ロンドン旅行記
〜買い物編・2〜


<10/13・午後>

先程購入したセーター、バッグ、カレンダーなどの入った紙袋を両手に持ち、今朝出発した時とは違い、軽い足取りでストランドパレスのロビーを通り抜けます。
一人なかなか来ないエレベーターを待ちながら、それにしてもパスポートが戻ってきて本当に良かったと、しみじみします。数分待たされ漸く来たエレベーターに乗り、一人部屋に向かいました。

カードキーをお財布から取りだし、所定の場所に差し込みます。ところが・・・どうもおかしい。反応がないのです。
えーっっ?漸く部屋に辿り着いたというのに、入れない訳?!とがっかりし、仕方がないので再びロビーに逆戻り。どうも磁気がいかれてしまったようです。(カードキーの場合、他のカードと一緒に入れるのは避けた方がいいようです)

フロントのスタッフに鍵が開かないと告げると、IDカードを提示して下さいと言われました。クレジットカードでもいいのでそれを出し、彼女は漸く鍵を作り直してくれる作業に移りました。
お礼を言い、再びなかなか来ないエレベーターを根気強く待ち(783部屋あるのにも関らず、滞在中動いているエレベーターは3つあるにも関らず、常に2つだったのです)漸く部屋に辿り着きました。

中に入るとさすがに疲れがどっと押し寄せ、思わずブーツを脱ぎ捨てベッドに倒れ込みました。そのまま這いのぼって行き、サイドテーブルにある電話に手を伸ばします。自宅の番号を回し、心配をかけた母に事の顛末を話しました。

見つかったという報告に、安堵しつつ驚いている母の声が受話器から流れ出てきます。それで風邪はどうなのという問いに、大丈夫だと言い、薬が効いたと答えました。
それから次に、友人の家にも見つかった事を伝えて欲しいと告げました。
「それがね・・・・」
今朝の電話の後、友人の家にパスポートと航空券紛失の事を伝えてくれてた母が話しだしました。
「それが、もう、物凄く向こうの御両親が怒っていてね。いつもこうなんです!ってもう私まで怒られてるみたいな剣幕で怒っててね。見つからなくてロンドンにしばらく居なくちゃいけない事になっても、お金は送るな、自分で働いて帰って来い!助けてやってはあいつの為にならんっ!てお父さんが言ったとかで。二人とも凄く怒ってるのよ。心配よりも怒りの方が大きいみたいで」
どうやら彼女が心配していた通りの展開になっているようです。

「でも、見つかったんだし、怒りもおさまるでしょ」
「どうかなあ。あの怒り方はすごかったからねえ。でも本当に見つかって良かったよね。絶対もう、出てこないと思っていたから」
友人の家はともかく、私達二人はとても幸せな気分で電話を切りました。

さあ、私もこれから手早く買い物を済ませなくてはなりません。再びブーツを履き、ホテルを後にしました。目指すはコベントガーデン駅周辺。

まずはホテルに帰る時に目をつけていたニットのお店「JUMPERS BRANCH」に入ります。
ここには手編み風編み込みニットがディスプレイされていました。ここも秋ものはセール中です。
自分でも着てみたいという、感じのいいセーターをお土産に選び、トラベラーズ・チェックで払いました。

他のお店でもそうでしたが、ポンドだてのトラベラーズ・チェックはたいがいのお店で使えるのですが、手続きに慣れていない人が多く、時間がかかります。
目の前でサインし、パスポートの旅券番号の入ったところのコピーを手渡して待つ事しばし。(必ずパスポートの提示を求められるので、安全の為コピーを持ち歩く方がいいと思います)漸く商品を手にしてそのお店を出ました。

次にそのお店の前にあるブティックへ移動。ここはちょっとしたパーティー用の洋服が多いようです。
まず目に飛び込んできたのはチャイナ風ドレス。それも一点ではなく、数点お店の入口に並べられています。
イギリスでは今チャイナ風が流行りなのかしら?と思いつつ、落ち着いたピンクに美しい刺繍の施されたチャイナ・ドレスを手に取りました。地味派手な感じのこの洋服。
ちょっと着てみたい気がしましたが、何処に着ていくの?という疑問と、どれも私のサイズより大きいみたいだという現実からあっさりあきらめます。

更に奥に入り、そこできれいなシルクのブラウスを見付けました。オレンジと赤の中間のような油絵系の色で、落ち着いた華やかさがあるブラウスです。これはいいとすぐにサイズを確認。でもこれもお土産です。
自分のものは買えるのかしら?と心配になりつつレジへ。今度は免税手続きもしてから外に出ます。

今度こそ自分へのお土産を見つけようと決意し、アップル・マーケットに戻りました。

・上の写真は本文とは関係ありませんが、左からロンドン塔、テムズ川の遊覧船、
 タワーヒル・ペイジェントのリーフレットです。(著者撮影)

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