…Dr Dross' Orphanage For Waifs And Strays…
Clala……Etta Murfitt or Valentina Formenti
Nutcracker……Alan Vincent or Adam Galbraith
The Orphans……The Company
The Orphanage Governors……The Company
グレーと黒のクロス床。セーフティーカーテンに"Nutcracker!"の文字が浮かび上がっている。
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孤児たちの部屋。壁に覆われた部屋の左右にはドアがついている。正面左には窓が、中央には学校にあるような丸いだけで飾りの全くない時計とクロゼットがある。そして子供たちの眠るベッドが横に並んでいる。
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自分達の部屋の掃除をさせられる子供。今日はクリスマスの飾り付けもドロス夫人から言い渡される。風船と紙でつくったチェーンの飾りを壁にはりつけ、クリスマスリースを右のドアに飾る。そして、枯れ枝だけのみすぼらしい小さな木が植わった植木鉢が登場。てっぺんに星をつけ、枯れ枝に2、3個のオーナメントがかけられる。どうやらクリスマスツリーのつもりらしい。
子供たちはそれでも楽しそうに飾り付けをしている。風船とチェーンを壁に取り付けようと奮闘する女の子をサポートする男の子。女の子をだっこしてあげた後、微妙に意識してしまう二人。
そこに整列の合図。まるで軍曹のようなDr.ドロスが、自分の子供シュガーとフリッツを伴って登場。シュガーは黒い大きなリボンを髪につけ、黒いワンピースを、フリッツはリボンタイにジャケットを着てお洒落をしている。そして腕にカラフルな紙で出来た王冠をたくさんかけて立っている。子供たちは軍隊のように一列に整列し、ドキドキしている。
子供たちは促されるままに、シュガーたちから赤や青、黄色の紙で作られた王冠を受け取り、頭にかぶっていく。全員に王冠が行き渡ったところで子供たちのダンスが始まる。
右端に置かれた椅子に座り、皆の様子を見ているドロス夫妻。シュガーとフリッツも楽しげに踊っている。一曲目のダンスが終わった後、今度はシュガーとフリッツが主役のダンスが始まる。
いつの間にかドロス夫妻はいなくなり、シュガーは床に座り、女の子たちにあたりちらし始める。フリッツは男の子たちにリフトされ、空を飛んでいるかのような姿になったまま運ばれ、なぜかシュガーの上に重ねられる。
気付くとシュガーとフリッツは非常にまずいスタイルで重なっていて、そこにドロス夫人が再び登場。何てことしてるの、あなた達は!と慌てるドロス夫人。そして同じぐらい慌てて離れる彼女の子供たち。
そこにDr.ドロスが慰問に訪れた男女二組(理事?)を伴って登場。ちょっとした騒ぎの後の空気を打ち消すように取り繕った笑みを浮かべながら、Dr.ドロスが訪問者たちを椅子に案内する。
追い立てられて花束を取りに行ったシュガーとフリッツが、訪れた奥方たちに花を手渡す。引き上げる二人は険悪ムード。特にシュガーは不機嫌丸出しでフリッツにかみついている。
まずはおもてなしという事で、ドロス夫人と子供たちの白い布を使ったダンスが始まる。全員が白い布を互いに持ち、美しく踊っているが、なぜかダンスの最後ではクララが白布で首を絞められ息絶えるふりをする。
拍手のおこる中、今度はDr.ドロスと子供たちのダンス。体育会系なダンスが始まる。子供たちはダンベル、鉄の輪、縄跳びを持って踊っている。その中心で指揮を取る黒い出で立ちのDr.ドロスは、その冷徹な表情といい、威圧的な振る舞いといい、まるでナチのSSのよう。歓迎のダンスが終わり、今度は訪問者たちからのプレゼントの時間が始まる。
ドロス夫人が孤児の男の子と女の子一人づつに、さあさあ、もらってきなさいと背中を押す。ためらいがちに前へ進み出る二人。奥方たちが大きなリボンのついた、一抱えはある大きな箱を子供たちに手渡そうとする。と、孤児たちが懸念した通り、つかつかとシュガーとフリッツが登場してプレゼントを横取り。まずは中味を探るべく、ガサガサガサと箱を揺すってみる二人。そして、満足げにプレゼントをドンと床に置いて座り込む。
子供らしく足を投だし、足の間にプレゼントの箱を置いてリボンをもどかしげに一気にはずすフリッツ。一方のシュガーは、皆に見せびらかすように、ゆっくり、もったいつけてリボンをほどいている。
さて、箱の中は?と孤児たちが見守るなか、二人が取り出したのは大きなキャンディーの瓶。次はねと箱の中を探るシュガーとフリッツ。フリッツの箱から出てきたのはおもちゃのピストル。シュガーの箱から出てきたのは女の子のお人形。えっ?これだけ?と憤慨して箱を引っくり返して揺するシュガーとフリッツ。でもいくら振っても、もう何も出てこないと悟ると、二人はプレゼントをしっかり掴んで部屋を出て行った。
今度はDr.ドロス夫妻のダンスが始まる。訪問者たちは、こちらにお座りくださいと、四つん這いにさせられ、人間椅子にされた男の子の背中に躊躇いもなく腰掛ける。
今度は宴もたけなわという雰囲気で、訪問者たちとドロス夫妻がマグ(ジョッキー?)を持ち、楽しげに踊り出す。ダンスが終わると子供たちへの更なるプレゼントが登場。今度は大きなバスケットに、おそらく中古品というおもちゃが沢山入っている。さあ、好きなものを戴きなさいと呼びかけるドロス夫人。ためらう子供たち。
しかし一人がもらうと、次々にうれしそうに孤児たちはプレゼントを一つづつ手に取っていく。が、その中に一人男の子なのに女の子の人形を取った子供がいるのを見つけ、ドロス夫人は素早く取り上げ、バスケットの中からボールを取り出し押し付ける。(しかし後で人形とボールを女の子が交換してくれる)
次々にプレゼントを手にして喜ぶ子供たちの前で、クララはじっと自分の番が来るのを待っていた。そして、遂に彼女の番。しかし最後の一人になったクララがバスケットの中を覗くと何も残っていない。そんな、と必死になって探すクララ。すると、男の子の姿をしたくるみ割り人形が出てきた。
自分にもちゃんと残っていたと喜び人形を胸に抱くクララ。その人形で遊んでいると、シュガーがフリッツを伴って登場。おもちゃのピストルで皆を威嚇し、自分の人形を投げ捨てクララの人形を無理矢理取り上げようとする。
引っ張りあいっこの末、クララの人形の両腕がもげてしまう。急に興味を失うシュガー。さっき投げ捨てた女の子のお人形を再び手に取り、孤児たちの部屋を立ち去る。
壊れてしまった人形を前に悲しむクララ。すると友達二人が駆け寄り人形を拾い上げる。女の子がまず心音をチェック。お医者さん役の男の子に、「先生、死んでます」と首を振ると、彼は両手に手袋をはめて手術を開始。真剣な面持ちで先生は人形の手術を執り行う。
器用な彼は、とれてしまった腕を元通りにしてクララに返してくれる。喜ぶクララ。こうしてクララにくるみ割りが戻された。
子供たちの遊ぶ部屋に再びドロス夫妻と訪問者たちが登場。暇乞いをする訪問者たち。その頃にはすっかりDr.ドロスは奥方の一人といい雰囲気に。
ありがとうございましたと、にこやかにドロス夫妻は四人を見送る。が、居なくなった途端にDr.ドロスは急変。壁に寄りかかったまま、「あー疲れた。やってられるか」と脱力。
壁の飾りをひっぺがし、ツリーを窓から投げ捨てる。ドロス夫人は再びお人形を手にした男の子から人形を取り上げ、クロゼットの中に放り込む。もう眠る時間ですとベッドに皆を追い立てるドロス夫人。
そんな中、一人早々とネグリジェに着替えたクララが左隅に立ち、くるみ割り人形を腕に抱えて立っている。それをめざとく見つけ、人形を取り上げクロゼットに入れてしまうドロス夫妻。
右のドアの上にかけてある鍵束の中からクロゼットの鍵を出し、施錠してから立ち去るドロス夫妻。子供たちは人数分もないベッドに2、3人づつ潜り込みながら眠りに入る。
そんな中、どうしても気になってクロゼットの鍵を開けようと起き出すクララ。ドアの所にある鍵束を取りにベッドを抜け出したところ、左のドアからDr.ドロスが酒瓶を手にふらふらと部屋に入ってくる。ドキッとしてベッドの下に隠れるクララ。
すっかり酔っぱらったDr.ドロスはクララに気付かずふらふらと部屋を通過してドアから出て行く。ほっと一息つき再びクララが動こうとすると、今度はシュガーが右のドアから入ってくる。鍵束を手にクロゼットに近付くシュガー。
時計の針は12時をさしている。くるみ割り人形をどうしても手に入れたいと、躊躇うことなくクロゼットの鍵を開けるシュガー。ベットの下からはクララが一部始終を見守っている。
鍵を開け、勢い良くシュガーが大きなクロゼットの扉を開けた。すると、そこには人間の大きさになったくるみ割人形が立っていた!
この物語はこのHPの制作者なつむが2002年11月21日、22日に観た
"Matthew Bourne's Nutcracker!"を、あくまでも記憶を基に綴ったものです。
作品は日々変化していると思います。
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