女教師・紀子




第二十五章:官能の連鎖(後編)

「お待ちしていましたよ、田辺先生・・・おや? 奇妙な格好をされてますね」

まるで何も知らない部外者のように驚いた表情で、彼は私を迎えた。

まだ夕日には眩しい日差しの中で
私は羽織っていたジャケットを腰に巻いた格好で、校舎屋上に立っていたの。


スカート下着を奪われて、教室に一人取り残された私は
教室の扉の鍵を全てかけると、脱いだジャケットの袖を腰で結び
不恰好ながらも下半身を覆い隠すと、彼を追う決意を固めた。

そう・・・このまま教室に閉じ篭っていても何も解決しない。
一也くんを巻き込んでしまっている以上
状況の説明を求めてくるだろう部外者に救いを求めるリスクは負えなかった。
サディストの彼が、下着と引き換えにどんな恥辱を強要するか分からないけれど
私一人で事態を乗りきれるのならそうしたい・・・。

教室を出ようとした時、私を呼び出す校内放送が流れた。
校舎の屋上まで・・・あの男の声が、私に覚悟を決めさせた。

下校時間を過ぎた人気のない校舎内を、慎重に周囲を覗いながら
時間をかけて、私は彼の待つ屋上へと辿り着いていたの。



「それを返していただければ、教師らしい格好に戻れますけど・・・」

私も負けじと、彼の皮肉に応戦する。

「そうですか・・・じゃあ、お返し差し上げなければなりませんね。
 田辺先生には、生徒達の為にも立派な教師でいていただきたいですから。
 それでは、まず・・・その珍妙な格好を止めていただけますか??」

それが「お願い」ではなく「命令」である事は
静かな笑顔の中に冷たく光る彼の目が物語っている。
腰に巻き付けたジャケットを脱がなければ、容赦のない制裁が加えられる予感が痛いほど伝わる。
もし彼の手が、持っているスカートと下着を屋上のフェンスの向こうに放り投げれば
私は苦しい立場に立たされてしまうのは明白だった。

「ええ・・・っ、そうさせて、いただきますわ・・・」

意を決して気丈に振舞おうとしても、声は上ずり掠れてしまう。
フェンスに近寄らなければグラウンドから覗かれる心配のない校舎の屋上だけど
まだ明るい日の光が降り注ぎ、身体を照らしていると意識すると
遠くに立ち並ぶビルやマンションから沢山の視線が迫ってくるように感じられる。
オフィスから、ベランダから、今まさに恥部を曝け出そうとしている女教師に向けられた
卑猥な眼差しが・・・侮蔑の視線が・・・一斉に突き刺さってくるよう!

ぁあっ、まるで屋外のストリップじゃないっ・・・!

ここへ来るまでの間、緊張に耐え懸命に抱き続けていた勇気も
屋外で淫部を曝す恥辱的な行為の前には無力も同然だった。
教室でスカートを脱いだ時のように、全身に狂おしい羞恥の感情が渦巻いて
膝が震え、喉は枯れ、頭の中が熱くぼやけていく・・・。

「素敵ですよ、その表情・・・生徒達にも見せたいものです」

そうだった・・・彼は、私が苦しむ表情にさえ欲情する男だったの。
恥じれば恥じるだけ、私は憎むべき男を悦ばせてしまう!

彼の思惑に従う事を拒もうとするプライドが
その場に崩れ落ちそうになる弱さを叱咤して、踏み留まらせると
私は震える指で結び目を解いて、足元にジャケットを脱ぎ落とした。



「こっ・・・これで返して・・・もらえますよね??」

私は顔を上げると、彼を強く睨み返した。
そうでもしなければ、晴天の屋外で剥き出しの下半身を曝し続ける羞恥に
感情が爆発して、その場に泣き崩れてしまいそうだったの。

そんな私の心情を知っているのか、彼は平然と私に近づいてくる。
本能的に逃げ出したくなる気持ちを必死でこらえながら、
私は彼と向き合った。

「はい、とても魅力的なお姿です。
 その毅然とされた表情もいいものですね。
 いいでしょう・・・堪能させていただきましたから
 これはお返ししましょう」

冷静に・・・まるで商品を値踏みするかのように
下半身の隅々に視線を這わせていた彼が
足元に落ちたジャケットを拾い上げ、笑みを浮かべる。
こんな極限の状況だからこそ無意識に救いを求めてしまっていた私は
不覚にも、つられて安堵の表情を浮かべてしまった。

あんなにも卑劣に辱められた経験があるにも関わらず
まだ私は、この男の本質を理解していなかったの。
期待して手を伸ばす私の前に差し出されたのは、最低の結末だった!


「そ、そんなっ、これだけじゃ何もっ・・・何も変わりませんっ!」

それは何も変わらないどころか、より悪い状況に私を追い詰める。

ショックで足元に投げ捨てられたパンティーストッキングを拾い上げる事も出来ず
スカートとショーツに加え、ジャケットまでも手にしたの彼の前で
私は目に涙を浮かべて懇願した。

「返して下さいっ・・・!! お願いっ、これ以上私を虐めないでっ!」

掴み掛からんばかりににじり寄る私に平然とした態度で彼は応える。

「心外ですね。これは先生がお望みの事でしょう??
 ご自身の教え子に身に着けていた下着を提供なさったのをきっかけに
 発情して、教室で淫部を曝しながら自慰行為に耽られたのに
 満足されていないご様子でしたから、私が尽力して差し上げているのですよ」

彼を烈火のごとく非難する私の思考が凍りつく。

「おや? お気付きではなかったのですか??
 先ほど、タイミング良く私が教室に入って来られた訳を・・・」

「以前、授業中にも関わらず自慰行為に果ててしまわれそうになった事がありましたよね?
 そう、私が寸前でお救いした時の事です。あの後、一計を案じまして
 以前から検討されてました、保安強化の為に校内をくまなくモニターする案件を、
 私の権限で、試験的に先生の教室に設置させていただきました。
 生徒に不安を抱かせない為、校内放送用のスピーカー内にカメラがあるのですが
 性能は良くて、田辺先生の行いは全て鮮明に写っておりましたよ」

全て・・・オナニーだけじゃなく、一也くんとの密会まで見られていたの?!

激しい羞恥の念で立っていられないはずの私を支えていた
淡い期待強い怒りが、彼の言葉を聞いて身体から抜け落ち
私は崩れ落ちるように、その場にしゃがみ込んでしまった。

「ご納得されたようですね・・・では、私は失礼して別の場所に移動いたします。
 先生には、ご用意した刺激をまだまだ堪能していただきませんとね」

追いすがる気力を失った私を残して、彼は屋上を後にする。

羞恥心を煽る為の鬼ゴッコ・・・。

何もかも失っても、そんな恥辱から早く逃げ出したかったけれど
せっかく救えた一也くんの心を、もう一度突き落とすなんて
私には出来ない・・・逃げ出す資格なんてなかったの。

あの男に、この身を差し出して満足を与えられれば
少なくとも一也くんは、心穏やかに学校生活が送られる・・・・。




階段を一段一段、慎重に降りていく・・・。

耳の感覚を極限まで研ぎ澄まし、目で常に周囲を覗ってても
押し潰されそうな不安は癒されない。
自身の靴の音、吐く息までもが私に強い緊張を強いていたの。

たった一枚の服があるかないかで、こんなにも心がかき乱されるなんて!

ジャケットを腰に巻いて階段を登った時以上に歩みは止まってしまう。
屋上を出てから、2階と3階を繋ぐ階段の踊り場に辿りつくまで
どれだけ時間が経ったのだろう・・・果てしなく長い時間が過ぎたように感じる。

教室まで、あと少し・・・お願いっ、誰とも会わないでっ!
心の中で祈りながら、もう一歩、階段を降りる。



一也くんの事を思い、挫けそうな気持ちを奮い立たせ
屋上の扉を開けて下の階へと続く階段を見下ろしていた時
また、あの男の声で校内放送が私に行き先を指示した。

屋上に取り残された私の手元には、身に着けているブラウスブラジャー
そして、ジャケットを奪われた代わりに与えられた
パンティーストッキングしかない。
ブラウスをスカート代わりに腰に巻く手段も
春物の薄く透けた生地では視線を遮る効果はあまり望めなかった。
なによりも、胸の谷間を大きく曝したブラジャーだけの姿で
校内を歩く方がより勇気が必要だったし、もし生徒と出会ってしまっても
下半身だけなら、
上手く物陰に隠せるかも知れない・・・。

だけど、いざ階段を降りて行こうとしても足がすくんで動かない。
ほんの一時間前まで大勢の生徒が行き来し、その余韻が漂う場所に
あまりにも不似合いで淫らな自身の姿が、羞恥を絶えず与え続けてしまう。

噴き出した緊張の汗に濡れて、
ブラジャーのラインまでもくっきりと透けたブラウス。
剥き出しの太股に貼り付いて、怪しい光沢を放つパンティーストッキング。
差し出した手のひらが辛うじて覆い隠す、淫部とお尻の割れ目・・・。
廊下に差し込む日の光に照らされて、
その光景は全裸と紙一重の猥褻さをたたえていたの!

なんて、イヤらしい姿なの・・・っ!
もしも生徒と出会ったら、どんな言い訳をすればいいの!?

そんな挫けそうな気持ちが湧き起こる度、強く頭を振って勇気を奮い立たせる。
下の階から時折聞こえる話し声に、何度も立ち止まって身をすくめながら
階段を、廊下を一歩ずつ進んで・・・私は自分の教室の前に辿り着いていた。



緊張と羞恥の中、ようやく辿り着いた場所だけど、躊躇いで扉を開けられない。
あの男が新しい罠を用意して待ち構えてるかと思うと、心穏やかにはいられなかった。

私は廊下の壁に身体を摺り寄せながら
扉の持ち手に指をかけ、少し開いた隙間から教室の中を覗った・・・。

「・・・えっ!? 宇佐美くんっ??」

思わず声を上げてしまったのは、今日何度目かの致命的な失敗だったに違いない。
教卓の近くに立つ生徒の姿は一瞬強張ると、声のした方へと視線を送るっ。

「の・・・紀子、先生っ!?」

扉の隙間を通して、驚きの表情で向き合う二人。
お互いの視線が交錯した後
先に背中を向けてしまった彼の手に握られているものを見つけて
私の驚きは倍増する!

「そんなっ・・・宇佐美くんまで・・・!」
「先生っ・・・あのっ、これはっ・・・!!」

苦悶に満ちた彼の声が伝わってくる。

これは偶然なの?! それとも、あの男の罠なのっ?
・・・分からない。でも、一つだけ分かるのは、彼は決して加害者ではないわ。
偶然にしろ、導かれたにしろ、被害者なのよ!
女性の下着を出来心で手に取ってしまった、哀れな被害者・・・。


「分かってる・・・分かってるわ、宇佐美くんっ。
 だから、落ち着いて・・・落ち着いて先生の話を聞いて」

背中越しからでも、狼狽した彼の感情がうかがえる。
そんな彼を落ち着かせようと、出来るだけ優しく私は語りかけた。

「まず、深呼吸して・・・そして目を閉じるの・・・いい??
 先生を見なければ動揺もしないでしょう?
 目を閉じて・・・窓の方を向いてて・・・そう、そのままよ」

彼が指示に従うのを見届けてから、私は扉をゆっくりと開けた。
そして出来るだけ足音を立てないように、そろそろと教卓へと進む。
教卓に身体を貼り付かせるように立って、窓際近くで背を向けた彼に声を掛ける。

「いい・・・わ。目を開けても・・・。
 そして手に持ったものを、側の机の上に置いて。
 そう・・・そして、窓を向いたまま先生の話を聞いてちょうだい」

彼の肩が大きく揺れる。
溜まった緊張を吐き出しているようだった。

「少し落ち着いた?? 実は・・・先生もよ。
 ごめんなさい、突然、あんな声出しちゃって・・・」
「い、いえ・・・僕こそ、こんな・・・破廉恥な事・・・」

最前列の机の上に、彼を破廉恥な行為に走らせた原因が置かれている。
緊張の余り強く握り締めてしまったのだろう
買ったばかりの小さな白い布は皺くちゃになってしまっていた。

「ううん、全て先生が悪いの・・・こんな所に下着を置いておくなんて
 放課後だから、もう誰も校舎に残っていないと思ってたから・・・」

言葉を区切りながら、もっともらしい言い訳を頭に浮かべる。

「あの・・・ね、これは替えの下着なの。
 ちょっとしたアクシデントがあって、教室で履き替えようとしたんだけど
 急に別の用件が入ってしまったのよ。
 こんな時間に誰かが教室に入ってくるなんて思わなかったから
 そのままにしてしまって・・・。
 ごめんなさい、宇佐美くんに迷惑かけてしまって・・・」

稚拙な説明だったけれど、今の私にはこれが精一杯だったの。
でも、彼は素直に私の言葉を信じてくれたのか小さくうなずいてくれる。

「ありがとう・・・下着も、返してくれて」

見つかるまでの間、彼が下着をどのように扱っていたのか私は問わない事にした。
自分自身、彼に嘘をついている以上、追求するなんて出来なかった。
一番気になっていた事なのだろう、許しを与えられて彼の背中に安堵の感情がうかがえる。
そんな彼を見て、私も気持ちが少し楽になった。


あとは、陸上部の部活中にグラウンドで見た時の事を確認して
今日の出来事を内緒にするよう言い含めた上で帰してあげるだけだわ。

そう思いながら彼の後姿を見つめてると、ふと、時間が遡ったように感じる。
あの時、一也くんが私を求めていたら・・・未来はどうなっていたんだろう??
窓辺でオナニーに耽る事もなく
あの男に下着を奪われる事さえ起きなかったかもしれない・・・。

「宇佐美・・・くん」

もし、今日をやり直せるのなら・・・私、一也くんを誘惑するのかしら?
こんな辱めから逃れる為なら、生徒達が真面目に勉学に勤しむこの場所で
教え子とセックスに耽っても構わないのかしら・・・。

「宇佐美くんは・・・どうしてここに来たの?? 部活中に先生を見て?
 その時、何が見えたの??・・・お願い、それだけは正直に話して。
 先生、何を言われても怒ったりはしないから」

彼から真実を引き出すには、優しく語りかける必要があった。
でも、私自身気付いていたの。
その声の艶っぽさ・・・不必要に漂う色香に・・・。

「例え、耳障りな内容だったとしても構わない。
 もし、もしもよ・・・先生を辱めるような・・・そう、エッチな
 エッチな光景に見えたとしても、正直に見たままを話して欲しいの」

彼が言い辛いのは、どちらのせいなのだろう?
内容のせいなの、それとも妖艶さをたたえた私の声のせいなの??

「宇佐美くん・・・ねぇ、話して・・・先生に全部、聞かせて」

見えた事実を確認する方が大切なはずなのに
私は彼が口篭もっている理由が知りたくてたまらなくなっていたの。
無意識の内に、教卓の影から半身を乗り出している・・・。
振り返られたら言い訳の出来ない姿を曝してしまってる・・・っ。

「あの・・・僕はただ、グラウンドで・・・」

でも、その問いに彼は答えてくれなかったの。
後の言葉が届く前に、突然湧き起こった扉を叩く音に教室の静寂が破られる!



心臓が止まりそうなくらい驚いたのは、宇佐美くんも同じだった。
教室の後ろの扉から聞こえてくるノックの音に、私との約束も忘れて振り返る。

「あ、あのっ・・・どちらですか??」

教卓に身を隠しながら声をかけても応答がない。

「宇佐美くんっ・・・あのっ、こっちに来て!」

私は咄嗟に声をかけ、彼を振り向かせると手招きした。
貼り付くように立っている教卓の内側を指差して、入るよう促す。
事態が掴めないでオロオロと戸惑っていた彼だったけれど
私の真剣な表情に説得されて、教壇に上がり教卓の内側に入り込んだ。
一組の中でも背の高い彼の身体は、膝を抱えるように身を屈める事で
なんとか中に収まる事が出来る。

「宇佐美くんっ、お願いっ・・・しばらく目を閉じててっ!」

願いをこめて彼に語りかけた私は、そう言い放つとすぐに教壇の上に登り
宇佐美くんの潜む教卓の内側に、まるで蓋をするかのように立ちはだかった。
約束を信じて、私はストッキングだけを身に着けた下半身を
目を閉じているはずの彼の前に曝す!


そう・・・もし扉の向こうにいる人物が、あの男だったら
宇佐美くんも巻き込んだ行為に及ぶに違いないわ。

そんな事は、例えこの格好を知られてしまったとしても防がなくちゃいけない!
彼の存在を隠し通せれば、あの男は用意した次のステージに私を導くかもしれない。
ブラウスやブラジャーを引き換えにしてでも、私はこの子を守りたかったの。

「だ、誰ですかっ?? 扉の鍵は・・・きっと開いてますからっ」

でももし、あの男じゃなくて誰か他の先生や生徒だったとしたら・・・。

隠れる必要があるのは私の方だった。
だけど、教卓には二人は入れない・・・教室内で他に隠れられる場所もない。
だったら、せめて剥き出しの下半身だけ・・・
それだけを教卓に隠して乗り切るしか、私には逃げ道がない。

「・・・し・・・失礼、します」

扉がそろそろと開かれていく・・・。
私の剣幕に萎縮したのか、おどおどした様子で一人の生徒が入ってきた。



「えと・・・田辺先生、ごめんなさい。僕達、友達を探してて・・・」

そして最初の生徒の後ろからもう一人、廊下から顔をのぞかせる。
二人の顔には見覚えがある。
一組・・・そう、私の足元で身を屈めている宇佐美くんと同じクラスの子達
宮路くんと新谷くんが、恐る恐る教室に入ってきたの。

「同じクラスの友達と一緒に帰るつもりだったんですけれど・・・」

幸いな事に、二人は教卓には近づいては来なかった。
教室の後ろ、机がないスペースに立ってこちらを見ている。

「友達って・・・陸上部の宇佐美くんの事かしら??」

出来るだけ平静に、緊張している素振りを見せないよう
私は静かに彼らに問いかける。

「は、はい。下駄箱で僕らに先生の事が心配だと話してて
 先生を呼び出す校内放送が流れたら、急に先に帰れと言い出して
 勝手に一人で校舎に戻ってしまったんです・・・」

新谷くんの説明に、私は思わず視線を教卓の上に落としてしまう。

やっぱり宇佐美くんは、窓際で倒れ込んだ私の姿を見ていたんだわ。
はしたない行為に気付いていたかどうかは分からないけれど
気になって心配して、
あの男が鍵を開けてショーツを置いた教室に来ていたのね。

自然に振舞うかのように教卓からそっと顔を上げて、新谷くんに向き直る。

「そう・・・残念ね。彼なら、さっきまで教室にいたのよ。
 先生の事心配してくれてたみたいだけど、大丈夫だと分かって帰ったわ。
 少し経っているから・・・きっと、もう下校しているわね」

何も知らない生徒の前でスラスラと嘘がつける自分に良心が痛むのを感じながらも
私は彼らに笑顔を振り撒いていた。
怒られたのだと思って恐縮していた二人の表情も明るくなる。

「だから・・・君達も帰りなさい。もう下校時間は過ぎているんだから」

今出来る精一杯の笑顔を浮かべて二人を促す。
でもそれが、今日何度目かの失敗だと気付いた時には遅かったの・・・。


「あ、あのっ、田辺先生は・・・運動部の顧問にはならないんですか??」

それまで静かだった宮路くんが、急に私に問い掛けてきたの。

「僕、卓球部なんですけど・・・先生が顧問してくれたら、みんな喜ぶかなって」

おとなしい子が緊張する時に見せる、身体をモジモジと揺らす仕草で話しかける。
仕事を理由にして、語気を強く帰宅を促せば従ってくれるかも知れなかったけれど
私は笑顔を崩さないで、優しく彼に応対する。

「ごめんなさい、卓球は・・・経験がないから、顧問は難しいと思うわ」
「じゃあ、僕のっ・・・僕の水泳部はどうですか??
 先生のクラスの子に、一度先生が水泳の指導をしたって聞いた事があるんですっ」

断わられうなだれる宮路くんに替わって、新谷くんが勢いよく話しかけてくる。
机の上に手を乗せて、身を乗り出して私を見つめた。

「先生の泳ぎ、とても上手でフォームも綺麗だと言ってました。
 確か、水泳部のご経験もあるんですよね??
 だったら、簡単ですよ!
 指導といってもプールサイドで部員の練習を見てるだけですら。
 それに紀子先生が見ててくれてたら、みんな勝手に頑張っちゃいますよ!」

まるで顧問就任決まったかのように、喜びを満面に浮かべながら力説する。
でも、そんな彼を見ても、逆に私の心は深く落ちこんでいってしまったの。

彼は知らないんだわ・・・その指導が、いかに卑猥な光景だったのか。
誠くんの計略に乗せられて身に着けた競泳用水着が
身体のラインを・・・女性を主張する個所をくっきりと浮かび上がらせて
はしたなく生徒達の視線に曝され続けていたなんて・・・っ。


「あ、いえっ、別にっ・・・先生の水着を見たいだなんてっ、絶対に
 絶対にそんなイヤらしい動機じゃなくって・・・」

それまで勧誘に積極的だった新谷くんの口調が急にトーンダウンする。
彼の言葉に、あの日の情景を思い浮かべてしまって頬を赤らめたのを
私が水着を着せられる事を恥らっていると勘違いしているようだった。

「・・・違うの??・・・イヤらしい目で見たりしないの?」
「も、もちろんですっ・・・先生は綺麗だけど・・・僕は、そんな気持ちっ」
「本当なの?・・・誓って言える??」


秘めた本音がチラリと見えて、私は彼の言葉を信じてあげられなくなるっ。
さらに、今はあの時よりも淫らな格好で生徒と向き合っている。
例え彼らに分からなくても、この格好を自覚してる以上、羞恥心は消えない!

「やっぱり・・・恥ずかしいですか??
 僕達の前で水着になるの・・・恥ずかしくて嫌ですか?」

新谷くんが上目使いに私を見つめてる・・・。
熱い眼差し・・・言葉では否定していても、きっと心では求めてる。
女教師の熟れた肢体の水着の上に浮かぶ淫らな凹凸を
この目に焼き付けたいって願ってる・・・。
飢えた目つきでオスの本能を剥き出しにして
水着の女教師を辱めたいと心の奥底で願っているんだわ!


「そうよ・・・恥ずかしいわっ、
 あんな格好で男の子達の前に立つなんて
 みんな見つめるのよ・・・先生の、胸やお尻
 ・・・水着が食い込んだ股間を見られてしまうのっ、
 思春期の男の子の視線を浴びてしまうの!
 恥ずかしくないはずなんてないでしょ!」

「薄い布地で隔てられてるけど、
 その下は何も身に着けてない・・・裸なのよ!
 まるで、服の下にブラもショーツも履かないでいるかのよう・・・。
 大切な部分が透けて見えてしまうわ
 ・・・イヤらしい先生の女である場所っ。
 そんな恥ずかしいっ・・・イヤらしい格好なんかさせないでっ!
 教師なのに・・・こんな辱め・・・イヤよっ、イヤなのっ!!」

教卓から身を乗り出すように激しく拒絶する私に
二人はたじろぐと顔面を蒼白にして謝罪する。

「すっ、すみませんでしたっ!
 僕っ、調子に乗って先生を怒らせてっ。
 本当に・・・本当にっ、ごめんなさいっ!!」

そして、脱兎のごとく駆け出して
扉の前で私に向かって何度も頭を下げると、教室を出ていってしまったの。



「・・・・田辺先生??」

静まり返った教室の教卓の下から声が聞こえてくる。

「先生・・・あのっ、僕の友達が無礼な事を・・・」
「いいの、謝らなければならないのは先生の方よ・・・脅かして、ごめんなさい」

私は心から謝罪の言葉を口にした。
でも、冷静に振舞おうと努力をしても、こみ上げた熱い感情は収まってくれない・・・。
あの日の水着姿と今の自分の姿が頭の中でオーバーラップして
心臓の鼓動が早くなる・・・っ。

「でも・・・水着を着て、とても恥ずかしい気持ちになるのは本当よ。
 お風呂に入る時とは違うの、男の子の目があるの・・・先生を見つめる目が。
 それを感じずにプールサイドに立つなんて出来ないわ。
 意識してしまうの・・・とても強く・・・熱い眼差しを。
 そうしたら胸が苦しくなって頭の中が熱くなっちゃうの・・・っ!」

ここまで彼に説明する必要なんてないのに
私は狂おしい羞恥の感情を彼に理解して欲しくてたまらなくなっていた。
あの日感じた感情を包み隠さず言い終えると、今度は今抱えている感情を伝えたくなる!
目を閉じる約束を守っているはずの彼に、言葉で淫らな感情を吐露してしまうっ。

「そう・・・今も感じてる・・・熱くて激しい感情・・・っ。
 宇佐美くんが、約束を守ってくれていても感じてしまうの。
 見られているかも知れないって感じるだけで、こんなにっ・・・恥ずかしくてっ
 先生っ・・・おかしくなりそうよ!!」


両手で教卓の隅を掴んで、まるで抱擁するかのように身体を強く教卓に押し付ける!
両足を広げ腰を前に突き出すと
教卓の中に押し込まれてる彼の身体のどこかと私の膝が触れたのっ。

「・・・ごっ、ごめんなさいっ!」

教卓の中で彼が激しく動揺する。

「どうして? どうしてそんなに謝るの??
 膝が触れただけなのよ・・・よくある事だわ、謝る必要なんてないわ」

彼からの返事がない・・・。

「約束を守ってくれてるのなら・・・目を閉じてるのなら、それは事故なの。
 暗闇で何かに触れたって、分からなければ許されるわ」

返事を求めるかのように、私は腰を揺らし始める・・・。
ストリップダンサーのように・・・イヤらしく、前後に・・・左右に・・・。
もし想像が正しければ、彼は返事をくれるはずだった
言葉ではない別の返事を・・・そして、それを・・・私は望んでしまってる!

「そうよ、事故だもの・・・事故なんだから
 例えそこが膝でも・・・太股でも・・・お尻でもっ、大切な場所でもっ。
 事故だから許してあげられるのっ、ねぇ、宇佐美くん分かるでしょう!?」

それが何かは分からない、ただ少しゴツゴツした感触が突然太股に押し当てられたの!

「ぁ・・・っ! なに?! 何が当たってるのっ??」

返事の代わりに、ゴツゴツした感触が急に柔らかくなって太股を覆った。

「宇佐美くんっ・・・ぁぁ、恥ずかしいっ・・・!
 でも事故だから、先生、我慢できるっ・・・はしたない事されても、感じてしまってもっ
 事故なんだもんっ・・・! 構わないわよねっ!?」


ストッキングに包まれた太股の上を滑る優しい感触に
甘い刺激が背筋を駆け上がって行くのを、身悶えしながら感じながら
私はこの淫らな戯れを身勝手に正当化して、のめり込んでしまう!

「ぁあ・・・っ、這いまわってる・・・宇佐美くんの手が這いまわってるっ。
 分からないの?? そこがどこなのか分からない?
 だったら、もっとっ・・・もっと触って確かめてっ!
 そこが先生の身体のどの部分なのか・・・じっくり確かめていいのよ!」

暖かな感触が太股の外側を回りこんで、お尻へと辿り着く。
そして私の言葉通りに、数本に枝分かれしたそれぞれの触覚が
弾力肉感を確かめるように、お尻を弄り始める・・・!

「大きいでしょう・・・?? イヤらしい形してるでしょう?
 二つに割れてるの・・・そうよっ、そこが割れ目なのっ
 そこから・・・ぁぁぁっ、下へ・・・下へ行くと、小さな穴があって
 先生、そこから・・・ぁあっ、恥ずかしくて言えないわ!」

私の口から答えを引き出そうかとするように
割れ目に滑り込んだ細い棒のような感触が容赦なくお尻の穴をクリクリと弄るっ!

「そんなっ、そんなイタズラしないでっ!
 本当に言えないのっ、先生、言っちゃったら・・・教師として耐えられない!
 生徒にこんなっ・・・こんな事させてる自分が許せなくなるっ!
 だからっ・・・だからっ、宇佐美くん、聞いちゃダメっ!!」

「そんなのっ・・・そんなの紀子先生の勝手じゃないか!!
 僕はっ・・・僕は、前から真剣に、先生のこと・・・っ!」


突然、声が湧き起こったかと思うと
教卓の中に引きずり込まれそうになって私はよろめいた。

股間に何かが強く押し当てられているっ!?

私は教卓を押し退けるように、両手を前に突っ張り
よろめく身体を両足で踏ん張ると、黒板に背中を押しつける。
足元には、お尻に手を回して股間に顔を埋めた宇佐美くんが
膝をついた格好で教卓から引きずり出されていた。

「宇佐美くんっ、宇佐美くんッ!! そんな無理は言わないでっ!
 ダメなのっ・・・先生は教師だからっ
 宇佐美くんと向き合って愛し合う事は出来ないの!」

「どうしてっ?! こんなエッチな事まで許してくれるのにっ
 どうしてダメなのっ?? 僕が生徒だからいけないの?!」

再び私の股間に顔を埋めようとする彼から飛び退いて、私は言葉を続ける。

「ごめんなさいっ・・・先生がいけないのに、先生が誘惑したのにっ。
 でも、宇佐美くんは知らないから・・・お互いが愛し合っていなければ
 こんな事しても心は満たされないって、きっとまだ知らないから・・・」

「だったら、教えてよ・・・!! 大人の愛し合い方・・・。
 僕、先生に愛されるように努力するからっ、頑張るからっ
 だからっ、先生が知ってる心が満たされる愛し方・・・僕に教えてみてよ!」

「中学生の君には、まだ荷が重いと思いますよ・・・」




「くっ、国崎さんっ・・・!!」

声のする方へ振り返った先にたたずむ姿を見て
私は驚き恐れを込めた声で、その男の名前を呼んでいたの。

「お待たせしました、田辺先生・・・あ、失礼、お待たせし過ぎたようですね」

彼は教室の前の扉を閉めて内側から鍵をかけると、ゆっくりと近づきながら
まだ、ひざまずいたままでいる宇佐美くんに視線を送る。

「生徒を誘惑されるなんて、よほど待ち切れなかったのですか??」
「く、国崎さんっ・・・彼は、無関係なんですっ。
 偶然ここにいてっ、私を見て・・・っ、仕方なかったんです!」

宇佐美くんを巻き込みたくない私は、すがるように言い訳する。

「だからっ・・・ここでは・・・お願いです、どこか別の場所で・・・っ」

教壇に上がった彼の手が私の身体を力強く抱き寄せる!
よろめいて服にしがみ付いた私の耳元で彼が囁いた。

「それでいいんですか? 彼には、私が嫌がる先生を
 無理矢理、抱き締めているように見えているみたいですよ」

首を巡らせて見た宇佐美くんの表情は
戸惑いの中にも、明らかに疑惑と怒りの感情が込められていた。
表情だけでは収まらず、拳まで固く握り締めている・・・。

「逢引きを咎められるのならまだしも、犯罪者扱いされるのは心外ですからね。
 田辺先生からも彼に説明してあげて下さい。
 私を喜ばそうと、こんな淫らな格好で私を待っていた・・・とね」


「・・・あっ!? 国崎さんっ・・・ダメ・・・っ!」

彼の左手がブラウスの上から私の胸を弄った!
腰を抱き抱えられて身動き出来ない私は抗えない。
胸を愛撫されながら宇佐美くんを見ると、今にも怒りが爆発しそうに見える。
私は、まるで恋人に甘えるかのように彼の服の上に顔を埋めて
偽りの言葉を紡ぐしかなかったの・・・。

「う、宇佐美くんっ・・・先生・・・は、国崎さんの為にこんな格好をしたの。
 スカートもショーツも脱いで・・・淫らな格好をして彼を喜ばせたかったの。
 そうでなければ教室でこんな格好、恥ずかしくて出来ない・・・っ。
 先生は・・・先生は、国崎さんに・・・愛されたくてっ
 満たされたくてっ、イヤらしい姿で彼を待っていたのっ!!」

だから、宇佐美くんっ・・・ここから早く出ていって!
先生は君を巻き込みたくないのっ!!

最後の叫びは、私の心の中にだけ響く。
もし宇佐美くんが、この男に脅されてるのだと感じたなら
今の彼だったら、掴み掛かってでも私を救おうとしてくれるかもしれない。
でも、それは私を救う事にはならないの!

この男からは救われるかもしれない・・・こんな辱め二度と経験しなくて済むかもしれない。
だけど、同時に君は知ってしまうわ。
私が、そんなにまでして救うに値しない女だって事に・・・っ。

あれほど、教師と生徒の間のモラルを説いた私が
教え子と・・・それも何人とも一線を越えていたって知って傷付くわ。
傷付いて、そして・・・一也くんのように落ちこんでしまう?
それとも怒りで、誠くんのように私を辱めようとする??
私のせいで傷付いたのなら、どちらだって受け止めてあげる。
でも・・・勉強に遊びに部活に、楽しいはずの中学校生活を壊して
たった一人の女教師に縛られてしまう姿は、凄く悲しい・・・っ。

だからっ・・・他の男に愛される先生を見て、諦めて欲しい!
君が・・・素直な君が恋する女性は、先生みたいな女じゃいけないわ!!



「ぁあっ・・・はぁン! 国崎さんっ・・・もっと、もっと強く!
 紀子をっ・・・あなたの紀子を愛してっ!
 イヤらしい女にしてっ!!」

男の胸に顔を埋めながら、私は声を枯らして懇願した。
目をつぶり、誰とも視線を合わせなければ恥辱も薄らいでくれる。

例え、相手が嫌悪する男でも、好意を抱く生徒に見つめられてても
視界を閉じて、愛する人に愛されていると強く思えば・・・我慢できる!
そう、望み通りの淫らな女になれる!


「先生は、どこを、どう愛して欲しいのですか?」
「感じる所・・・っ、イヤらしくっ」

お尻に降りた手が割れ目を押し開くように潜り込んで
ストッキングを突き破りそうな強さで、指がお尻の穴を辱めるっ!

「そこっ・・・ぁあっ、お尻なのに感じるの!
 ゾクゾクしてたまらないっ!」
「胸はいいのですか?? 胸も感じやすかったですよね」

ブラウスの中にまで入り込んでいた彼の手が、ブラジャーをたくし上げ
胸の頂きの小さな蕾を指で押し潰した!

「はぅン! そうよっ、おっぱい・・・
 おっぱいも感じてしまうっ!
 乳首が固くなってっ・・・敏感になってっ・・・
 ぁあっ! 痺れちゃうぅ!」
「そんなに悦んでもらえるのなら・・・
 ここにもサービスして差し上げますね」

乳首を弄んでいた指先が
素肌の上に文字を描くようにさ迷いながら股間へと降りていく!
とうとうアソコが・・・露出の羞恥と生徒との淫らな戯れに
はしたなく濡れている女性器が
辱められるっ・・・弄られてしまうっ!
不安と期待・・・嫌悪と切望・・・相反する感情が渦を巻いて身体を流れる中
私は息を殺して、その時を待ったの・・・待ち続けたのっ。

「国崎・・・さんっ、どうしてっ?! どうして焦らすのっ??
 紀子はっ・・・紀子はもう! こんなにっ、こんなに発情してるのにっ!!
 お願いっ・・・弄って! 紀子のオマ○コっ、指で弄ってぇ!!」



焦らされて・・・懇願するまで焦らされて、私は目を見開いた。
彼の目を強く見つめて、演技ではない心の真実を伝える!

にこやかな笑顔がそこにあったの・・・でも、その瞳は冷たく私を見下ろしていた。

「そっ、そんなっ・・・!!
 イヤっ、イヤっ! 国崎さんっ! そんなの私っ、出来ないっ!!」

向き合って抱き締められていた私の身体が、彼の手で反転させられる。
背後から自由を奪われた私は、すぐ目の前の教卓に身体を押し付けられた!

そう・・・女教師の演技を越えた淫らな痴態に釘付けになって
ずっと教卓の前でしゃがみ込んでいた宇佐美くんをその中に押し込めるように
私は教卓と抱擁させれられてしまったの!



「あぁっ! お願いっ・・・こんなのっ、こんなのっ! ダメぇぇ!!
 彼がっ・・・宇佐美くんが見てる! 目の前で見てるのにっ!!」

ほんの少し前の同じ状景とは違う!
私は背後から抱きすくめられたお尻に
指よりも固くて太いものが押し当てられるのを感じて激しく恐怖した!

「イヤっ!・・・ダメぇ!! 入れないでっ!
 ここじゃイヤっ! こんなの彼に見せないでぇ!!」

腰からパンティーストッキングが脱ぎ下ろされていくのを感じて
懇願の相手は宇佐美くんへと変わる・・・!

「ダメっ・・・もうダメ! 先生・・・犯されちゃうっ!!
 ペニスがっ・・・ペニスの先が、先生のオマ○コにぃ・・・っ!
 見ないでっ・・・宇佐美くんっ、こんな先生見ないでちょうだい!!」

「ああっ! ああぁっ!! 太い・・・っ! ダメっ、入らないわ!!
 そんなのっ、中にっ・・・ぁぁああっ、でも、どうしてっ!?
 どうして入ってこれるのっ!? 膣の中にっ、潜り込んでくるぅっ!」

熱した火箸で抉られるような痛みと同時に
息が出来なくなるくらいの圧迫感が私を襲った!


「はっ・・・っっ! くぅぅ・・・っっ・・・はうぅぅっ!!」

ペニスに串刺されて、こみ上げてくる喘ぎに息が詰まりそうになる。
でも、それはまだ始まったばかりだった。
一旦引き抜かれたペニスが、反動を付けて再び押し込まれるのを感じて
私は仰け反るように教卓の上で身悶えた!

「はぅン! はっ、はひっ! はンっ、はぁぁンっ、ぁぁあああっ!!」

数度のストロークを繰り返して、極太のペニスが根元まで膣の中に収まる!
膣の奥、子宮にまでペニスの先が届いているように感じるっ。
中に満たされていた愛液が噴き出すように太股を濡らしている!

こんなセックス・・・っっ!!
ぁあっ! 生徒の目の前でっ・・・私っ、狂ってしまいそう!!


「どうですか?? これが大人の愛し方なんですよ。
 二人の性器が隙間なく密着して、繋がっているのが見えるでしょう?」

白いもやがかかった頭の中に、流暢に語る声が響いてくる。

「先生も私も、今とても満ち足りています・・・。
 そしてこれから二人は、男は射精、女性は絶頂の悦びを目指します」

「セックスは、男が女性を支配するのではなくて、どちらも支配される行為なんです。
 私のペニスは彼女を支配していますが、同時に
 田辺先生のヴァギナはペニスを包み込み、激しく締め付けて支配してるのです。
 セックスは、決して男の一方的な暴力ではないんですよ」

声が消え、代わりに激しい官能の嵐が襲いかかってきた!


「はっ・・・んン! やだっ・・・はぁン、ぁぁぁ、ひゃうぅぅ!」

ゆっくりとしたストロークで膣をえぐられ、掻き回されて
教卓の上に頭を押し付けながら、私は身悶え続けるっ!。
深く突かれる度、背中を駆け上ってくる熱い官能に
はしたなく口を開け唾液の滴を教卓の上に撒き散らしてしまう!

「ひっ・・・はぁぁン! はぁ、はぁっ、はぅぅン!!」

頭の片隅に、宇佐美くんの姿が思い浮かぶ。
困惑をして、でも瞳を情欲でたぎらせて私を見つめる彼・・・っ。
彼には、この喘ぎはどんな風に聞こえてるのかしら??
女性器が男性器を咥え込むさまを間近で見て、どう感じてるのかしら?
犯されてる・・・と? それとも、愛されてる・・・と??

そう・・・ね、先生にも分からないわ・・・。
辛いのに・・・苦しいと感じるのに、別の感情も感じるの。
満たされてる・・・奥までペニスを捩じ込まれた時、すごく満たされたと感じるの。
そして・・・ペニスが引き抜かれそうになると
急に寂しくなる、もう一度満たされたいと願ってしまう。

変よね・・・犯されてるのに・・・先生・・・こんなに身体が満たされてしまってる。
君に言った、心が満たされる愛され方なんて・・・本当はこんな姿なのかも知れない。
辱められて、欲情して、犯されれば満たされてしまう、恥知らずで安っぽい行為・・・。

ぁあっ・・・安っぽくても恥知らずでも構わない!
このまま果ててしまいたいっ・・・君の前なのに激しくイッてしまいたい!
もう愛なんて語らないわ・・・今は・・・今は肉欲に溺れたいの!!
こんな先生、許してくれる??・・・許してくれるわよね?




「ぁっ・・・ぁああっ! いいっ!! たまらない・・・っ!
 はンっ・・・はぅン!
 奥までっ・・・奥まで届いてて、たまらないのォ!!」

圧倒的な圧迫感っ! 激しく貫かれる感覚っ!!
痛みも痺れも、どれも私を官能で満たしてくれる・・・っ!
ペニスの根元まで貫かれて、
私は最初の絶頂を味わってしまっていた。

「イクぅ・・・っ!
 はぁぁっ、イッてしまうぅぅ・・・!
 !?・・・ダメぇぇ、あぁっ、そんなっ、
 またっ、また来ちゃうっ!
 紀子っ、またっ・・・あぁっ、イッちゃうぅぅ!!」

二度目の絶頂感に、私は教卓の上に突っ伏して全身を震わせる!
でも、まだっ・・・まだ本当には満たされてないっ!!
こんなに欲しいのに、まだっ・・・彼は与えてくれないっ!

「ぁぁ、欲しいっ・・・欲しいわっ!
 射精して欲しいっ!!
 今度イク時、必ず欲しいっ!
 お願いっ・・・中にっ、中にたくさんちょうだいっ!!
 紀子のオマ○コを・・・精液で・・・
 精液でいっぱいに満たしてぇぇ!」

串刺されたまま、自分からも腰を振って射精を求めるっ!
白濁した精液が膣に満たされるイメージが
頭の中いっぱいに広がる!
満たされる悦び・・・射精を受け止める悦びを
感じたくて私は願い続けたの!!

「宇佐美くんっ・・・宇佐美くんも見ててっ!!
 先生のオマ○コに精液が満たされる瞬間を!
 射精を受け止める女の悦びを、その目に焼きつかせて!」

「ぁぁあっ・・・分かるっ! もうすぐ来るって分かるの!
 オマ○コの中でオチ○チンがビクビク震えてる・・・っ!
 射精が近いのっ・・・ぁあン、もうすぐよっ!!
 もうすぐ、先生っ、満たされるっ! 愛されるのっっ!」

腰をガッチリと抱え込んでいるのとは違う手が私の太股を掴んで
教卓の中へと引きずり込もうとしてる!!

「そうよっ、見て! 食い入るように見てっっ!
 セックスの最後の儀式っ、愛し合った二人が一緒に果てる瞬間よ!」

待ち焦がれていた瞬間が来て、目の前が真っ白になるっ・・・!

「そう! そう、奥までっ・・・奥まで突いて、子宮にかけてっ!!
 紀子の子宮にっ、精液いっぱい・・・お願いっ! 欲しいぃっ!!」


身体の一番奥に精液が注がれる感覚が分かるっ・・・感じられるっ!
二度三度と噴き出した精液が、まるで頭の中にまで注ぎ込まれているよう!
身体中が支配され、満たされていく快楽が止まらない・・・っっ・・・っ。











きっとこのまま気を失ってしまうんだわ。
分かるの・・・もう身体の感覚がないんだもの。

ぁあ、でも・・・一つだけ・・・一つだけ感じられる事がある。
熱い滴・・・私の顔に・・・こんなにたくさんっ!
誰のなの?? 宇佐美くん?・・・新谷くん? それとも宮路くんなの??

・・・・分からない、分からないけれど構わない。
だって、こんなに・・・こんなに嬉しいんだものっ。

お礼に舐めてあげるわね・・・美味しいわ・・・。

みんな・・・みんな大好きよ、先生、みんなのオチ○チン・・・愛してあげたい。

だけど、今は・・・この幸せを感じていたいから・・・静かに寝かせて。

すぐに・・・また・・・愛してあげられる・・・あげられるから・・・・・。




<第二十六章:官能の連鎖(後編)・終>




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<第二十六章「あとがき」を読む>


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