・成田空港です・

・2007年プラハ&ウィーン旅行記 vol.1・

〜出発編〜


 実は飛行機嫌いな私がウィーンに行く気になったのは、関西国際空港から直行便から出ていたというのが大きな理由でした。しかし、2007年現在関空からの直行便は出ていない。でもいまやウィーン好きになってしまい、直行便じゃなきゃ嫌だ、なんてわがままは言ってられない!
 という事で今回は伊丹出発、成田で友人と合流し、ウィーンへフライト。更にそのままプラハに行くという事で、その移動も含め1日で何と3回飛行機に乗ってしまう旅となりました。

 出発の朝、8時の伊丹発成田行きに乗るため4時に起床。目覚ましはいつものように携帯電話のアラームと小さなアナログの目覚まし時計をセットしたのですが、当日、何と携帯のアラームが鳴りませんでした。後で気づいたのですが、携帯のアラームは出勤用目覚まし設定の時間を変えただけだったので、土日は鳴らない仕様になっていたのです。あぶない、あぶない。良くぞアナログ目覚ましをもう一つセットしておいた事でした。旅行当日の寝坊は悪夢ですからね。

 スタートからちょっとひやっとして、でもその後は順調に伊丹空港へ到着。ANA乗り継ぎカウンターでチェックイン手続きをします。事前に送られてきていたeチケットとパスポートをスタッフへ渡しました。

「お預けになる荷物はないですか?」
「ありません」(成田に宅配で送っていたので)
「お客様、お一人ですか?」
「成田で友達と合流します。そっちで一緒にチェックインしようと思って。ここで今、座席指定とか出来ませんよね?」
「お友達のお名前を教えて頂けますか?」
そこで彼女の名前を告げると・・・
「その方、既にチェックインがお済みになっています。しかも、その方の席の周りはもう既に全部埋まってしまっていますが」
えーっ!!!何で何で!!!
「チェックイン・・・チェックイン済みなんですか?」
「ええ。プラハまで取れてます」
えーっ!!!!!!でもまだ彼女は成田に着いてない時間なんですけど。という事は・・・
「旅行会社の方が既に座席指定されてるようですね」
ちょ、ちょっと待ってよ。大阪と東京で地理的には離れているものの、同じ旅行代理店に2人で頼んでいるのに、何故そんな事に??
「あの・・・お友達の周りはもう空席はありませんので、お客様の席を空席の多い場所にしておいて、成田のカウンターで交渉されてはいかがでしょうか?」
「あ、じゃあそうしてください」
「プラハまでチェックインしてしまってよろしいですか?」
「はい。お願いします」
という事で、席が今現在バラバラである事が判明。急いで友人に状況説明と私の座席番号をメールします。もちろん即刻返信が。。。

『何ですって!!一緒に申し込んでるのに、何故そんな事をするかな、J○B!!!掛け合います!』
そう。本当にこれってちょっと謎ですよ。JT○。(あ、はっきり書いたも同然。笑)二人で航空券を申し込んだら、二人並びの席を取ると考えるのが普通じゃないんでしょうか?勝手に一人だけチェックインって謎すぎです。

 とにかく友人の奮闘に期待して成田へ。東京まではあっという間だと、約1時間のフライトの短さで空路の速さを体感しながら、でも私はやっぱりよほどの理由が無い限り新幹線だと頑なに陸路派を勝手に主張。乗ったと思ったら下りていた、とういスピードで無事東京に着き、成田国際線出発フロアーへ移動。成田に送っておいたスーツケースを受け取るカウンター前で友達と合流します。

 会った途端、二人して「旅行代理店の怪」に文句を言い、バカじゃないのかと言いながら(笑)結局通路を挟んでの隣同士の席にはなれたので、まあとりあえずは良かったと話します。

 スーツケースをオーストリア航空のカウンターに預け、プラハまでのシールが貼られた事を確認し(以前「ミラノ→フランクフルト経由→関空」の時に、フランクフルト止めにされかかった思い出があるので、必ず確認する事にしています)出発ゲートへ。
 ここでペットボトルは捨てる事になります。また、液体物は規定サイズのビニール1袋しか機内に持ち込めません。ハンドクリーム、歯磨き粉なども液体物扱いです。

 という事で、今回私はちゃんと袋を用意して一まとめにして来たので、持ち物検査は問題なくあっという間にスルー。パスポートのチェックは、日本人であれば出国時に書く書類は無くなったのでパスポートだけを持って日本人専用カウンターへ。これは楽になりましたね。そして免税店へ。ここで化粧品を買ったのですが、これも制限される液体扱いになる事が判明。日本の場合、持ち物検査の後、空港内で買うペットボトルは制限なく持ち込める事になっているので同様の扱いかと思ったのですが、乗り継ぎがある場合、化粧品は制限の対象になっていました。機内持ち込みの場合規定サイズのビニール袋1つしか許可されていませんから、買った化粧品はコンパクトにするために、お土産などでなければ箱から出してビニール袋に詰める事になります。という訳で、化粧品売り場の人はちゃんとそれ用に規定サイズのジップロックを持っていました。私のように必要最低限しか購入予定の無い人には何の影響もないのですが、乗り継ぎのあるコスメマニアな人にとって、この袋が1つだけという量は足りないサイズだと思います。
という訳で、液体の取り扱いがうるさくなってから、恐らく免税店の収益は下がっているのでしょうね。大変な時代です。

 さて、いよいよ約11時間乗る事になるオーストリア行きの飛行機へ乗り込みます。入り口でオーストリア航空発行のウィーンについての小冊子がご自由にお持ちくださいとアナウンス付きで置かれていたので、一冊もらって機内へ。新聞も2紙ほど貰って自分たちの席へ移動。以前は赤だけだった記憶がある座席は、緑や黄色も使ったものになりなかなかポップな雰囲気に変わっています。でも、基本的にスタッフの制服は相変わらず赤で、懐かしさも残っているのですが。エコノミーだけに座席のスペースは相変わらずの狭さですが、一人一人に液晶画面がついているようになっています。自分の前の座席の背面にテレビ画面が一人づつあるというオーソドックスな形です。そして椅子にはリモコンをセット。映画だけでなくゲームも出来ます。
 私の席は左窓側3人がけの通路側。隣の二人は20代か30代の日本人夫婦です。通路を隔てて通路側に座った友人とは、真横並びではなく、微妙に右斜め前という離れ方ですが、とにかく話せる距離でほっとします。

 すぐにドリンクが配られ、続いて機内食へ。オーストリアエアーに乗るといつも関心させられるのが、この食器が陶器であることです。フォークとナイフはステンレスという事で、プラスチックよりそれだけで数段美味しい食事になるのですが、良く運んでるなといつも関心させられます。さて、そのお味ですが、機内食の中では相当良い線を行っていると思います。サラダについていたドレッシングは購入したいと思う味でした。

 さて、食事が終わり、席が離れているとなると今後の予定を話し合うことも出来ないので、する事といえば読書か映画。という訳で、まずは映画をチェック。シュレック3は観たし、スパイダーマン3は観てないけど酔いそうだし、で結局新聞と先ほどの機内誌を読む事に。
この、オーストリア航空発行の機内誌がなかなか面白くて、結局持ち帰る事にしたのですが、本当に良く出来た機内誌でした。
 内容はというと、ザルツブルグに移籍したサッカーの宮本選手のインタビューというのもありましたが、ヨーロッパの歴史を感じるエピソードの数々。今回の旅で行こうと話している「リヒテンシュタイン美術館」やエスターハージ家のワイナリー、夏目房之助のエッセイなど、興味深い話しが色々掲載されています。そして一番印象的だったのがドイツのある老人ホームの話しでした。それを読んでるうちに一眠り、そしてまた起きて、映画を何とはなしに観て、と繰り返しているうちに、目的地にかなり近いところまで来ていました。何故だかは分かりませんが、今回さほどフライトが長く感じられないのです。

 途中、おやつで日清のチキンラーメンが出され、皆自分たちでビニールを取り除き蓋を開けてスタッフがお湯を注ぎに来てくれるのを待ちます。私の周りは日本人ばかりなので、食べ方を知っている人ばかりで実にスムーズに事は進みます。旅の終わりにはこの味が恋しくなるのかなぁと思いながら食べ終え、また就寝。

 長い長いロシア上空の旅が終わりに近づき、いよいよヨーロッパというところで2回目の機内食が。これもまた、意外にも美味しく、機内食といい、機関紙といい、やるな、オーストリア航空!と思いながらいよいよ着陸です。今回耳が痛くなる事もなく、本当に快適でした。が、楽なようにと思い、乗ってすぐにスリッパに履き替えた足が、物凄くむくんでいたようで・・・ブーツに入らない!!!チャックが上がらない!!!
 でも、どうにか履き替え、ついに着陸。ロストバゲージが怖いので手荷物にしておいたダウンコートをダッシュボードから下ろし、いよいよウィーンの地に降り立ちます。

 ああ、ついにまた来てしまいました。ウィーンです。パスポートチェックを受け、見慣れたウィーンの空港のロビーへ。そして、乗り継ぎの方向へ移動。この乗り継ぎは初体験だけに、どんな風なんだろうと期待してロビーに向かいます。航空券にあるゲートを目指し進んでいくと・・・

 ほとんど人が居ない手荷物検査所。職員もかなりやる気が無い。。。というか、半分眠ってるような状態です。だるそうな職員が、ちょっと不機嫌に検査してくれます。

  そのゲートをくぐり、奥の部屋に進みます。がらんとした大きな部屋。そしていくつかの区切りがあり、そこには受け付けカウンターらしきものが備え付けられています。でも、そこに人は居ない。待ってる人がもっと少なかったら、宮沢賢治の銀河鉄道の夜に出てくる待合室かと思うほどの静寂です。そんな物凄く寂しい雰囲気のこの空間が、乗り継ぎ「国際便」ロビーでした。

ざっと見渡してもスタッフらしき人はおらず・・・そして部屋の奥にある免税店のシャッターは閉まっています。うーん。これが国際線?これってバスの待合室みたいなんですけど。しかも、一体どこなのか分からない地名の行き先もあるし。

・プラハ行きを示すたった一つの掲示・

 「プラハ」と書かれた掲示板の下にあるカウンターには誰も居ないし、本当にここから飛行機に乗れるの?という素朴な疑問が湧き起こります。とにかく、待つしかないのでプラハのカウンター近くのソファーに腰掛けて待つこと数十分。そろそろフライトの時間が近づいてきた、という時、どこからともなく例の赤い制服を着たオーストリア航空のスタッフが登場。そして待合室に点在していた乗客が短い列を作り始めます。更に、先ほど閉まっていた免税店のシャッターがおじさんの手によって開けられました。うーん。フライト直前にだけ開店する免税店(笑)誰も買いに行ってないし。

・奥の赤いシャッターが免税店・

 航空券とパスポートを見せ、チケットをちぎられた後進んだ先は階段でした。ここを下りるの?と促されるまま階段を数階分下りたところに待っていたのは、シャトルバス。一気にウィーンの空気に包まれます。寒い!物凄く寒い!!急いでコートを羽織る私達。そして、いつの間にか到着した日本人ツアー観光客の一団が我々の後からシャトルバスに乗ってきます。でも、皆さん何だか薄着なのです。観るからに寒い。日本感覚で来ちゃったんでしょうか。

 乗客が揃うまでシャトルバスで待つことしばし。そして動きだしたバスは直に飛行機に着くのかと思いきや、かなりの距離を進む、進む。え?何処に?一体どんな飛行機?と一抹の不安を感じていると、遂に目的地に到着。そこで我々を待っていたのは、おもちゃにしたらかわいらしい色居合いの、でも乗るにはちょっと恐怖を覚える、小さな小さなプロペラ機だったのです!

・プロペラだけど国際線・


◆全ての写真はなつむが撮影したものです◆


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