◇ウィーンの空港です◇

・ウィーン旅行記 2004 vol.35・

〜帰国〜

2004年11月06日


 スーツケースを押しながら自動ドアを通り、航空会社のカウンターが並ぶ 搭乗受け付けに向かいます。そのついでに、正面左手奥にあるハロッズを確認。 確認・・・確認?!あれ?あれあれ???
「ねえ、前来た時にハロッズって、あの左端にあったよね?」
「左端だったよ。絶対に・・・」
しばらく来ないうちに、ハロッズの姿が忽然と無い!無い!無い! そういえば、M&S(マークス&スペンサー)も無くなってたし、 もしかして英国資本がどんどん撤退してる?

 ハロッズで買おうと決めていたお土産のあてがハズレかけている今、 軽いパニック状態の友達と二人、とりあえず搭乗手続きを済ませるべく カウンターに向かいます。
 と、ここでまたまた意外な展開が。。。ANAで取った座席が、自分で取った から文句は言えないのですが、何故か二人連番でなく離れていたのです!
当時はまだ窓際、通路側、ぐらいの指定でマップが出るわけではなかったの で、どこかでミスったのだと思いますが、取れていた席は前後とかではなく、 機体の左端と右端でした。
今日は混雑しているという事で、もはやどうしようもないという回答。 日本まで別々か・・・後は隣の席の人がいい人である事を祈るばかり。 もしかすると交渉次第では、席をかわってくれるかもしれないし!と 気を取りなおします。

 そして再びハロッズ探し。もしかしたら引っ越してるかもしれないと インフォメーションに行くも、ありませんと一言でばっさり切られてしまいました。
か、悲しい・・・特にハロッズ好きなのに住んでいるエリアにショップがなく、 今回の旅でハロッズのグッズを家族と自分に絶対に買っていこう! と思っていた友人は、お土産プランが最後の最後で変わってしまうという ドンデンがあり非常に気の毒な状態です。

 でも、無いものは仕方が無いので、まずは地下のスーパーへ。ここでお菓子を 買うのも定番になっています。何気ないお菓子がこれまた、おいしんですよね。 そして戻って今度こそゲート入口へ。免税店が並ぶエリアに突入です。

 久々のウィーンの空港。ここもまた、ちょっと様変わりしていました。
まずは、免税の払い戻し手続きをしにカウンターに行きます。前回はクレジットカードを使って返金手続きをしましたが、現金の方が多く返って来るからそうしたのか、カード返金の受付がオーストリアではなかったのか、今はもう覚えていないのですが、どちらかの理由で今回は現金を返してもらいました。

 さあ、ユーロが手元にきました。ここからは、買物ゲームです。 このユーロを有効に使っていかなくては。いかに残さず上手く買物するか。 これに尽きます。(ユーロだけに残ってもゆくゆくは使えるんですけどね) ざっとお店を見てみると、以前からあったところもありますが、無くなった店もあ り。とりあえず化粧品のチェックをし、必要な物は買い、アイグナーのお財布を家族へのプレゼントに買い、エルメスをひやかし(笑)、とうろうろしているうちに!また気づいたらスワロフスキーに立っていた私・・・そしてやっぱり買っているし(笑)最後の最後で購入したスワロは、変形ドロップ方の茶色のペンダントでした。手持ちのユーロが足りないので、足りない分はカードでいい?と聞くと、あっさり却下され、仕方なくカード払いに。

 やっぱりまた衝動買いでスワロフスキーを買っちゃったな〜と思いながら一通り買物を終えて待合ロビーへ。相変わらず色々な人種がひしめき合っています。
 いつものように、飛行機に乗る前には食べない友達の横で、余ったユーロで買ったサンドイッチをいまいち、と言いながら食べます。結局オーバーラーで買った綺麗にラッピングされたクロワッサンはお土産として家に持ち帰る事にしました。

 いよいよ搭乗が始まり、まずはお互い座席に行き、直接交渉に臨みます。二人がけの窓際の席。私の隣は4、50代の日本人女性でした。丁度この時期エコノミー症候群が話題になっていた時で、通路側の人気が高まり私の隣の方は、通路側ならどこでもいいけど、窓側は・・・という事であえなく却下。友達の方は若いオーストリアの女性だったのですが、妊婦さんという事で彼女も通路側でないと・・・という事で、日本まで結局バラバラに帰ることに。でもこれもまた、旅の醍醐味!とばかり、早速お隣の奥様とおしゃべりを開始(笑)聞くと、ご主人がチェコに単身赴任で、ご主人の所から日本に帰るところとの事。
ご主人のチェコでの職場のお話しとか、チェコの観光とか、逆に私のウィーンでの 観光の話しなどに話しの花が咲き、遂にはお互いデジカメの写真を見せ合って 遊びはじめる・・・という、すっかりなごみモードに。ひとしきりしゃべった後は それぞれに映画を見たり本を読んだりという、つかず離れずモードもお互いに 気楽でとっても良い帰路になりました。
 一方飛行機を乗る前に酔い止めを飲みひたすら眠る友人は、言葉の通じない かわいらしい金髪の妊婦さんの横で、すやすやと眠り続けていたようで、 結局席が離れても,何も問題がないという快適な空の旅が待っていたのでした。

 しかし、途中一度後ろの席の男性とキャビンアテンダントの気になる会話が。 これ以上、アルコールはお出し出来ませんというやりとりに、何だか日本人として 恥ずかしくなるような、ならないような・・・やっぱり色々な人が居るもんですよ ね。

 平穏無事にフライトを終え、遂に久々の日本に到着です。
空港でスーツケースを宅配便で自宅に送る手続きをし、ここからが長旅になる 友達と一緒に朝食を取ります。その後、この旅の総括をデジカメでビデオ撮影したりして遊びつつ、遂に別れの時。来年は絶対にロンドンに行こう!と誓ってから それぞれの家路につきました。
(結局、その後テロも多くなる等の色々な要因があって行けていませんが)

 さて、久々の我が家です。手にはウィーンで十数時間前に買ったパンを持って、 ちょっとそこまで買物に行ってきました風に、待っていた母と愛犬ナナにただいまを言います。
 とにかく、まずはウィーンのパンだ!という事で、先程朝食を食べたにもかかわらず、オーブントースターで温めて食べる用意に入ります。
 この、そこで買ってきたパン感覚なのに、買ったのはウィーン!というのがちょっとレアで面白いな〜と思いながら、焼き栗も持って返って食べさせてあげたかったよと話す事幾度か。そして、いよいよオーバーラーのパンが我が家の食卓に登場しました。
一口食べて、
「おいしい〜!!日本と違う味がする!」
「でしょ?職人の味でしょ?このアプリコット、最高!!」
「本当におしい!!へ〜。こんなに違うんだね」
パンを自分で空輸して来たのがまず面白い上に、大絶賛の声を聞いてもう、大満足。しかも、梱包の上手さが際立っていて、長い飛行機の旅でしたがデニッシュ生地は崩れずぱりんとしたままなのです。ブラバー!オーバーラーの店員さん!!です。

これからは絶対にお土産リストにオーバーラーのパンを入れよう!と思いながら、1週間前と全くかわらない我が家の日常と、その日常の中に間違い無く存在している目の前のさっき買った「ウィーンのパン」に、世界の狭さと広さを感じながら、ウィーンの旅で私が味わったものをちょっとだけでも味わってもらえた喜びに包まれながら、私にとって3度目のウィーン旅行は終わったのでした。


終わりに・・・

 途中、何度も中断した連載に最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました。また、中断しては書く事を促してくれた友人に、心より感謝しています。
皆さんが居なければ、旅行記の中の私は、きっとウィーンで彷徨ったまま帰って来る事は出来なかったでしょう(笑)

 

この旅行記でウィーンという街を垣間観て、少しでも好きになって頂けたのなら幸いです。

2007年1月14日  なつむ


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