官能小説・女教師紀子
女教師・紀子


第二十四章:休日の生活指導(後編)



「帰りが少し遅くなるかも知れないわね・・・・」

ホテルを出て、峠道から一也くんの案内で車が住宅街に入った頃には
もう日は落ちて辺りは暗くなりかけていた。

待ち合わせをした時のように、彼に自宅から離れた駅で降りてもらう事も考えたけれど
休日の夕方は道路自体も混んでいて、そんな中であまり目立つ事はしたくなかったの。
人目を避けたつもりの待ち合わせ場所でも
大学時代の友人に見つかってしまったくらいだし・・・。

「もう少し先・・・大きな公園が見えてきますから」

幹線道路を外れてから、車は人気のない郊外の住宅街を縫うように走っていた。
一也くんの言うように、この道を走っている限りは人目につく心配はなさそうだったけれど
カーブも多くてスピードは出せないし、彼の言う
「家の近くで目立たずに降りられる場所」に、いつ着けるのか不安が先行してしまう。
さらに、店舗が立ち並ぶ駅前や幹線道路と違って周囲は閑静な住宅ばかりで
私が抱え込んでいだ不安はどんどん大きく増していってしまう。

「次を右に曲がったら・・・二つ目を左に・・・そして」
「・・・一也くん、あのね・・・」

何度も交差点を曲がり、狭い道を走りながら
その不安現実になりかけてきて、私は一也くんに言葉をかける。

「もうすぐです・・・ここを右に・・・ここです。この公園です」

住宅地に囲まれるように、木々の茂った大きな公園が目の前に現れた。
もう日も暮れて、街路灯の明かりに照らされてる公園の周辺は
日曜だからなのか人通りもなくて
彼の言う通り、人目につかずに車を停めるには都合のいい場所のようだった。
周囲を巡る道を少し走ると、公園の入り口に辿り着く。

確か、一也くんの家はこの公園を突っ切った向かい側・・・。
はっきりとは思い出せないけれど
家庭訪問で訪れた時、間近に大きな公園が見えた記憶があったの。

「ここです・・・ありがとうございました」
「大丈夫?? 公園を抜けるまで送って行くわよ?」

高級住宅街が建ち並ぶ一角で、あまり危険はなさそうだったけれど
公園の中は人気もなく薄暗い。

「はい・・・お願いします・・・」

一也くんの、あまり感情のこもっていない力のない言葉に
何か分らない一抹の不安を感じながらも
私はドアを開けて、先に車から降りた。
でも、何故か一也くんは助手席に座ったまま降りようとしない。

「車酔いしたの? 公園で少し休みましょうか??」

私の呼びかけに、ようやく応えて車を降りる一也くん。
うつむいたまま考え込むような素振りで
どことなく落ち着きがない様子にも見える。

デートの終わりを名残惜しんでるのかしら・・・??

でも、自身が抱えている不安から
私は一也くんを急かせるように、街灯の灯る公園へと歩いていく。



公園にまったく人気がないのは、都合の良い事だった。

中に入ると、遊歩道の街路灯が意外と明るくて
すれ違う人が顔見知りだったら
きっと、寄り添って歩く恋人同士とも見えなくもない
私達のどちらかに気付くだろう。

その時の言い訳を、何度も頭の中で反芻している内に
私達は、遊具施設のある小さな広場へと辿り着いていた。
その先は、木々の間から家の明かりが見えていたので
きっと、この広場が公園の中心なんだろう。

「先生・・・あの、少し休みませんか?」

公園に入ってから、ずっと無口だった一也くんが言葉をかける。
抱えている不安は少しずつ大きく膨らんでいたけれど
車酔いの事、名残惜しさの事が思い浮かんで、私は休憩を承知した。
人目につくかもしれない見晴らしの良い場所だけど
一也くんの家から近い場所なら「偶然」と言う言い訳も
容易く通用しそうだったから、私は勧められるまま
広場を囲むように設えられているベンチの一つに腰掛けたの。

「紀子先生・・・今日は、本当にありがとうございました」

そう言って、ペコリと頭を下げるに私は微笑を返す。

「いいのよ、先生も凄く楽しかったから」
「本当に??」

こんな場合、躊躇う事は禁物なのに
すぐに返事を返されて、私は少し間を空けて返事してしまう。

「ええ・・・デートなんて久しぶりだったし」

小さな嘘だったけれど、その相手がクラスメートである事に
私の良心にチクリと痛みが走った。

「一也くんは、どうだったの??・・・退屈だった?」

彼の私への強い想いを知りながら
私は少し動揺してたのか、意地悪な質問を返してしまう。

「もちろん、楽しかったです・・・大好きな先生と、その
 大人のデートが出来て・・・」

予測できた答えだったけれど、恥じらいを見せる姿が凄く愛しい。

シャワーを浴びた後、チェックアウトの時間まで眠ってしまって
慌しく出発する前に、ホテルの中でその言葉を聞いていたなら
チェックアウトを延長してしていたかも知れない。
その愛しさを抱き締めて、再びベッドの上に身体を投げ出すと
強引にレクチャーの復習を求めていたかも・・・。

ここが公園の広場である現実が、キスしたい衝動を押さえ込む。

「そう、嬉しいわ・・・また、時間があればデートしましょ」
「ほんとに??」
「ええ・・・・」

ホテルでは、正しい女性の愛し方のレクチャーを素直に聞いて
実践してくれた一也くんだったけれど
たった一度の講義で、全てを理解してくれる期待は抱いていなかった。

一也くんの少し歪んだ愛情表現が矯正されるまで付き合う義務が私にはあったし
私自身、歪んだ性欲を彼と一緒に直せたら・・・と言う願望も持っていたの。

そう・・・きっと、一也くんよりも・・・私自身が正しくあるべきなんだわ。


「・・・・紀子先生??」

少しの間、思いに耽ってしまっていた私を、一也くんの言葉が引き戻す。

「あ、ごめんなさい・・・ホテルでも先に寝てしまって・・・。
 先生から誘ったデートなのに、反省しなきゃいけないわね・・・ほんとに」
「う、ううん。先生の寝顔、初めて見られたから・・・」
「そ、そうなの・・・」
「うん・・・凄く可愛かった・・・だから、僕・・・」

寝顔を可愛いと言われて恥らわない女性は、きっといないと思う。
だから、私は一也くんの後の言葉に何の疑問も抱かずに聞き流してしまっていた。

「そんなっ・・・大人でも寝顔は恥ずかしいものなのよ」
「でも、凄く魅力的で・・・今の先生みたいに」
「・・・・あっ、ダメ」

咄嗟に出てしまった言葉だけど、一也くんに伝わる前に
私のは塞がれてしまってたの。
でもそれは、ほんの一瞬で
反射的に彼を引き離そうとした手は空振りしてしまう。

「ごめんなさい・・・先生の恥らう顔、凄く可愛くて・・・だから・・・」

素早く周囲に人がいないことを確認してしまってた私に向かって
一也くんは、健気にキスした事を謝る。
でも、慌てる私を見つめると、再び顔を寄せキスをねだった・・・。

「一也くんっ・・・だ、だめっ、ここじゃ・・・ダメよ・・・っ」

唇だけでなく、身体を摺り寄せてきた一也くんの手は
私の太股の上を擦り始めてしまっていた。
その情感のこもった手付きで、彼の昂ぶった心が感じられる・・・。

「ここは公園よっ・・・ダメっ、人に見られるわ・・・ダメよ、一也くんっ」

すぐにキスからは解放されたけれど、彼の手は太股ばかりでなく
私の瞳を見つめながら、胸にまで伸びて
膨らみを支え上げるように愛撫し始めてしまう。

「先生・・・可愛い・・・恥らうと、凄く可愛くなる。
 寝顔よりも、もっと・・・ホテルのシャワールームの時のように」

「・・・・えっ!?」



胸と太股を愛撫されながら、私は一也くんの目を見つめ
言葉を詰まらせていた。

公園のベンチで、人に見られるかも知れないのに
ショックから立ち直る間、教え子の愛撫を無抵抗で受け入れてしまう・・・。

「ベッドで休んでると声が聞こえてきて・・・凄く可愛い声・・・。
 いけないと分ってたけど、僕、シャワールームのドアを開けてしまったんだ。
 そうしたら、先生が・・・凄く可愛い声を上げながら、あんな事を・・・」

やっぱり、シャワールームから見えた影は一也くんだったのね・・・。

「いやらしく指を使いながら・・・でも、凄く可愛い顔してたんだ。
 いやらしいオナニーしてるのに、先生、とても可愛くて・・・
 だから、僕、脱ぎ散らかされた先生の下着の
 匂いを嗅ぎながら、一緒に・・・」

デートの途中ナンパしてきた男達に辱められる妄想で
耽ってしまったオナニー・・・。

「あんなに恥ずかしげに声を上げて
 あんなに恥ずかしげに身悶えてる先生・・・。
 ベッドの上よりも数倍、淫らで・・・可愛くて・・・
 僕、セックスだと、一度しか勃たなかったのに
 そんな先生を見て・・・二度も続けて射精してしまったんだ」

辱められて発情した私を、可愛いだなんて・・・っ!

「それからも、先生の可愛い寝顔を見ながら、もう一度・・・。
 僕、やっぱり、女性を普通に愛せないんだ・・・セックスよりオナニーの方が
 いいって感じるんだ・・・恥らう先生を見たいって願うんだ!
 もっと恥ずかしがらせたくて・・・だから、僕
 先生が寝てる間、飲み残してたジュースに・・・っ!」

な、何を・・・まさか、車の中でずっと感じてた不安は、一也くんのせいなの!?

「僕が、先生の汚れた下着で破廉恥な行為をしてしまうのは
 先生が・・・紀子先生が生徒に、自分の下着の匂いを嗅がれて恥らう姿を
 思い描くからかも知れない・・・」

「好きな人の恥ずかしい匂い・・・好きな人の恥ずかしい行為に欲情するのは
 その人の恥らう顔を想像してしまうから・・・恥らってる先生を妄想するから
 こんなにも・・・今だってこんなにもっ、興奮してしまうんだ」

「先生が・・・オシッコを我慢してるって分るから・・・知ってるから、僕
 公園の中なのに、先生に嫌われるかも知れないのに・・・なのに、僕っ
 僕の愛撫に恥らってる先生を、もっと恥らわせたい! 辱めてみたいっ!
 僕っ! 大好きな紀子先生に・・・目の前で先生に、オシッコさせたいんだ!!」



ここが公園の広場である事、ベンチの上で太股を撫でられてる事
服の上から乱暴に胸を揉まれている事・・・その全てを許せたのに
私は、一也くんの最後の言葉に無意識に反応してしまっていたの。

怒りで頭の中が真っ白になる経験はこれが初めてだった・・・。

それが、自分で冒した過ちが原因だと分っていても
そもそも、教え子と一線を越えてしまったのは自身の淫らな情欲のせいだと
強く後悔していても・・・私は、湧き上がった怒りを思い止まらせる事は出来なかったの。

乾いた音が、公園の闇に吸いこまれていっても
しばらくの間、初めて教え子に振り下ろした手を収められなかった・・・。


想いを抱く女教師に強く頬を叩かれ
無言で広場を後にする傷心の教え子の寂しげな背中を見つめてても
私の胸の中の怒りの感情は、すぐには衰えてくれない。

ううん、一也くんへの憤りは手を振り上げた時には納まっていたかもしれない。
その手を振り下ろしてしまったのは・・・そう、一也くんの陰に隠れて
ほくそえむ誠くん・・・一也くんに利尿剤を飲ませるよう仕向けただろう
もう一人の教え子への怒りだったんだと思う。

今日のデートは、誠くんがセッティングしたもので
私も、それを承知でデートをOKしたはずだったけれど
こんなこと納得なんて出来ない・・・私を辱めたいのなら、直接、そうすればいい!
私とデートして、最初の家庭訪問の時のように利尿剤を飲ませて
アブノーマルな排尿行為に、勝手に欲情すればいいんだわ!
一也くんを巻き込む必要なんてないじゃない!!


薄闇の中に、傷心の教え子の姿が消えていって初めて
私は、深く大きく息を吐き出してうつむいた。

吐き出す息と一緒に、怒りの感情も身体の外へ流れ出していく・・・。

「・・・・一也くん」

もう声の届かない所にいるはずの彼の名を、無意識に呼ぶ。

「ごめんなさい・・・先生・・・っっ」

声が涙で詰まって続かない。

「先生がいけないのに・・・先生が、あなたを追い詰めてしまったのに・・・」

手を振り上げたのは一也くんのせい・・・でも、振り下ろす必要はなかった。
そう・・・誠くんへの怒りを彼に向けて昇華させてしまったんだわ。

「叩く必要はなかったの・・・叩きたかったのは、誠くんだったのに・・・」

誠くんの名を口にして、私はふと思い描く。
私が今日のデートを受けた理由を、きっと誠くんも分っているはずだった。
一也くんの歪んだ愛情表現を正したいと願ってると知っていたから
利尿剤を一也くんに手渡したのに違いない。
彼をそそのかして、私の希望を台無しにする為に・・・・。

「ううん、叩かれるべきなのは・・・そうよ、私自身だわ・・・」

誠くんの手の上で踊らされている自分を感じて
強い自己嫌悪に陥ってしまう。
例え、誠くんがそそのかしたしたとしても
一也くんがその誘惑に負けたとしても
自分の中の淫らな情欲に振りまわされている
私自身の責任がなくなりはしない。

怒りに任せて手を振り下ろす前に
誠くんの意図一也くんの心情を深く読み取る義務が
私には・・・二人の担任である私にはあったんだわ。

だから、このまま歪んだ愛情に迷いもがいている教え子の手を振り払って
見捨てるなんて、私には出来ない・・・っ!



「・・・・一也くん」

出来る限り・・・精一杯手を差し伸べて
私自身の煩悩が突き落とした教え子を救い上げなければいけない!

このまま、誠くんの思い通りになんてなりたくないっ!
一也くんを見捨てて
傷付いた心を誠くんに癒されたいなんて思うもんですか!

一也くんが望むなら・・・そう強く望むのなら、叶えてあげたい!

例え、それが羞恥に塗れた恥辱的な行為だとしても
今は・・・一也くんが強く望んでいるのだから
今だけは・・・望みを叶えて、一也くんを取り戻したい。

取り戻せたら、いつだって「正しい愛し方」を教えられる。
だって、私は彼の教師だもの・・・。


「一也くん・・・まだ、いるわよね・・・先生を一人にしないわよね」

呟く声が、姿の見えなくなった教え子に届くとは思わない。
でも、そう言葉に出さなければ・・・一也くんが傍にいると思わなければ
逆に、こんな事なんて出来はしない。

「いいのよ、見て・・・傍に来て、見てもいいの」

ベンチから立ち上がると、私は目を閉じて一也くんの存在を思い描いた。
強く念じると、さっきまで座っていたベンチに彼の姿が再び現われる。

「そうよ、見てて・・・でないと恥ずかしいの・・・誰が見てるかも知れない
 こんな場所でするなんて・・・先生、恥ずかしさでおかしくなりそうよっ」

ショートパンツのバックルに手をかけ外すと
躊躇いなく、ファスナーを引き下ろしていく。
支えを失ったジーンズの布地が、小さな金属音と一緒に足元へと落ちていった。

「ぁあ、恥ずかしいっ・・・でも、続けるわね・・・一也くんの為に
 先生、一也くんが望むように、恥らう顔を見せてあげるっ、見せてあげたいの!」



腰の辺りまで覆っているサマーセーターの裾をたくし上げて
パンティーストッキングに指を差し入れる。
そして、一日に何度も繰り返す動作で前屈みになりながら
ストッキングを脱ぎ下ろす指先にショーツの端を絡ませて
膝上まで下着を引き下ろしていった・・・。

目を閉じていても、涼しい夜風が露わになった股間を撫でて
夜の公園で下着を下ろしている破廉恥な自分の姿を
嫌でも思い描かせてしまう!

「ぁぁあっ・・・一也くんっ・・・!」

羞恥心が勝って一也くんの気配が薄れ、私は声を荒げてしまう。
恥ずかしさに耐えられずに、膝を固く閉じ合わせ
両手で股間を覆い隠してしまっていた。

「イヤっ・・・ぁぁ、恥ずかしい・・・恥ずかしいわっ」

何度も頭を振って振り払おうとしても
自身の淫らな醜態の情景は消えてくれない。
それどころか、誰もいないはずの周囲から
複数の人の気配がヒタヒタと迫ってきて、私を取り囲もうとしていたの。

「ダメっ、来ないでっ! 一也くんにだけ・・・
 一也くんにだけ見せたいのに」

形のない気配が私の剥き出しの股間に絡まるように漂ってる・・・。
荒い息遣い・・・熱い視線・・・喉を鳴らす音までも間近に感じて
私はその場にしゃがみこんでしまった。

「イヤよ・・・イヤっ、私、そんな女じゃないっ!
 男なら誰にだって抱かれたいなんて思っていないっ!
 愛しい人だけ・・・大切に思う人だけに抱かれたくてこうしてるの。
 恥らう姿を見て、興奮して欲しいから、こんな格好でいるのよっ!」

でも、そう叫んでも、私を取り巻く発情したオスの気配は消え去らない。
両手で覆い隠す部分を透視するかのように
いくつもの熱い視線が剥き出しの下半身に絡みついた。

「ぁぁっ、一也くんっ・・・一人にしないで! 先生・・・先生っ
 おかくしなってしまいそう! たくさんの視線に犯されながら、ぁあっ!
 もう・・・っ!! もう、出ちゃうわっ! オシッコ出ちゃうっっ!!」

しゃがんだ姿勢のせいなのか、夜風で冷えたせいなのか
利尿剤の効き目は、尿意を限界にまで高めてしまってたの!

「・・・・ダ、ダメっ・・・・!!」

堪え切れずに、少量の小水が固く閉じ合わせた太股に飛散するっ!

「一也くんっ・・・一也くんっ、早く来てっ! 先生、我慢できないっ!!」

溢れた小水の匂いに誘われるように、気配が強く、近くなっていく!
まるでガラスの上にしゃがんで
その下から、排尿を我慢する淫部を覗きこまれてる感覚に捕らわれる。

もし・・・もし、公園にたむろしている男達が目の前にいたら・・・。

そう思うだけで、恐怖感で閉じた目を開く事が出来ないっ。
犯される恐怖よりも、排尿を見つめられる羞恥に気を失いそう!


そんな混乱した私の頭の中に、男の声が響いてくる・・・。

『膝を開いて・・・オシッコをする所を、みんなに見せてごらん』

それが幻聴なのか、確かめる勇気がない私は頭を強く左右に振って
囁きを打ち消そうとした。
でも、その声は尿意の限界を迎えてる私自身の身体の欲求だったのかも知れない。
誘うように優しく囁かれて、膝が自然に開いていってしまう!

『そう、いい子だね・・・いつも通りにしていいんだよ。
 でないと足も下着も汚れてしまうからね・・・さぁ、もっと開いて・・・
 もっとアソコを曝さないと、上手く出来ないよ・・・そう・・・そう・・・
 あとは下腹を緩めるだけだよ・・・力を抜いて、シーシーしてごらん
 我慢する事ないんだよ・・・さぁ、みんなの見てる前でオシッコしてごらん!』


「か・・・一也くん・・・先生、もうダメっ・・・出ちゃうぅぅっ!
 人の前で、オシッコ・・・ぁぁぁっ、出ちゃうのっ! オシッコしちゃうぅぅ!」



はしたない音と匂いとが、私の頭の中に流れ込んでくるっ!

今までに数え切れないほど何度も聞いてきた音なのに
嗅いだ匂いなのに、公園の広場で大勢の人の気配を感じながら
してしまった排尿行為は、セックスの絶頂感に似た
感覚を引き起こしていたの。

排尿の愉悦で全身が弛緩していくのを感じながら
意識が白くなる・・・。

強い緊張と恐怖に感情が昇り詰めた後に襲ってきた
開放感・・・セックスで激しく果ててしまうような快美感に
私は思わず、淫らな音色の嗚咽を漏らしてしまっていた。

「・・・ぁぁぁっ・・・はぁぁ・・・ぁぁぁンっ!」

快楽・・・セックスでペニスに貫かれ精液を注がれるのとは
逆の快楽・・・そう、これは吐き出す快楽
排泄の快楽なんだわ。

普段の排尿行為でも少し感じる時もある
でも、今感じたのは異質なくらい激しい快楽だった・・・。

そう・・・私、イッてしまったんだわ。

男達に見つめられながら、排尿の快楽に・・・果ててしまった。

でも多分、男達なんていやしない・・・私の頭の中に生まれた淫らな妄想の産物。
オナニーをする時のように、自分で淫らな妄想を作り出して
無意識に羞恥心を煽っていたんだわ。

そう・・・目を開ければ・・・開ければ・・・・。

ううん、ダメ! もし・・・もし誰かが立っていたら
私っ、きっと泣き叫んでしまう!!
半狂乱になって・・・人が集まって来て
私・・・私、もう教師を続けていられなくなるっ!



「・・・・せんせい」



パニックになりかけた頭の中に、優しくて暖かい声が響くと
私は混乱から瞬時に立ち直って耳をそばだてた。


誰・・・?? ううん、分ってる・・・でもっ
もう一度・・・お願い、もう一度その声を聞かせて・・・!


「・・・・のりこ・・・・せんせい」


声に導かれるように、私は身体を強く抱き締めていた手を解いて
ゆっくりと目を開ける・・・。


「先生・・・ごめんなさい・・・」

「・・・・くんっ!!」


目の前に立つ教え子に私は飛び付くと、その身体を強く抱擁した。

「ごめんなさい・・・ごめんなさい、紀子先生・・・ごめんなさいっ!」
「一也くん・・・一也くん・・・一也・・・くぅんっ!」

今までの不安懺悔の気持ちを吐き出し、ぶつけ合いながら
私達は強く抱擁しながら、互いの名前を呼び合っていた。

「いいのよ、一也くんっ・・・悪いのは先生の方なのっ、全部、先生が悪いのに・・・」
「そんな事ないよっ、僕が・・・僕が、あんなモノで先生を・・・っ」

「ううん、違うのっ、違うのよ・・・先生が先に一也くんを裏切ったのよ。
 ホテルで一也くんに抱かれたのに・・・あんな・・・あんなに、はしたないオナニーを
 してしまった先生が、一番責められるべきなんだわ!」
「でもっ・・・僕は、先生にもっと・・・・」

その時になって、私は抱き締めている一也くんの股間が熱くたぎっているのに気付いたの。
ズボンの上からでもハッキリ分るほど、強く逞しくペニスを勃起させている・・・。
それは、ベンチの前で放尿した私を間近で見ていた事を雄弁に物語っていた。

「見てたの?? 先生がオシッコしてるの・・・一也くん、見てたのね?」
「・・・ごめんなさい・・・本当に、ごめんなさい・・・」

一也くんは、何度もうわ言のように懺悔する。
それは、利尿剤を飲ませた事を強く後悔しながらも、愛しい女性の汚物に欲情する
歪んだ性癖を押さえられない自分に苦悩する姿だった。

そう、まるで私と同じ・・・恥辱な性交の度に、激しい後悔の念を積み重ねても
被虐の淫らな官能を忘れられないでいる私と・・・一也くんは同じなんだわ。


「もう、いいの・・・一也くん、帰って来てくれたんだもの。
 怒られるのを承知で、先生を一人にしないでくれたんだもの・・・。
 だから・・・もう泣かないで、自分を責めないで・・・」

強く・・・でも、それ以上に優しく一也くんを抱き締める。

「一也くんも、先生も・・・まだ迷ってる・・・何が正しいのか、間違ってるのか
 自分の中にいる、自由にならないもう一人の自分に戸惑って、後悔し続けてるわ」

手を伸ばして、そっとズボンの上から股間を触ると、一也くんはビクリと震えた。

「でも、いつかきっと・・・どちらの自分が本当の自分なのかが分る時が来るはず。
 だって、こんなに辛い葛藤なんだもの・・・私の中の理性は、相手が教え子で
 ここが公園の広場だって叫んでるけれど・・・本能は、求めてるの・・・あなたを
 あなたの股間にたぎってるオスの本能を、私の中のメスの本能が求めてしまってる」

股間を撫で擦りながら、私は一也くんの腰に手を回してベンチへと導いていった・・・。

膝にベンチの端が当たると、座って、彼のズボンのベルトに手をかける。
何の躊躇いもなく引き下ろされたズボンとブリーフから
猛々しく反り返ったペニスが現われて、私の目の前で脈動する。

「こんなに興奮してたのね・・・大好きな人のオシッコを見て。なんてイヤらしい子なの」



私は勃起したペニスを見つめながら、ベンチの背もたれへ身体を傾けると
足首に絡まるホットパンツの残骸を脱ぎ捨てて、片足をベンチへ引き上げた。
すると、伸び切ったショーツとストッキングに引きずられるように
もう片方の足もベンチの上に上がって、私はMの形に膝を曲げて
彼の前で小水で濡れた淫部を曝したの・・・。

「イヤらしい格好・・・でも、興奮するの。
 公園で、教え子の目の前でこんな格好でいる自分に
 凄く発情してしまうっ」

手を伸ばせば届く距離で勃起したまま揺れる彼のペニスを前にして
無意識に私の腰も揺れ、淫らな舞踏を続ける。
でも、彼はすぐ目の前の快楽には飛び付かずに私を焦らした。
その眼差しは、さらなる羞恥を要求しているようだった。

「ぁあっ、そうなのね・・・見たいのねっ、間近でっ!
 いいわ・・・見せてあげる・・・まだ少し残ってるから・・・
 ぁぁ、ぁぁっ! こんな事・・・っ!
 はぁぁっ、教え子の前でっ・・・わたしっ、はしたないっ!」

理性の叫びが口からついて出ても
緩んだ筋肉はすぐには反応しない。

「出てる・・・っ! 少しだけど、オシッコ出てるの!
 一也くんっ、よく見てっ!!
 あなたの大好きな人の恥ずかしい顔・・・っ
 よく見て発情して!
 そして、先生を・・・先生をオチ○チンで満たしてぇ!!」

「先生・・・っ、紀子先生っ!! 好きですっ・・・大好きですっ!」

「はぁっ! はぁぁぁっ・・・ぅン!!」



教え子からの情熱的な告白なのに、私は官能の嗚咽を漏らす以外
応えてあげられなかった。

「はンっ・・・はンっ、はンっ、はンっ! はぅぅ、ひぁぁン!」

ほんの少量残っていた小水が溢れ出し、淫部を伝って流れ落ちる様を見て
彼は発情した獣のような勢いで、しゃにむに性器を打ち付けてくる!
ベンチの背もたれとに挟まれて、逃げ場のない私の剥き出しのアソコが
押し潰されそうになりながら抽送を受け止めてた。

「先生っ・・・先生っ・・・先生っっ・・・!!」

「はぅン! はぁン! ひゃうぅっ・・・くぁぁン!!」

ペニスが根元まで押し込まれると同時に、クリトリスまでもが押し潰されて
子宮の奥と、頭の中で激しい官能の火花が飛び散った!
誰かが広場を通りかかれば、例え離れていても
すぐそれと分る激しさで、ベンチの上でセックスし続ける・・・っ!

「ひンっ! ひゃぅぅ! はっ、はっ・・・っ、はっ、はンンっ!」

ペニスを挿入された瞬間に押し上げられた恥覚が、激しい抽送の連続に
下がる事無く、何度も・・・何度も絶頂まで突き上げられて
私は言葉を喘ぎに代えて伝えるしか出来ないっ。


か、一也くんっ! たまらないわっ、たまらなくいいのっ!!

そうよっ・・・そう! 獣のように先生を犯してっ!
一也くんの想い・・・先生にもっとぶつけて、先生を支配してっ!!

もう何度もイッちゃってるわ、何度もイカされてる・・・っ!
でも、もっと欲しいっ!
一也くんだけが先生に与えてくれる、女の悦び・・・それを感じたいの!!

それを感じたら・・・感じられたら
先生は・・・紀子は、あなただけの女になれるっ!
誠くんからも、あの男からも解き放たれて
あなただけ見て、あなただけ感じて・・・あなただけに抱かれる女になれるの!

身体が・・・メスの本能が満たされれば、きっと心も・・・あなたの虜になれる。

そうしたら、真っ直ぐに私を愛してくれて・・・真っ直ぐに愛するあまり
歪んでしまったあなたのオスの本能も、いつか私が直してあげる・・・。

ううん! 直さなくていいのなら・・・私の中のメスが、それを求めるのなら
そのままでもいいっ! 放尿に興奮するのなら・・・してあげるわ!
そして、それ以上の事だって・・・あなたに抱かれて至福を得られるのなら
何だってしてあげられるっ・・・私の汚れた部分を求めるのなら
あなたの前で曝け出して、ご褒美を得るの・・・!!
例え、それが普通じゃない行為だとしても・・・ちっとも構わないっ!

だから・・・っ! ぁぁあっ、そうよ・・・そう!!

あなたしか・・・一也くんしか感じない身体にしてっ!
私の中の私をも征服して、支配してっ!

誰とでも発情してしまう、はしたないもう一人の私を・・・あなたのモノにしてぇ!!


「先生っ、先生ぃぃっ・・・僕の紀子先生っっ!!」

ペニスがそれ以上届かない膣奥まで捩じ込まれた途端!
激しく熱い飛沫が、私の子宮へと浴びせられた!!

何度も脈動を繰り返しながら精液を吐き出して
自分の精子愛する人の卵子へ送り続ける・・・・。


「かず・・・や・・・ぁぁ・・・っ」


激しい性器の抽送のラストとしては、あまりに静かな・・・性交の根幹の行為に
私は、交尾の相手にしがみ付きながら絶頂の余韻にまどろむ・・・。

でも、その相手は、私に短い至福の時間を与えてくれなかった。

絡めた腕を振り払うように、私の身体から離れると。
身を屈めて、あれほどまでに激しく愛した個所に口付けする・・・。



「か・・・かずやっ!? ぁ・・・っ、そんなっ、そんなのっ!」

激しく汁を啜る音がすると同時に、対象を失って宙をさまよっていた私の両手が
彼の頭を掴んで、無意識に唇と淫部を引き離そうともがいた!

「ダメ・・・っ! そんなっ・・・ぁぁぁっ! ぁぁぁああっ!!
 一也くんのがっ・・・一也くんの精液がっ、はぁぁン!
 吸われてるっ、紀子のと一緒に吸い出されてるぅぅ!!」


子宮に精液を注ぎ込まれるセックスの快楽とは逆の
精液を排泄する・・・まるで、子宮に溜まった小水を膣から
排尿する・・・。
そう! 排尿に似た悦楽が、再び私を襲ったの!!

「ダメっ、ダメっ・・・ぁあっ、ダメぇぇ!!
 一也くんっ・・・一也くんっ!
 そんなの、紀子は・・・ダメよっ!
 おかしくなっちゃうぅ・・・!
 頭の中、変になっちゃうぅぅ!!」

二人の性交の証・・・愛液精液が入り混じった体液が
音を立てて吸い取られていく!

「一也くんっ・・・一也・・・っ
 かずやぁ・・・ぁぁぁ!」

私は激しく戸惑いながらも、より貪欲な本能は更なる刺激を求めて
彼の頭を強く股間に押し付けてしまう。

精液が吸い取られ続ける間
私は公園のベンチの上で、はしたなく足を広げ
何度も官能の嗚咽震えを繰り返しながら未知の恥覚に酔いしれていた・・・。






<休日の生活指導(後編)・終>


<次章「官能の連鎖(前編)」>

次章「官能の連鎖(前編)」の前に・・・インターミッションな「とある女教師の寝室」をお楽しみ下さい。(^^;)




<第二十四章「あとがき」を読む>

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