ロサンゼルスだ、ボナペンチャーだ!


バーストゥーを出発したバス旅御一行様は、なおも国道 15号線をロス方面に向かって走行していた。みやーんは相変わらず助手席で写真を撮りまくり、シバノ氏は後ろの席の新婚さんと競馬の話で盛り上がっていた。やっすんはというと、こっそり飲んだトラベルミンのおかげで、ようやくトリップすることが出来たようだった。

「さあ、早くロスに着いて、ドジャースタジアムに行きましょう!」と、シバノ氏。えっ、そんなサービスが !? パンフレットには、ロスに到着してからの観光については、全く書かれてなかったのに。でも、うれしいぜー!ラッキー!と素直に喜ぶみやーん。「ああ、ついにロサンゼルスに到着かあ・・・やっと、あの日の借りを返す日が来たのだ!」ふいにみやーんが呟いた独り言・・・借りとは一体 !?あの日に一体、何が !? 機動戦隊みやーん、次回は「発見!伝説の剣」です。お楽しみに!

・・・違う!それは違う!とりあえず、番組が違う!こんな無駄なテキストで、何バイト無駄にすれば気が済むのだ、全く!さあ、気を取り直して、本編の続きです。・・・実はみやーん、94年の2月に、ロスに来るチャンスを棒に振っていたのだ。その理由は、”雪”。みなさんは覚えているだろうか、94年の東京の豪雪で、成田に25cmも雪が積もったことを。そう、その2月13日に、みやーんの所属する会社のアメリカ研修御一行様は、成田で飛行機を丸一日待たされたうえ、近くのホテルの宴会場でザコ寝した挙げ句、14日の最終22:30にようやく飛び立ち、ロサンゼルスの観光日程2日が無くなるという、悲しい思い出を背負っていたのだ!何て可哀相なみやーん。みやーんは、その時の思い出をこう語っている「僕は、オレンジカウンティのウエスティン・サウスコーストプラザで見た夕焼けに、こう誓ったのさ”必ず、帰ってくるさ”ってね。」さあ、もうお分かりだろう。みやーんは、ロスの市内観光に、ものすごいトラウマを抱いていたのだ。

そうこうするうちに、いつしか国道10号線に移っていたバスの前に、夢にまで見たダウンタウンのシルエットがそび立っていた。「あっ、松っちゃんや!浜ちゃんもいてる!」みたいなベタも言わず、感激するみやーん。するとシバノ氏が、「では、ドジャースタジアムに向かいまーす」と、バスの進路を変えた。

「えー、この横の街が、ロサンゼルス発祥の地、”オルベラ・ストリート”です。」と、シバノ氏が本職に戻ってガイドしている。「ここ、行ってみたいんですけど、危ないですか?」と問い掛けるみやーんに、「いえいえ、昼間なら大丈夫でしょう。正直言って、日本人の旅行関係者は、神経質に危ないって言い過ぎますからねえ。場所にもよりますけど、昼間に出歩くぶんには、そんなに気を張らなくてもいいと思いますよ。あっ、この建物が、ユニオン・ステーションです。」と答えてくれました。残念ながら、オルベラ・ストリートは行けなかったけど、メキシコ情緒満点で面白そうだったので、ぜひどうぞ。

「みなさん、ここがドジャースタジアムです。」とゲートをくぐって、駐車場に車を止めたシバノ氏。スタジアム見物、開始!

芝生がきれいなドジャースタジアムを後にして、今度は定番”リトル・トーキョー”に到着。あんまりでかくないなあ、という印象で、おみやげ屋さんも10件ぐらい。でも、「松坂屋」「岡田屋」の2大百貨店が並んでるのと、日本語OKなので、確かに買い物は楽チンです。みやーんは、松坂屋でG−SHOCK(海外限定バージョン)をゲット。$150ドルも使ってしまった・・・

さあ、ついにバス旅も終りを告げる時が来た!シバノ氏の、「それでは、みなさんをホテルまでお送りしまーす」の声とともに、バスは、ニューオ−タニ、リーガル・ビルトモア、そしてみやーん&やっすんの泊まるオムニの順に停車していった。その道中、みやーんの目に、あの円筒形の建物が飛び込んできた。「ボ、ボ、ボナペンチャーや・・・」それは、アメリカの映画やドラマの1シーンによく登場する、" Westin Bonapenture Hotel " であった。みやーんは昔からこの建物のデザインが好きで、本当は今回ここに泊まりたかったらしい。でも、見られただけでも大満足のみやーんであった。

オムニに泊まるのは二人だけだったようで、みやーん&やっすんはバス旅の最初から最後までシバノ氏につきあってもらった。シバノ氏は、「ラスベガスって、チェックアウト無かったでしょ?あそこはねえ、特別なんですよ。ここはちゃんとチェックアウトしてくださいね」と言いながら、チェックインを済ませてくれた。バス旅は、景色もさる事ながら、シバノ氏の好印象に支えられていた気がする。話が個人的になる傾向はあるけど、アメリカ生活の裏話も聞けたし、楽しかった。正直な気持ちで「ありがとう、楽しかったです」と言ってシバノ氏と別れたみやーん&やっすんは、部屋でくつろぎながら、「オモシロかったなあ。最高やったなあ。」と何度も同じ事を呟いていた。