ロンドン旅行記
〜ウィンザー編・1〜


<10/12・昼>

ウィンザー城へ来る時に登った道を、今度は下って行きます。そして、先ほど通り過ぎたお店が並ぶブロックに足を踏み入れました。

入り口には時代がかったドレスを着た・・・何故か風と共に去りぬ風・・・女性が二人立って、何かの宣伝をしていました。彼女達もやはり寒そうです。
お城のてっぺんほどではありませんが、ここにも強い風が吹いています。

とりあえず三人でどこにしようかとお店を物色しながら歩きます。お昼なのでお店の外には小さな黒板が出ている店が多く、ランチメニューを白いチョークで書き込んでいました。
その中で一番多いメニューがやはり「フィッシュ&チップス」通称チッピーです。白身魚のフライが元々嫌いな私には、いただけないメニューですが、イギリスではとてもメジャーな食べ物です。
以前、故開高健がロンドンを旅行したドキュメントでチッピーを食べ、
「昔食べた時にはおいしかったのに、今はおいしく感じない。こういうのを知の悲しみというのだ」
と言っていたのを思いだします。

結局何だかんだと話しているうちに、一周してしまい、元の通りに戻る事になりました。その中にシュチューをメニューに入れている店を見付け、そこにする事に。
中に入ると、私たちの他には2組みぐらいしかおらず、結構すいています。狭い部屋にテーブルが並べられていますが、ここには二階もあるようで、トータルするとまずまずの入りのようです。
シチューがあるから入ったのにもかかわらず、何故か日本語にすると、「チキンのホワイトソース煮パイ皮ぞえ」のような物を頼みました。

漸く温かい室内に入れた事にほっとしたのもつかの間。またまた温度差に鼻がぐすぐすになってきました。まずい・・・もう手持ちのティッシュペーパーも心細くなってきています。料理が来るのを待つ間だ、寒かったと三人で話します。

漸く料理が出来上がり、目の前にドンとお皿が置かれます。イギリスのこういったお店はワンディッシュで食事が終わるように出来ているらしく、かなりのボリュームです。
大きなお皿には、チキンのホワイトソース煮の上に、格子に編んだパイ皮がドカっと載っています。更に、その周囲にはベイクドポテトがゴロゴロっとあり、その横にはゆでたニンジンが置かれていました。そして、そのすき間を埋めるのはグリンピース。
以前、ロンドンにホームステイした事のある友人が、毎日ポテトとマメが出たと話していたのを思いだし、これだ!と思います。

フォークを持って、いざ挑戦です。一口食べて、「あたたかい〜」とほっとし、次に結構いけると思いました。今日のお店の選択は間違っていなかったようです。智子さんと居ると、はずれないなぁと思い、更に食べ進みます。
チキンを味見したので、次に野菜にとりかかります。一口食べると、味が無い!そうか、下味というのはついていないのかと、おもむろにテーブルに置かれた塩を取りました。
三人とも各自の前に置かれたお皿の料理に取りかかる事しばし。しかし、いくら食べても無くならない・・・制覇する事は早々に諦めます。かなり体が温まり、人心地着がついた頃、三人の食事は終わりました。

出発前にトイレに行こうとお店に人に聞いてみると、何故かピカデリーサーカスのイタリア料理店もそうでしたが、トイレは一番上の階にあるとの事。狭い階段を登って行きます。
その度にギシギシ、ギシギシと音のする古い建物に歴史を感じ、同時にここ、大丈夫なのだろうかという疑問を抱きました。漸くトイレに辿り着くと、窓からウィンザーの街が見下ろせます。
トイレで一人、結構いい眺めと感心し、再び元の一階に戻り、精算して外に出ました。

・上の写真はウィンザーの街です。(著者撮影)

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