ロンドン旅行記
〜ウィンザー城編・1〜


<10/12・午前>

ロンドンから抜け出して数十分経つ頃には、窓から見える風景がガラっと変わってきました。
緑が増え、郊外へ向かっているという事を実感させられます。

智子さんと私はバレエと本の話しで盛り上がっていました。窓の外はいい天気で、見える風景は牧歌的で美しい。ああ、やっぱり来て良かったと思います。 ウィンザーまでほとんど止まらない電車は快調にとばしています。外の風景はますます田舎になり、牧場まで登場しました。
近くに見える草原の馬はとても気持ちがよさそうです。

楽しく話しているうちに、電車はウィンザーに到着しました。途中、一度も検札がなかったなぁと思い、ホームに下り立ちます。
シンプルで明るく、小さな駅の構内を歩き、出口に向かいます。ここで初めて駅員が、チケットの回収をしていました。と言っても、出口の柵の所に立っている駅員に渡すといった感じで、日本の改札のような渡すまで絶対出さないぞ!的な威圧感は全くありません。

改札を抜け、ウィンザーではトイレを見付けるのが大変との情報を思いだし、駅を出る前にまずはトイレへ。ここは無料ですが、二つしか個室が無いため、あっと言う間に行列が出来ました。
再び駅構内に戻ると、帰りの電車ももちろん一時間に一本なので、智子さんと友人が電車の時刻を確認してくれていました。ちらほらいる人の流れにそって、漸く街へ歩きだします。

駅を出て最初に目に入ったのは、花で美しく飾られた飲食店でした。イギリスの花の色はどうしてこう、きれいなんだろうと感心します。
辺りを見回すと、町中とは少し雰囲気の違う風景が広がっていました。ここは、のどかで静かできれいな郊外の街です。空の青さもひときは澄んでいるように感じられます。高台にあるウィンザー城を目指して坂道を上り始めます。
ほどのよい古さが残る、ちょっとロマンチックな街を進んでいくと、ここにもやっぱり現れました。バーガーキングです。その横にはハーゲンダッツとピザハットまであります。どこの街にもあるのねぇと話しながら、坂道を更に上って行きます。

雰囲気のあるお店の横を通って歩いて行くと、ほどなくウィンザー城が現れました。 バッキンガム宮殿とは全く違った趣です。
「キャッスル」なので当たり前なのですが、石で出来たウィンザー城は見るからに頑丈そうで宮殿ではなく、守りを固めた城です。横に長いウィンザー城を歩きながら眺めます。大きいなと見上げてみると、城の上にはユニオンジャックがはためいていました。
この旗が出ているという事は、エリザベス女王がここにいらっしゃるという事です。という事は、見学可能な場所が益々狭められているという事なのねとがっかりしました。

入り口の掲示板には張り紙がしてあり、今見学可能な場所が書かれています。
ウィンザー城は例の火災の後、今は工事中でほとんどがクローズされています。見られるのは「クィーン・メアリー人形館」と「陶器博物館」だけです。
まあ、ここまで来て見学出来る部屋が二つだなんて、何て事だろうとは思いましたが、人形館はドールハウス好きの友人のお薦めだったので、開いてて良かったと安堵します。

人の流れにそってチケットブースへ移動します。さすがにここには行列が出来ていました。
チケットブースは屋内にあり、白い壁が真新しい印象を与えます。列に並ぶ間、時間を持て余した人達を見越して作られたのか、ガイドブックの売店が作られています。ガイドブックは他の美術館などと同じように英語、ドイツ語、中国語、日本語など、色々な言語のものが並べられていました。当然の事ながら日本語のガイドブックを一冊抜取り、係りの人に手渡します。

再び列に戻り、待ち時間の時間つぶしにガイドブックをパラパラとめくり始めました。ガイドブックを見るかぎり、ここには見るものがかなりありそうです。
部屋の装飾の見事なのはもちろんですが、美術品の所蔵もかなりなものの様です。でも今日私たちが見られるのは二部屋だけ。
うーむ、ここにはもう一度こなければと思っているうちに、入場ゲートに辿り着きました。

・上の写真はウィンザー城です。(著者撮影)

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