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国民から“総スカン”を食らった「1月13日の18歳成人の日」、 沈黙する“官・学・マス”の「三悪癒着」の現実 ―政治がよく分からない若者の“1票”が“三悪”の狙い-
1月13日の読売新聞は、「二十歳のつどい36市町で」と言う見出しで、次の様に報じていました。
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二十歳のつどい36市町で
2025/01/13 05:00 読売
13日の成人の日を前に、県内では12日、岐阜市や羽島市など36市町で「二十歳のつどい」が開かれた。華やかな振り袖や真新しいスーツ姿の若者が集い、旧交を温め、決意を新たにした。
キャンドルに火をともす若者の代表者たち(12日、羽島市で)
活躍願い火ともす 羽島
県によると、今年の県内の対象者は2万70人で、前年比594人減。羽島市では、不二羽島文化センターで「二十歳のつどい」が催され、528人が出席した。松井聡市長ら来賓の祝辞後、参加者代表の6人が感謝と今後の活躍への願いを込め、キャンドルに火をともした。
誓いの言葉では、東京大学で学ぶ安田優葵さん(20)が、「今の自分があるのは家族や友人、地域の方の支えがあってこそ」と感謝を述べ、将来について「世界の人々と医学を通じて関わり、貢献する夢に向かって生きていきたい」と誓った。また、「いつか地元に戻ってきたい」と故郷への思いを新たにしていた。
フォトスポットで記念撮影する参加者たち(12日、下呂市で)
地域ごとに開催友との再会喜ぶ 下呂
下呂市の「二十歳のつどい」は地域ごとに11、12日に4会場で開催。12日には下呂交流会館で下呂地域のつどいがあり、約100人が華やいだ雰囲気の中で友人らとの再会を楽しんだ。
式典に続く第2部では、中学時代の映像や恩師からのビデオメッセージが流されたほか、恩師が登壇して祝福や激励の言葉を贈った。式典で謝辞を述べた市職員早川拳進さん(20)は「多くの人に支えられて今がある。市民に寄り添える場で働いているので恩返しをしていきたい」と話していた。
会場に設置された移動期日前投票所で1票を投じる女性(12日、御嵩町で)
会場で期日前二十歳も1票 御嵩
御嵩町で開かれた「二十歳の集い」では、キャンピングカーを利用した知事選の移動期日前投票所が開設され、スーツや振り袖姿の若者らが1票を投じた。
会場には「私は選挙を通じて政治に参加することを宣言します」と書かれた大きな「投票宣言証書」を背景に写真撮影ができるコーナーも設置。同町選挙管理委員会の職員らが、投票率の低い20歳代に向けた啓発活動を行った。期日前投票をした歯科助手井口七海さん(20)は「難しいことは分かりませんが、(政治を良くするには)一票一票が大事なので、その1票になれたらと思い投票しました」と話していた。
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今年の成人の日は1月13日で、成人となるのは18歳の筈ですが、この記事で報じられているのはほとんどが「12日」と「20歳」ばかりです。一体どうしたのでしょうか。
読売新聞の記事を検索したところ下記の記事を見つけました。
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全国でも2自治体だけ、伊賀市で「18歳成人式」…三重高校ダンス部も祝福
2024/05/05 11:33 読売
三重県伊賀市の18歳を対象とした成人式が4日、市文化会館で行われた。新成人747人のうち75・1%にあたる561人が出席。三重高校(松阪市)ダンス部員50人が軽快なパフォーマンスで祝福した。
式が終わり、記念写真を撮る新成人たち(いずれも伊賀市文化会館で)
式で岡本栄市長は「従来より2年早く大人になる。どうか伊賀を忘れないで、自己実現を目指してください」と呼びかけた。新成人を代表し、実行委員長の関西外国語大1年中野綾花さん(18)が「災害でつらい生活を強いられる人もいる。今の生活が当たり前ではない。感謝を忘れず、前向きに生きていきたい」と誓いの言葉を述べた。
軽快なパフォーマンスで新成人を祝福する三重高校ダンス部員たち
三重高ダンス部の出演は中野さんが前部長という縁で実現。振り袖の中野さんが飛び入りでダンスに加わると、新成人たちも点灯したスマートフォンを振って盛り上がった。
この日の市内は最高気温29・3度の陽気に。式の後、晴れ着やスーツ姿の新成人は日陰に集まって談笑した。大阪の専門学校で演劇を学ぶ出席者(18)は「人を笑顔にできるような役者になりたい」。津市の看護学生(18)は「親元を離れて寮生活を始め、大人になった気がする。頼りがいのある看護師になるのが目標です」と話していた。
伊賀市教育委員会によると、今年度に18歳成人式を行うのは伊賀市と宮崎県美郷町のみで、他の自治体は「二十歳の集い」などを開催する。
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5月5日の記事では「伊賀市教育委員会によると、今年度に18歳成人式を行うのは伊賀市と宮崎県美郷町のみで、他の自治体は『二十歳の集い』などを開催する」とありますが、このことを記者は知らなかったのでしょうか。だとすれば、それを聞いて驚かなかったのでしょうか。
この淡々とした記載から見ると驚いてはいなかったようです。多分知っていたのでしょう。仮に2つの市町村名迄は覚えていなかったにせよ、法律に基づき18歳成人を対象とする成人式を催す市町村は、ゼロに近いことは知っていたと思われます。
であるとすれば、それは当然読者に知らせるべき事実です。18歳成人制度は国民の総スカンに会い、もはや“政治的”には消滅したことを報じるべきです。それがマスコミの義務です。
行政が法律(民法)により定めた18歳成人制度が、国民の総スカンに遭っていることは、重大な政治問題です。何故このような事態に陥ったのかは、迅速に詳細にその原因を報じるべきです。
しかるに①官庁・公務員からも、②学界からも、③マスコミからも何も動きがありませんでした。
これは①、②、③の三者が事前(法律制定前)に談合の末合意していたことを意味します。この民法改正は直接国民にかかわる重要法案であったも拘わらず、三者間の事前の入念な根回しにより、国会ではほとんど議論らしい議論も反対らしい反対もなく、予定通りのスケジュールで可決・成立しました。彼らは国民主権・民主主義などは屁とも思っていない人達なのです。
成立した後で国民の意見が多少報じられましたが、後の祭りでしかありません。こういうことを平気でするのが、日本の“官・学・マス三悪癒着”の実の姿なのです。彼らは「18歳成人・成人の日成人式」が消滅しようとしても、何の反応も見せないのは、彼らに“他意”があるからでしょう。
1月13日の記事では、岐阜県御嵩町の知事選挙の期日前投票での、歯科助手井口七海さん(20)の「難しいことは分かりませんが、(政治を良くするには)一票一票が大事なので、その1票になれたらと思い投票しました」と言う言葉が報じられていましたが、政治がよく分からない若者の“1票”が“三悪達”の狙いなのかも知れません。
(参考)
H93 民法改正(18歳成人)、成立してから問題点を報道するのでは遅すぎる、立法の過程に問題 -所有者不明土地問題に続く、国民不在の“問題官庁”法務省-
H159 誰にも歓迎されない“18歳成人” -民法改正がこんなことで良いのか-
H170 成人式は今でも20歳が主流で定着 -6年前の「民法改正(18歳成人)」は“3者(官僚・有識者・マスコミ)の談合”によるもので民意に反していた-
令和7年1月18日 ご意見・ご感想は こちらへ トップへ戻る 目次へ