ガキの頃しか見れない夢もある。だから夢を見ろ。大きな夢を・・
しかし、夢を夢で終わらせたくない少年たちがいた。 ひとつの時代を駆け抜けた少年たち・・ そして今、伝説に・・ あの日の少年たち・・ 2001年、突然のブームを起こした玩具。ベイブレード。 それは当然、我が家にもやってきた。 アニメ開始がブームの火付けとなった。 当時、放送がある日にはちゃんと早く帰ってきてテレビの前に座りアニメが始まるのをまだかまだかと待つリキヤ、カンタの姿があった。 どこの家でもそうだったんじゃないかな? その頃はどこに行くにも必ずベイブレードを持っていく。友達が来ても必ずベイブレードを持ってくる。 公園で、玄関先で、店先で、どこに行ってもベイブレードをしている子供の姿。 「俺はタカオだ!」「カイだ!」「レイだ!」「マックスだ!」 みんなが主役の名を名乗りなりきってバトルする姿は真剣そのものだった。 頼もしかった。 あの少年たちはどこにいった? 正直のところ我が家も2002年夏頃からアニメをほとんど見ていない。 ベイブレードを捨てた訳でもない。 競技中心のベイブレードへと変わっていく。 この頃がベイブレードの1つの分岐点だったんじゃないかな? そしてベイブレードを捨て去っていく子供たち・・ マンガでは敵として出会った彼らはやがてお互いを認めライバルにへと変わってゆく。 そしてチーム結成。仲間に・・ しかし彼らはまたライバルに戻っていく。「おまえとバトルがしたい!」「おまえに勝ちたい!」 2004年11月21日、そんな姿がステージにあった。 日本一決定戦だと言うのにお互い目を合わすと笑顔さえ出る。 「約束通りここまで来たぜ!」 そんな顔をしたリキヤの姿がメインステージの上にあった。 話は爆転王日本一決定戦を1週間ほどさかのぼる。 すでに全国大会出場を決めているWATARU、Ryo-taの2家族が最後の練習に選んだ場所。 我が家である。 Kazuma、WATARU、Ryo-ta、そしてリキヤ、カンタの5人。 後の爆転王日本一決定戦レギュラー1位、2位、3位。オープン3位。 ライセンスバトルロードレギュラー1位、2位、4位。 今考えれば恐ろしいメンバーである。 そして最後の調整として完全大会想定のバトル。名付けて「爆転宅日本一決定戦」 そこで優勝したのはなんとリキヤだった。 「幕張で待ってるぞ!」 そんな言葉がリキヤ、カンタの心に火を付ける。 全国大会と言う大きな舞台でおまえたちとバトルしたい。 大会前夜、練習をしているリキヤが手を止めボーっと天井を見ている。 そして俺の方を見ると恥ずかしそうにニコっと笑いこう言った。 「たぶん俺な、あした日本一になるで・・」 ビックリした。な、なんだコイツ? 「まだ代表も取ってないのになに言ってんねん、練習、練習」 もしかしたらリキヤには見えていたのかも知れない。 あいつらが必ず勝ち上がってくるメインステージにいる自分の姿が・・ そしてリキヤはその言葉通りここまで来たのだ。 そして日本一決定の瞬間、私はリキヤのあの悲しげな表情を今でも忘れない。 「終わった・・」 リキヤにとって日本一なんかどうでもよかったのかも知れない。 そこでおまえたちと戦っているその瞬間、瞬間、それが全ての思い出だったのだろう。 永遠の一瞬。 「おまえたちがいたからここまでこれた」「おまえたちがいたから強くなれた」 そして「おまえたちがいたから楽しかった」 同じ時代を駆け抜けた時代の兄弟たち。ありがとう、みんな。 あの日の少年たち・・そして永遠の少年たち・・ |