ニューヨーク旅行記〜サラベスキッチン編〜 



<10/31・午後>

どれも同じに見えるドア。何か表示があってしかるべきなのに、どうも見つかりませ ん。仕方なくもう一度一階まで下りて確認しようという事に。

もう一度同じ人に尋ねると、やはり間違い無く事務所は7階という返事。
という訳で、再びエレベーターで7階へ戻ります。でもどこにあるのか、 なかなかわかりません。
しばらく観察した後、ここが怪しそうだと思うドアがひとつ出てきました。 オフィスの表示はないのですが、変な飾りがたくさんついています。

恐る恐るそおっと開けてみると、ありました。オフィスです。
日本人が数人忙しく働いています。当たりです。通常ならちゃんと分かるように ドアのプレートが見えるのですが、この日は日がいけませんでした。
今日はハロウィーンの日。 事務所の表示はその飾りに覆い隠されていたのです。
漸くたどり着いた事にほっとして、荷物ごと中に入ります。

事務所と言っても、中はワンルームマンションに机を置いただけとも 言える、雑然としたもの。 机が数台と電話、そしてファイルが置かれているキャビネットとソファー があるだけです。
その事務所にいるスタッフは全員日本人男性で、皆電話の応対に おわれています。
とりあえず、誰かの電話が終わるまでどうしようもないので、 聞くとはなしに、電話のやり取りを聞いて立っていました。

「3ヶ月前ぐらいからじゃないと、予約無理ですよ。駄目です。 認識が甘い!どこも空いてませんよ。どうしようもないでしょう!」
えっ?というほど、強気なやり取り。NYで暮らすには、やっぱり これぐらい強気じゃないとやっていけないのかしらとあっけに 取られてながめてしまいます。
早く電話が終わって欲しい・・・と思いながら待つこと数分。

「お待たせしました」
という声がやっと聞こえてきました。漸く荷物を置いてほっと出来ると喜びます。 しかし、今は現地時間でいうとお昼時。
「3時まではチェックインできません」
という悲しい返事がかってきました。 とにかくどこかで時間を潰さなければなりません。 とりあえず、荷物を預かってもらって外出することにしました。

日本時間でいうと今は夜中。でも時差ぼけなんてしている場合ではありません。 早く現地時間に切りかえるには、現地時間に即した行動が一番!
という訳で、飛行機の中で既にチェック済みだった評判の店、「サラベス・キッチン 」でお昼を食べることに。
幸運なことに、このお店はチェスターフィールドのお向かいなのです。
今度は迷うことなくお店に直行。ところが、地元ニューヨーカーで既に満席です。 仕方なく予約を入れ、30分ほどセントラルパークで時間をつぶすことになりました。

なだらかな坂をのぼり、車が行き交う広い道に出ます。そこを渡るとセントラルパー クです。 NYはセントラルパークを挟んで、ウェストサイドとイーストサイドにわかれています 。
今回私達が選んだマンションはウェストサイドですから、有名な建物をあげると、 自然史博物館、故ジョン・レノンのアパート側になります。反対のイーストサイドに は、 メトロポリタンミュージアムやグッゲンハイム美術館があります。

地図からしてこっちかな?と見やったところにありました。自然史博物館です。 大きな柱、大きな扉。絶対滞在中に訪れようと心に決めます。

『Don't Walk』でも車が居ないと渡ってしまうニューヨーカーを見て、大阪に 似ていると共通点を見つけながら、パーク側へ移動。
まず最初に現れたのは、金網で囲われた小さな公園。 そこは犬と飼い主でいっぱいです。 見ると、何かイベントをしている様子。今日は土曜日なので 犬サークルの集まりかなにかなのでしょう。
私と友達は犬を飼っているもの同士。二人そろって思わず じっくりと見入ってしまいます。 色んな犬種がいるなあと観察していると、無理無く時間が経過。 通ってきた道にあるお店を見ながらゆっくり戻れば丁度いいぐらいかも という事で、再び元居た場所にもどるべく、歩きだしました。

サラベス・キッチンに戻ると、土曜日のブランチをここでと考える人は 多いようで、未だ人気は衰えず行列は続いています。 そこをくぐり抜け名前を告げて、漸くテーブルへ案内されました。

入り口を入った通路半分はレジとテイクアウト用のショーケースがあり、残りの 半分にはテーブル席が並んでいます。その奥は小さな階段があり、少しだけ 高くなったフロアーにはもテーブルが所狭しと並べられていました。
私達が通されたのは、通路側のテーブルです。丁度マフィンなどが並んだ ショーケースに向かい合う形で座りました。

早速メニューを手に取り、何があるのかをチェック。
飛行機で取った食事から何も食べていないので、本来ならおなかが減っているはず なのですが、時差ゆえにさほど食欲はなく、胃の調子も良くなさそうです。 が、とにかく食べてこちら時間に馴れさせなければならないという強い 意思のもと、私が選んだのは無難にサンドウィッチ。
ターキー・サンドをセレクトします。と、友人も同じメニューを選んでいました。 二人同じ物を一つづつ頼みます。これが間違っていました。

しばらく後に運ばれてきた料理の量。それを見て、我々は再び アメリカに居ることを実感させられたのです。

各々の前に置かれたお皿の上には、頼んだ通り、ターキー、チーズ、ベジタブルの サンドウィッチがのせられています。しかし、しかしなのです。
山のようなレタスの前に鎮座ましましたのは一辺が20cmはかるく越えている 三角定規のようなサンドウィッチ2切れ。そして、その厚さがまたアメリカサイズな のです。 チーズは4mmぐらいあるのでしょうか。とにかく、全体で4、5cmの厚さがあり、挟 んだだけでは崩れてくるので、中央にアメリカンホットドック用の棒のようなものが 、グサッと刺さっていました。
これは・・・二人で1皿でも多いぐらいだった・・・

とにかく食べ進むのよ!とばかりにナイフとフォークを振りかざしてとりかかります 。一口食べて、
「おいしい!」
「混んでるはずよね」
と、弾んだ声で感想を述べ合います。

が、明るい会話はそこまでで・・・フォークとナイフで切っても大変な厚みのサンド ウィッチを口にひたすら運ぶのですが、食べても、食べても不思議なほど、お皿の上 の料理は無くならないのです。 お互いに、お互いのお皿を見ながら、
「さっきから、減ってないような」
「そっちこそ、減ってないような」
と互いに突っ込みを入れつつ、格闘を続けます。しかし、それも遂には限界に達し途 中でリタイア。うーん、もったいないっ!と思うものの、もうしばらくはターキーサ ンドを見たくもないとう状態です。
「持ってかえる?」
というスタッフの申し出にも、
「いえ。いいです」
と答える私達。

それにしても、アメリカ人にはこの量が食べられるのかしら?と疑問を持ち、周りを 見回すと、やっぱりあちこちにリタイア組みが。でも結構持ちかえる人が多いようで 、袋を片手に去っていく人も結構います。

今度から、店に入ったら周囲の人をチェックして、そのお店の一皿の量を確認した上 で注文すべきであるという教訓を胸に、私達はサラベスキッチンを後にしました。


・上の写真は、我々が借りたウィークリー・マンションの入口です。(著者撮影)


★サラベスキッチンの住所などの詳細は、 NY Restaurant Informationをご覧下さい★


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