・ペンションミュージアムの入り口です・

・2007年プラハ&ウィーン旅行記 vol.3・

〜ペンション・ミュージアム編〜


「せめて一言、何か言ってから外に行ってくれたらよかったのに・・・」
暗い車内から暗い街を途方にくれて眺めます。
恐らく今、1分が我々には2分ぐらいに感じるようになっているのでしょう。 待っても、待っても運転手さんが戻ってくる気配はなく。。。
「どこに行っちゃったんだろう・・・」
これが一人旅なら今頃パニックです。
どうしたものだろう・・・と考えてもどうしようも無い状況でただ座り続ける事 しばし。漸く運転手のおじさんが歩道に現れました。出て来た場所はどうも・・・
「両替所?」
「何で?小銭が無いとか、そういう事?」
何故だ。何故ここで両替!!どこに外貨が?!おじさんは外国人か!!! と、頭の中では質問が渦巻いてましたが、チェコ語は分かりませんので・・・ 無言で帰ってきて何事もなかったように運転を再開した運転手さんの 背中を見ながら、
「説明もないんかい!(怒)」
と日本語で言いそうになりつつ、再び大人しく車に揺られる事に。

しかし、土地勘が無いというのは全くもって手も足も出ないという事で。
プラハ市内なんだろうけど、先ほどの場所も分からないし、今走ってる ここも分からない。うーん。分からないってこういう事なんだなぁと思って眺めている と、細い道に車が入りキュっと止まりました。え?ここ? と思った時には、もう車を降りている運転手さん。
「着いた・・・のよね?」
二人とも、どうやら無事ホテルに着いたらしいと少しホットして歩道に出ます。 トランクを下して私たちに手渡してくれます。そして、480コルナを支払い、 帰る時にはここに電話してくれたら、ディスカウント価格(380コルナだったような) で迎えに来るよ!と割引カードを手渡しす彼。
うーん。。。空港からホテルまで何処経由になるのか全く分からないこの車で フライトの時間が決まっている空港まで行くのって物凄くリスキーだ! というか、このおじさんは特にリスキーだ!と思いながらカードを受け取ります。 じゃあね!という感じで分かれてホテルの入り口を見上げます。
確かに目の前にあるのはホテルの入り口。でも今居る場所から歩道までには 5段ぐらいの小さな階段があり、そこを上がって歩道を横切り、初めて入り口に たどり着く・・・手ぶらなら全く問題無い距離ですが(5mぐらいですから)荷物を持って 階段を上がるのがなかなか腕力の要る作業で・・・でも頑張れ私!でえいっと 抱えて歩道にたどり着きます。ホテルの入り口は通路になっていて、その右奥に ドアがあり、そこがレセプションになっていました。

 明るくて天井が高い室内に、20代の男性スタッフが一人座っています。 ドアを開け、挨拶をして名前を告げチェックインします。
「パスポートをお願いします」
と言われ、チェックインにパスポートが必要なんだと少し驚きました。 これもまた3年間の海外旅行ブランクの一つなのでしょうか。 旅券番号を控えられたのですが、テロ対策の一環なのか何なのか。 3年前に旅行した時には、パスポートの提示はなかった記憶があります。今回 ウィーンでもこれは同様で、旅券番号を宿泊カードに書かれました。

部屋の鍵を渡され、部屋はこの建物を出て、右手にある離れの二階だと言われます。
「ドライヤーを貸してくれますか?」
と頼むと、OK!という事で出してくれるのを待つ事数分。一抱えはある箱を持って 戻ってきた受付の人・・・一体どんなドライヤーがこの中に?? 既に重たいトランクをがらがらひっぱり、左手はドライヤーの箱でいっぱいになりながら 言われた通りフロントの前の通路を通り外に出ます。 出てみるとそこは小さな中庭になっていました。その右手に離れというかアパートのような 建物があり、入り口が複数つけられています。 その中の一つに我々の部屋があるとの事なので、ドアを開けて中に入ると思った通り階段が・・・
えーん。2階までこの荷物を持って上がるのか。でも、頑張れ私!明日は間違いなく 筋肉痛だ!!でも頑張れ!!絶対に辿り着ける!!と再び自分を鼓舞していざ2階へ。 この大きなドライヤー、後で借りればよかったと何度か後悔しながら漸く部屋へ辿り着きます。

ところで、プラハって案外進んでるようでして。この建物の廊下の電気は全て省エネ仕様で 人が通ると明かりがつき、居なくなると勝手に消えるのです。でも、そのセンサーが微妙で 時々真っ暗な中歩かされる事もあるのですが(笑)そして部屋の鍵はカードキー。 磁気カードを渡されるとは思っていませんでした。何せウィーンは未だに「鍵」ですから(笑) カードキーを使って中に入るも、室内の明かりはつかず・・・すると壁にカードキー差込口を 発見。日本のホテルと同じ方式ですね。カードキーを入れて初めて室内の照明がつくように なっているのです。
「おー。進んでる〜」
明かりをつけて部屋を見渡すと・・・
「広いね〜」
これは、家族部屋なのではないでしょうか?これならまだベッドが2つぐらい入りそうです。 セミダブルベッド1つ、補助ベッド1つ、テーブルセットにクローゼット、ロングソファー が置かれた部屋ですが、場所にはまだまだ余裕があります。とてもゆったりした空間です。 それ以外に大きなバスタブのついたバスルームがあり、クローゼット部屋が一つついています。 このクローゼットがまた広くて、トランクを2つ広げられるほどの広さです。 この後ここはすっかり我々の着替え部屋になっていました。

  

・我々の部屋です・

この広さはプラハならではなのか、このペンションならではなのか。 一泊一人9000円ぐらいで朝食付き、しかも後で良く分かりましたが物凄く便利な立地 でしたので、ここを選んだのは間違いなく正解でした。

 荷解きしたいのはやまやまですが、もう夜なのでまずは夕飯を食べに行く事に。 でも気になるのは先ほどのドライヤー。箱を開けてみると、まず出て来たのは 「危なくないやたら大きい剣山」みたいな黒いプラスチックのパーツが2つ。これ、何に使うんでしょうか。。。
そして、風の噴出し口を調節する、日本でも見たことのある(見方によっては掃除機の部品みたいな)取り付け部品が一つ。そして本体のドライヤーは私が日頃使っているのの2倍はあるヘビー級で。す、凄い。。。でも今はドライヤーより夕飯です(笑)

 出かける用意をしながら、ガイドブックによると、偽警官にパスポートをとられる という話しも良くあるようなので、セーフティーボックスを利用しようという話しになります。 そこで再びフロントへ。セーフティーボックスを使いたいと言ったところ、
「500コルナのデポジットが必要です」
との答え。という事で、担保の500コルナを一時的にフロントに預けて鍵を受け取ります。 この鍵は流石に普通の鍵でした。
因みに、両替は二人とも日本でして来たのですが先ほどのミニバスといい、このデポジット といい、コルナを用意してきて本当に良かったと実感します。 日本でするとレートが悪いとも言われていますが、コルナといった 特殊な通貨の上に初めて行く国で勝手が分からないだろうという事で 両替して来たのですが、実際に来てみるとこの便利さはレートの良し悪しにはかえられないものでした。

 部屋に戻り、クローゼットのセーフティーボックスに鍵を差込み貴重品を入れます。パスポートや航空券の他、意味もなくipodまで入れてしまう私。いや、これは私にとって宝物ですから(笑)旅行中の食事用に二人の共通財布、といっても紙袋ですが、それを作ってから、友人オススメのビヤホールに向けていざ、出発です。

 初めて歩くプラハの街は肌寒く思わずコートのポケットに手を入れてしまいます。街の中心地、バーツラフ広場から徒歩1分ぐらいの場所にペンションがあるので「外」イコール「街の中心地」といった感じです。
歩いていて何故か良く出没するのはマクドナルド・・・世界中どこにでもありますよね。 ケンタッキーフライドチキンことKFCも出現。そして意外だったのは、マークス&スペンサー があった事でした。TESCOもあるし、イギリス資本がプラハには色々入っているようです。

目指すお店に行ってみるものの、既に満員だったりが続きなかなかお店探しは 難航します。数件周った後、ガイドブックにも載っているピアホールに辿り着きます。 中に入ってもなかなかスタッフが出てくる気配はなく。そして、建物全体が1軒の店らしく エントランス正面に上の階と地下に続く階段がありました。
 漸く捕まえたスタッフに聞くと、上は禁煙という事なので早速上へ。でも上は既に満席。 仕方なく地上階へ戻るも、ここも満席。地下にしますかと下りて行くと、カウンターなら どうにか空いているとの事。入り口近くのカウンター席の奥を覗いて見ると、突き当たりに 一つだけ、カウンターと同じ高さの小さなテーブル席がありました。

 そこでいい!という事になり、よじ登って漸く着席。流石に時差と飛行機の長旅で体も疲れて来たので、やっと座れた〜とほっと一息。海外旅行で時差ボケをいち早く解消するには、日本時間を記憶から抹殺して現地時間で生活する事です。という訳で、疲れていても、眠くても、とにかく食事!です。

・ビアホールの中です・

 まずは飲み物のオーダーを取りに来ます。チェコはビールが有名な国。という訳で、友達は早速ビールを頼みます。私は飲めないのでファンタを注文。なぜかプラハでは「ファンタはファンタオレンジ」で、どうやらオレンジ味以外は存在しないようです。飲んで見ると、甘さは日本のファンタより控えめで炭酸は強く、少しだけ大人な味がします。

・友人が頼んだビール・

飲み物をとりあえず頼み、何を頼もうかとメニューをチェック。 幸い英語併記のメニューを渡してくれたので良く分かりましたが、チェコ語だけだと 本当にちんぷんかんぷんですね。分からない言語というのは、手も足も出ないなぁと 実感します。英語はやっぱり便利です。

今の胃袋の状態からして、重いものを食べるのは無理だと判断。ここはビアホールなので つまみだけでも大丈夫だろうという事で、前菜というか、軽い料理から選ぶ事にしました。 二人で決めたのは、ウィンナーのボイル、チーズのフライ、トマトサラダ。

・プラハで初めての夕飯です・

持ってこられた料理は、ビールが美味しく飲めるようにかどれも塩分が強めです。 赤い色のボリュームのあるウィンナーは、媚びない味というか、ドライな味です。 うーん。外国の味。余りパクパク食べられるような代物ではありません。 そしてチーズフライは3、4cmぐらいの円盤型で、噛むと中からとろっとチーズが 出てくるのかと思いきや、半透明のどちらかというとゼリーのようなチーズがしっかり 中に留まっています。これまたしっかり塩が効いてます。 トマトサラダは一口サイズにカットしたトマトに、大きめのみじん切りをしたレッドオニオン がかかっていて、更に恐らくバルサミコソースがかけられていました。 レッドオニオンは辛くてこれまた大人味!どの料理も媚びてません!(笑)

 3品が本当適量で賢く注文出来たよねと話しながらプラハで初めての夕食を終了。 支払いにウェイターを捕まえるのに一苦労した後、我々の仮の住処となるペンションへ 歩いて戻ったのでした。


◆写真は全てなつむが撮影したものです◆


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