ロンドン旅行記
〜ウィンザー城編・3〜


<10/12・午前>

陶器の展示室に移る途中の通路には、王室ゆかりの人形の洋服が展示されています。そこを通り抜け、次の部屋に移動しました。私たちが見学出来るのは後二部屋のようで、一つは陶器の部屋。そしてあと一つはエッチングらしき絵画の部屋です。
まずは陶器の部屋に足を踏み入れます。部屋の周囲にはガラスのショーケースが取り付けられており、陶器は全てその中に展示されていました。

セーブル、マイセン、コペンハーゲン、ナポリ、ロッキンガム、ウースターなどの有名な窯で焼かれた陶器セットが色鮮やかに並べられています。どれも美しい絵が描かれていてゴージャスですが、庶民の私としてはこれで食事してもおいしくないだろうなという代物です。
これだけ派手に絵が描かれていたのでは、料理なのか絵なのかややこしいに違いない。そんなバカな事を考えながら見ていくと、「どうやって洗うの?」というロッキンガム・パイナップル・コンポートが現れました。
これはパイナップルの上にお皿が載っている、もしくは、パイナップル型の柱の上にお皿が載っているという物で、どこから見てもパイナップルというものが陶器で作られています。
あのギザギザも再現されており、パイナップルの葉が凄まじい勢いで上に延びて広がり、その部分がお皿を固定しているのです。

上のお皿はともかく、パイナップルの実と葉の部分は洗いにくいに違いないと三人で話します。
観賞用としか思えないのですが、これらの食器は未だに王室主催の晩餐会などで使われるとの事。これを洗う人は、さぞかし緊張する事でしょう。まあ、割ったからといって、お手討ちという事はないでしょうが、やりたくない作業に違いありません。

狭い展示室をあっと言う間に見終え、最後の部屋に向かいます。ここも狭い展示室です。
部屋に立てられたボードには絵が多数かけられていますが、エッチングのせいか地味な感じで、おざなりに見てしまいます。更に、この部屋に入った途端、私の風邪はくしゃみ攻撃をしかけて来たのです。
何を見ているのか、もう分からない状態で、目もうるうるして来ます。揚げ句の果てにはコンタクトまでずれてしまい、もう、最悪のコンディション。冷えた体は少しましになって来ましたが、風邪の方はひどくなって来たようです。とにかく足だけは展示室を一周し、遂に見学が終わりました。

再び例の寒い、寒い強風の中へ出なければなりません。覚悟を決めて外に出ます。
すると、入場の為の行列は、先ほどにも増して長くなっていました。皆強風にあおられ、寒そうな顔をしてひたすら耐えています。あんなに空は青いのに・・・と体感温度と見え方の落差を感じながら、出口に向かいました。

途中ウィンザー城のショップに立ち寄りました。中はウィンザー関連のグッズが沢山陳列されています。
結構充実していて欲しくなるような物が並んでいます。私は入口近くにあった「WINDSOR CASTLE」と文字の入った美しい絵の書かれた箱に入ったキャラメルに目を止めました。
これで£1.95とは安いと思い、配りもののお土産にしようと4箱購入。レジに行き、ポンドだてのトラベラーズチェックがそのまま使えるという事なのでT/Cで購入(手数料もありません)し、大きな紙袋に入れてもらって外に出ました。(このキャラメルは甘いですが、本当においしいものでした)

坂道を下って行くと、門番をしている衛兵の交代が始っていました。今は秋なので、例の黒い長い帽子に、グレーのコートを着ています。
こちらに来てから数回衛兵を見かけていますが、この人達には、かわいそうという同情の念が湧いてきます。この寒い中、風にふかれてひたすら立ち続ける彼ら。一体何を考えているのでしょうか。不思議になります。
人生に疑問を持つ事はないのかしらとか、眠くならないのかしらとか、色々考えて眺めてしまいます。ひたすらじっと立ち続ける毎日・・・どこかがかゆかったり、くしゃみをしたかったりした時にはどうしてるのかしら?とかバカな事を考え、Mr.ビーンの一場面を思いだしました。
何をしても全く反応を示さない衛兵に色々な事をするビーン。という事は、イギリス人もじっと立ち続ける衛兵達を、ちょっと変わった存在だと思っているという事なのでしょう。

目の前では衛兵が奇声をあげて、いえ、掛け声をかけて行進しています。交代するだけなのに、色々決まりがあるようです。
数時間黙って立ち続けていて、やっとしゃべれたらこの掛け声?どうもおかしい。この仕事に就きたい!と思う人たちは一体どういう人種なのかしらとまで考え、それでも面白いので、写真を撮りに走りました。

衛兵の交代を見終え、遂に極寒のウィンザー城を後にしました。

・上の写真はウィンザー城の衛兵です。(著者撮影)

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