寧に、すみませんが、もうしばらくお待ち下さいと答えました。ちゃんとした人もいるんじゃないと、少しほっとします。

漸く先ほどのウェイターが帰ってきました。£9のおつりを貰い、腹が立ちながらもチップを少し置いて、心の中で「二度と来るもんかっ!」と叫び、漸く恐怖のジョージアンを後にしました。

・上の写真は、ハロッズとは全く関係なく、自然史博物館の恐竜です。(著者撮影)

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