H133
NHKは新型コロナのニュースで、なぜ専門家でもない医師会幹部の発言を報道するのか

 4月15日~21日にかけて、NHKテレビニュースは新型コロナに関して、次の様に医師会幹部の話を報じていました。
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「まん延防止措置」埼玉 千葉 神奈川 愛知に適用 分科会が了承
2021年4月16日 15時15分 NHK

 新型コロナウイルスの感染が再拡大している埼玉、千葉、神奈川それに愛知の4県に対し、
専門家でつくる分科会は「まん延防止等重点措置」を適用する政府の方針を了承しました。
政府は、夕方開く対策本部で決定することにしています。

 
感染症などの専門家でつくる政府の「基本的対処方針分科会」は、西村経済再生担当大臣らが出席して開かれました。

(中略)

萩生田文部科学相「休校を前提することは考えていない」

 萩生田文部科学大臣は、
閣議のあとの記者会見で、変異ウイルスの感染拡大に伴う学校現場の対応について「罹患率が低いとされていた従来の株に比べると、子どもへの感染拡大の一層の警戒が必要で心配しているところだが、休校を前提することは考えていない」と述べ、一斉休校には否定的な考えを示しました。

 そのうえで「臨時休校等は、学校の設置者が判断するが、地域一斉の臨時休校は、学びの保障や子どもたちの心身への影響などの観点を考慮する必要があるため、真に必要な場合に
限定して慎重に判断すべきだ」と述べました。

日本医師会 釜萢常任理事「宣言発出も必要」



 
日本医師会釜萢敏・常任理事は記者団に対し「奈良への適用が見送られたことは、東京周辺の3県が指定されたこととの整合性が取れない。また、福岡は急激に感染が拡大しており注視が必要で、個人的には、来週にも検討がなされるのではないかと思う」と述べました。

 そのうえで「新規感染者が減らないかぎり、
医療の状況は改善しないので『できることは何でもやる』という強い危機感のもとに政策を決めてほしい。緊急事態宣言も発出し、最大限の対策を講じることが、現時点では必要だと強く思う」と述べました。

 さらに、東京オリンピック・パラリンピックの開催について「国民の大きな希望であり、実施できることを望んでいるが、感染の拡大がひどくなると、願いがかなわない事態も起こりうるかもしれない。
政治の決断が必要な時期が迫っている」と述べました。

(以下略)
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新型コロナ対策「3度目の緊急事態宣言 不可避」日本医師会会長
2021年4月21日 17時57分  NHK



 新型コロナウイルス対策をめぐり
日本医師会中川会長は記者会見で「3度目の緊急事態宣言は不可避だ」としたうえで、今後の感染状況によっては全国的な発出も検討する必要があるという考えを示しました。

 この中で、日本医師会の中川会長は「3度目の緊急事態宣言は不可避の状況だ。これまでのような自粛を基本とした対策では限界にきている。
国民の安心・安全のためには、緊急事態宣言の発令をちゅうちょしている場合ではない」と指摘しました。

 そのうえで「東京もまもなく大阪と同じような指数関数的な増加が見込まれるが、そういう状況になれば
大型商業施設やイベントなどを休業するという厳しい宣言も必要だ」と述べました。

 さらに「変異株が全国的に拡大していることを考えると
全国的に宣言を発令するということもありだと思う」と述べ、今後の感染状況によっては全国的な宣言の発出も検討する必要があるという考えを示しました。

 一方、
ワクチンの配分について「『感染が急増している地域にワクチンを集中すべき』との議論があるが、変異株による感染は全国に広がりつつある。急な配分の変更は各地で混乱を起こす危険性があり、慎重な判断を求める」と述べました。
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東京都 新型コロナ 843人感染確認 2回目の宣言解除後最多
2021年4月21日 22時23分  NHK

 東京都内では、先月、2回目の緊急事態宣言が解除されて以降では最も多い
843人が21日新たに新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。21日は数十人規模の大きなクラスターの報告がないにもかかわらず、宣言解除後、最多になったということで、都の担当者は「自分の身の回りで感染が起きているということをもっと意識して、感染の機会を減らすように行動してほしい」と話しています。

(中略)

 
都医師会「きのうまでの増え方で計算 2週間後に1000人超」

21日の新型コロナウイルスの感染者が843人と、ことし1月29日以来800人を超えるなど増加傾向が続く中、
東京都医師会は「医療体制がひっ迫する可能性が非常に高まっている」と強い危機感を示しました。

 
東京都医師会猪口正孝副会長は21日、NHKの取材に応じ、都内の感染状況について「感染者は増加し続けていて、きのうまでの増え方で計算すると、2週間後には1000人を超えることになり、まん延防止等重点措置で感染を抑えることはできておらず、非常に厳しい状況に追い込まれている」と話しました。

 そして猪口副会長は「今後すべてが
変異株に置き換わっていく可能性が高いことと、感染者の年代が若い人から高齢者へと幅が広がっていることから、感染者の増加スピードが上がり、医療体制がひっ迫する可能性が非常に高まっている」と強い懸念を示しました。

 そのうえで、今後どの程度感染者数を抑えたほうがいいのかについては「感染者を100人以下にするとかそういうことではなく、ワクチンがどこまで行き渡るかをにらみながら、
医療体制がひっ迫しない感染者数に抑え続けることが重要で、まずは1度、感染者のグラフを下向きにさせることが大事だ」としました。

 そして、東京都が近く要請を検討している緊急事態宣言の発出については「まん延防止等重点措置よりも、
はっきりした措置が必要になってくるというのはそのとおりで、なるべく早いほうがいいと思う」としたうえで「大型連休をはじめ、いかに人流を止めるかが急所で、それ以外に感染者数をコントロールする方法はなかなかない」と話しました。
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 ここでは、
日本医師会の中川会長釜萢常任理事東京都医師会の猪口正孝副会長が登場しますが、3人の専門は中川会長が脳神経外科、釜萢常任理事が小児科、猪口正孝副会長が消化器外科と、いずれも感染症の専門家ではありません。

 そもそも
日本医師会そのものが医学や医療向上を目的として活動をしている組織ではありません。開業医(いわゆる自称“かかりつけ医”)の為に、主として診療報酬の引き上げの為の活動をしている“業界団体”に過ぎません。

 単に
業界団体の幹部と言うだけで、感染症の専門家でもない人達に、なぜNHKはインタビューをするのでしょうか。

 日本の病院・診療所の
大半を民間(民営)が占めているために、コロナ対応で役に立つ病院数が限定されていて、その結果病床のひっ迫を招いているのと、彼らのために診療報酬を引き上げるために、厚労省が薬価を低額に押さえていることが、日本の製薬企業のワクチン開発における非力に繫がり、感染拡大に繋がっていることも明らかです。

 そして、その原因の多くは
医師会の活動に起因します。彼らは今、地方自治体の経営する公立病院を目の敵にして廃止を強く要求しています。(参照 H114 病院(特に国・公立)は“営利企業”ではない “赤字”が問題にならないのは公立小中学校と同じ -赤字を問題視するのは、公立病院潰しと私立病院・開業医支援が目的-
 また、
診療報酬は2年に一度の改定の都度引き上げられ、反対に薬価はその都度引き下げられています。(参照 H131 日本医師会の正体を直視すべき -コロナワクチンの輸入依存で見えてくる日本の医療体制の問題点、診療報酬を連続して引き上げ、薬価引き下げを続けた厚労省-)

 それにも拘わらず、NHKがコロナ禍のニュースを報じるに当たって、医師会の幹部にインタビューするのは、“医師会”が、単に
民間営利医業者の利益の為に活動している組織であるという実態をごまかし、あたかも社会の感染症蔓延と戦っているかの様な、錯覚を視聴者に与えることが目的であると思います。
 
日本医師会の実態を知っていながら、それに協力しているのが“公共放送”NHKの実態だと思います。

令和3年4月22日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ