ベルギーダイオキシン汚染の新たな汚染源


1999年6月25日

CSN #070

Dioxin-Lメーリングリストからの情報です。ベルギーダイオキシン汚染の汚染源は、ベルギーの油脂メーカーであるヘルケスト(Verkest)社だと推定されてきました。しかしまた、さらに上流に汚染源があると考えられてきました。ベルギー政府は、新たな汚染源を確認した模様です。6月22日(火)の米AP通信社ベルギー支局の情報によると、新たに疑惑が持たれたメーカーはFograだとベルギー検察報道官が伝えています。

これまでの関連情報が以下のサイトにありますのでご参考下さい。 

1)ベルギーダイオキシン汚染問題−ベルギー農業省の報告書(第1報)−(6月10日)

http://www.kcn.ne.jp/~azuma/news/June1999/990610.html

2)ベルギーダイオキシン汚染情報(6月16日)

http://www.kcn.ne.jp/~azuma/news/June1999/990616.html

3)欧州委員会によるベルギーダイオキシン汚染の予備調査結果(6月21日)

http://www.kcn.ne.jp/~azuma/news/June1999/990621.html

<情報元>

1999年6月22日、12時20分

米AP通信社、ベルギー支局

 

<新たな汚染源について>

6月22日(火)、米AP通信社ベルギー支局がベルギーダイオキシン汚染の第2の汚染源が確認されたと伝えました。ベルギー政府はダイオキシン汚染源が、ベルギーの油脂メーカーであるヘルケスト(Verkest)社であるとの仮説を立て、ヘルケスト社から消費者への流通ルートを追跡し、ダイオキシン汚染の可能性がある全ての食肉、卵、乳製品など関連製品の販売を禁止してきました。 

しかし6月22日(火)にヘルケスト社の2人の幹部は釈放され、他の家畜飼料用油脂メーカーの幹部が逮捕されたと伝えています。 

「ダイオキシン汚染はFogra社で始まった。」Nicole De Roeck ベルギー検察報道官が伝えています。

Fogra社は、南ベルギー、Bertrixにあるヘルケスト社から120マイルに位置する会社です。ヘルケスト社がダイオキシン汚染に関係しているかどうかについては、6月22日(火)の段階では明らかになっていないようで、ヘルケスト社の幹部を釈放したにも関わらず、ヘルケスト社の幹部2人の疑惑は取り除かれていないようです。「彼らを検察側で拘束するには証拠が不十分であったが、家畜用油脂製品での不正取引を発覚した。」とベルギー当局は説明しています。 

また、「ヘルケスト社の幹部2人は、この事件の核心部分とは何の関係もない。彼らはダイオキシン汚染とは何の関係もない。」と被告側弁護人Hans Riederは説明しています。

 

新たな汚染源の可能性が明確になったことについて関係者らは以下のコメントを述べています。 

AP通信社Raf Casert

「新たな汚染源が確認されたという6月22日(火)の発表は、ダイオキシン汚染の可能性がある食品全てがスーパーの食品棚、一般家庭、関連海外諸国から排除されていないのではないかという疑念を抱かせる。」

 

農業協同組合幹部のNoel Devisch

「もし他の汚染源があるのであれば、私たちは再びゼロからスタートする必要がある。万一そんなことがあれば、さらに大きな悲劇をもたらすであろう。」

 

保健相 Luc Van den BosscheVRT国営ラジオ)

Fogra社は海外企業にも供給していたことがわかっており、我々はそれがどこに流れているか調査しなければならない。」

 

ベルギー当局は、Fogra社からの流通ルートがヘルケスト社と異なるかどうか現在調査しているとのことです。

 

<ドイツの対応状況>

ベルギーダイオキシン問題に関する最近のドイツの状況について伝えていますので以下に紹介します。 

ドイツ食品安全検査官のコメント、6月22日(火)

「基準濃度以上のダイオキシンが検出されたベルギー産食肉の2つの在庫を処分した。」

 

ドイツ保健省のコメント

「ヘッセン州で押収(没収)されたベルギー産鶏肉の出荷品は、法律で定められた基準値の5倍以上のダイオキシン濃度であった。またライン州パラティネートにおけるベルギー産豚肉加工品も、ドイツの法律で許容されているレベル以上のダイオキシン残留物を含んでいた。」


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