・プロペラ機から見たウィーン空港です・

・2007年プラハ&ウィーン旅行記 vol.2・

〜プラハへ移動編〜


「えっ。これ?これに乗るの?!!!!」
私達を待ち受けていたのは、80人乗りの(後で数えて分かりましたが)小さなプロペラ機。 これが国際線?国際線だけどプロペラ?しかもはしごで機内に入るの?
「な、何かさぁ。大きさが安全度と比例する訳ではないと思うけど、物凄く不安なんですけど・・・」
今までプロペラ機って乗ったことが無い私は、既に怯えモードに。一方友人は、過去にドイツでプロペラ機体験があるらしいのですが、それはそれで嬉しくないとの事。プロペラ=揺れる、と聞いているだけに、物凄い不安!!
「でも・・・プラハにはこの飛行機しか無いんだよね・・・」
と、もう四の五の言ってる場合ではないので覚悟を決めて乗り込みます。短いステップを上がり、目の前に現れたのは、左右各2席、縦20列の小さな機内でした。ここでもまたまた、座席が一緒ではない私たち。でも、プロペラ機で離れるのはもっと嫌!!と、余り混んでいない機内を 見渡します。とりあえず同じ並びではあるので、離陸する頃には友人の隣に移ろうとタイミングを計ります。

 日本人の私でも頭をぶつけるほど低い天井(座席の上だけ)に更に不安を覚えながら、フライトの時間を待ちます。一応乗客が揃った時点で友達の隣の席に移動。窓側に座り外を見ると、丁度プロペラの真横でした。そして、遂にプロペラが回転を始めます。その様子が・・・プルプルプルプルプルプルプルプルプルプル!って、回転が目に見えるぐらいで、物凄い不安!もう、めちゃくちゃ不安なんですけど!!!
「大丈夫・・・なの?大丈夫なんだよね?」
かいがいしく動く、狭い機内なのに3人も居るスチュワーデス(あえてこう呼ばせてください)を見ながら考え込むことしばし。そこでふと、国際線でも長距離の日本からウィーンのスッチーは結構年配でしたが、こっちのスッチーは若いなぁと気づきます。勝手な推測ですけど、新人は短距離、ベテランは長距離なんでしょうか。

さて、表のプルプル・・・いえ、プロペラが除々に回転を上げ、プルプルからゴーッ!!に変わりました。
「頑張れ!頑張れ!回れ回れ!!!」
と心で応援しながら見ていると、機体が動きはじめました。いよいよです。それにしてもこの位置って、プロペラに異変が起きたらいち早く察知出来ちゃう場所です。という事は、誰よりもいち早く覚悟を決めなきゃならない・・・いえいえ、不吉なことは考えないでおきましょう。
そしていよいよ滑走路へ。と思いきや、動きが止まり・・・
「ちょ、ちょっと〜やめてよ〜」
「何か異変が??」
と物凄い不安が頭をよぎります。整備不良?異常発生??と、ここで再びプロペラが頑張り始めました。飛ぶのか?遂に飛ぶときが来たのか?と窓の外のプロペラを凝視。私が頑張ったところで何の意味もないのに、妙に力が入ります。プルプルがゴーに変わり、ゴーがMAXに達した時、飛行機が必死に上に上がろうと努力を始めました(笑)心の中で、頑張れ、頑張れ!!!と飛行機を応援。と、その時、フワっと浮いた感覚が。
「あ!飛んだ!!」
いや、飛行機は基本的に飛ぶものなんですけどね。プロペラ機をばかにしてる訳ではないんですけどね。でも、明らかに「飛行機」に「乗ってる」感があります。あっという間に機体は雲の中へ。そして雲海の中、夕方だけに夕焼けが見え始めます。
「きれい!!」
と、先ほどまで怖がっていたのはどこかに吹き飛び、目の前に広がる飛行機でしか観られない光景に心奪われました。子供の頃アニメ「アルプスの少女ハイジ」のオープニングの歌を聴きながら想像していたような「雲」がどこまでも続いています。
「凄い、面白い!」
とはしゃぐ私の隣で
「あの・・・さっきまで怖い怖いって言ってなかったっけ?」
と少々呆れ気味の友人。
「だって、きれいなんだもん」
雲海が広がっていたり、雲の上にまた薄い雲が浮かんでいたり、雲の不思議が色々見える窓の外。

と、そこに機内放送が入りました。約45分でプラハに着くとのアナウンス。そんなに近いのか!と驚きます。東京大阪間よりももしかすると近い?と、ここでスチュワーデスが忙しく動き始めました。この短い距離で何を配るのかと思いきや、小さくてかわいいミネラルウォーターのボトルを配布していました。更に、その後コーヒー&紅茶が配られ、小さなパンまで配布。しかもそのパンが温かい!

・ウィン〜プラハ間の機内食です・

 オーストリア航空は基本的にパンをちゃんと温めて配ってくれる心配りが嬉しい機内食なのですが、こんな短距離のフライトでも温めてくるとは!!恐るべし、オーストリア航空。因みに、温められたパンの匂いが機内に充満しています(笑)

 さて、45分しかない飛行時間はあっという間に過ぎ、次第に着陸態勢に入ります。それに連れて雲ばかりだった外の風景は、街の家並みが見えるものに変わって来ました。いよいよ着陸です。これがプラハなんだと町並みを覗き込みます。そしてどんどん高度を下げる機体。操縦が上手いのか、さほど揺れる事がないフライトでしたが、ときおり、フワっと浮いた感覚が体に感じられます。ちょっと気持ち悪い・・・と思っているうちに、どんどん、どんどん高度が下がり、遂に着陸の瞬間が!
「ドン! ドンドンドン ゴーッ!!」
つ、着いた!着いたけど今、結構な衝撃だった(笑)と少々驚きながら無事到着した安堵感に包まれます。
「いや〜面白かった」
と言う私に勝手だな〜と笑う友人。そして再びシャトルバスに乗り、荷物の受け取りへ向かいます。

・プラハの空港です・

 プラハは思ったとおりの寒さで、ダウンコートを持ってきて本当に良かったと実感。日本の真冬並の冷たい風が吹いています。

 なかなか出てこない荷物を、少々不安になりながら待つこと数十分。漸く出て来た荷物を受け取りいよいよプラハの街へ出ます。ガイドブックによると、タクシーは悪質な運転手が多い為使ってはいけませんとあるので、それに従いミニバスなるものを探します。

 これは乗り合いタクシーみたいなもので、ホテルまで届けてくれるとの事。チェコ語の国に行くだけに、言葉が通じにくいパターンを考え事前にホテルの住所を紙に書いておきます。

 タクシーには乗るなと言われているのに、空港の外に出て目に入るのはタクシーばかり。タクシーの運転手に絡まれたら怖いと怯えつつ、一体ミニバス乗り場は何処?と必死で探します。 すると、空港からの出口の中央辺りに4、5人の人だかりを発見。そちらに行って見ると、ここが探していた「ミニバス」である事が分かりました。

 ミニバスといわれるのは、ワゴン車の事らしく、車内は運転手席、そして同乗者シートが2列あり、その後ろがトランクになっています。ボックス型の車です。
 仕切り担当らしいおじさんに、ここに行きたいんだけどと用意しておいた紙を渡すと、じゃあ、こっちの組!と振り分けられました。基本的に、同じ方面に行く人をグループにして乗せてるのだろうと思いながら言われた車に乗り込みます。日本人の年配のご夫婦がまず最初に乗り込み、次に私と友人が乗りこみます。そのまま暫く待たされ、最終的にヨーロッパ系の男性二人組みが乗り込んでドアが閉められました。

 既に暗くなったプラハの街をミニバスが走って行きます。車に揺られながら前を見ると、運転席と助手席の間にはテレビが備えつけられていました。チェコ語だけに言葉から内容は分かりませんが、どうもスパイ物のようです。古い映画かドラマなのですが、次第に人が死にはじめて、何だかとっても物騒なんですけど(苦笑)そして運転手席にはカーナビが。更に、運転手さん、シートベルトしてないんですけど!!

 最初は高速道路、そして市内に入ってからは細い道をミニバスが突き進みます。どうみても一方通行、どう考えても迷路、みたいな道を行くミニバス。すると、ここで止めてもいいの?というような繁華街の細い道路でキュっと車がストップ。運転手さんが下りて荷物を取りに行きます。何だか騒がしくて、煩雑で、こんなところにホテルがあるの?という雰囲気が漂っています。
「こ、ここ?」
と、ちょっとドキドキしていると、年配の日本人ご夫婦に運転手さんがここだよとサインを出しました。良かった〜。何だか怖い、ここ。と思ったのは私だけではないらしく、二人揃って胸をなでおろします。しかし、誰があのホテルを予約したのか・・・余り旅慣れた感じのご夫妻ではなかったので、恐らく旅行代理店かなと推測。有る意味怖いです。

 さて、細い細い路地を縫って次なる目的地にミニバスは進みます。今度もまた一方通行の道をくねくね、くねくね。そして、さっきよりは静かな、でも逆に静かで逆に怖い2車線道路でまたまたキュっと車が止まりました。次は誰?誰なの?と思っていると、乗り合わせたヨーロッパ系のおじ様二人でした。また運転手さんが車を降りて荷物を取りに行きます。そして、すぐに戻るかと思いきや!そのままホテルではない方向へ歩いて行ってしまいました。
「えっ?」
「ちょ、ちょっと!!!」
暗くなったプラハの街で、ミニバスに取り残された私たち2人。今自分たちは一体何処にいるのか、プラハという事以外全く分からない状態で我々は今、二人だけで暗い車の中に居ます。
「一体どこに?」
「あっちじゃない?」
心細く車窓から外を眺めます。どこかへ姿を消してしまった運転手さん。もう戻るか、もう戻るかと思ってからもう数分経過しています。これから私達は一体我々はどうなるの?と思いながら運転手さんが消えた歩道をただただ、見つめるしかない我々なのでした。


◆写真は全てなつむが撮影したものです◆


2007年プラハ&ウィーン旅行記インデックスを見る
2007年プラハ&ウィーン旅行記〜ペンションミュージアム編〜に進む
2007年プラハ&ウィーン旅行記〜出発編〜に戻る
2007年プラハ&ウィーン旅行記〜準備編〜に戻る
HOMEに戻る