Vol.1

<PROLOGUE>

THE FAMILY HOUSE NEW YEAR'S EVE 1935

両親とシンデレラがほほ笑みを浮かべ、幸せそうに立っている。
シンデレラは左手にテディーベアを抱え、あいている方の手を母親とつないでいる。若く美しい母親は光り輝く水色の靴を履いている。シンデレラが幸せそうに母に微笑みかけると、母の手が彼女の手からすり抜けていく。
そして母は悲しみの表情で後ろに下がり、その変わりに継母と義理の3人の兄弟、そして2人の姉妹が登場する。父は長男が持ってきた車イスに腰掛け、シンデレラは悲しみの表情を浮かべる・・・・・

<ACT ONE>

THE FAMILY HOUSE NEW YEAR'S EVE 1943

暖炉の前で車イスに座っている父がうつらうつらと眠っている。シンデレラは長いすに腰掛け、父と自分以外誰もいない部屋でくつろぎながら雑誌を読んでいる。
すると長男が製作中のジャケットを着せかけているボディーを持って登場。続いて今起きたらしい様子の二男がバスローブとパジャマ姿(メガネもかけている)で部屋に入ってくる。
ソファーに座って雑誌を読んでいるシンデレラに気づき、二男がぴったりとくっつく様に腰掛ける。嫌がるシンデレラにしつこくまとわりつく二男。そこにメガネをかけた三男が飛び込んでくる。バタバタと走りまわり、やたらと騒々しい。そこに義理の姉妹も登場。
今までの平穏はことごとく崩され部屋の中はとにかく騒がしい。そこに玄関のドアをたたく音が。シンデレラがドアを開けるとアル中気味の継母が頼んだお酒を闇で入手してきた男が立っている。

受け取った後、シンデレラはそのお酒の入った紙袋を階段の下の物置に隠す。そして遂に継母登場。白い階段をたばこをくゆらせながら降りてくる。そして自分の専用の椅子へ。シンデレラはお茶の用意をして継母の所へ。
継母は三男の顔を引き寄せて溺愛のそぶりをしたあと突き放し、おもむろにダンスパーティーの招待状を一人ひとりに配り始める。一応シンデレラも期待して待っていたが、当然招待状は渡されない。あざ笑うように彼女を見た後、家族はそれぞれの部屋へ帰っていく。しかし継母だけはシンデレラにウィスキーボトルを要求。先ほどのお酒を手渡され、継母は満足そうに帰っていく。

招待状が渡されなかった事にしょんぼりしながら部屋の中を見回すと、義理の姉が置いていった白い毛皮の上衣が長いすに置き忘れられている。
シンデレラはそれに駆け寄り、早速袖を通してみる。次に思い付いた様に暖炉の側に置いてある箱に駆け寄りその中から母の形見の靴を取り出す。喜々として靴を履き替え、白い階段を駆けのぼる。そして、舞台の方に振り向いた途端、彼女はすっかり女優気分になっており、スポットライトを浴びて階段を降りる。
階段を降りたところで継母の専用の椅子の上にひじ掛け部分を掴んでのっかり、座席をドスドスと踏み付け少しばかりの仕返しをする。しばらくすると気が済んだのか再び女優気分で踊り初める。すると、そこに二男が登場。またまたシンデレラに詰め寄り、キスをしようとする。そこにまた家族が登場。
義理の姉はシンデレラが来ていた毛皮をはぎ取り、すっかりお冠。継母も詰め寄ろうとするが、彼女が形見の靴を履いている事に気づき、複雑な表情になり引き下がる。

全員が居なくなった後、再び悲しみに襲われるシンデレラ。その様子をエンジェルが屋根の上から眺めている。そして彼は滑るように屋根を降り、遂にシンデレラの所へ。元気づける様に彼女の回りで踊り、シンデレラを玄関のドアに導く。そして、彼女がドアを開けると、そこには負傷し、右の額から血を流しているパイロット、ハリーが立っていた。

倒れ込むように中に入ってきた彼を、シンデレラは手当てする為に奥の部屋に連れていく。すると、軍人のボーイフレンドとガールフレンドをつれた姉妹が、賑やかに帰ってくる。二男と姉妹は一人あぶれているメガネをかけたマジメそうな女性を長男に紹介する。呼ばれた長男は編み物を持って登場。女性を紹介されて当惑している。彼はどうやら男性に興味があるらしく、長いすに二人で腰かけてながらも落ち着かず、妹のボーイフレンドを見ている。そこにお酒の入ったグラスを持った継母登場。この音楽は何?!とばかりに自分の好きなレコードにかけ変え、全員でクラシカルなダンスを始める。そこに手当てを終えて頭に包帯を巻いたパイロットが登場。目ざとく見つけた母親はすぐさま彼を追いだしてしまう。

再び悲しみに襲われるシンデレラをしり目に、父とシンデレラを除く全員はダンスパーティーにでかけていく。去り際に、義理の姉たちはシンデレラに「彼とでもキスして踊ってたら?」と仮縫いの洋服を着たボディーを引っ張ってきてシンデレラに抱きつかせる。

皆が去った後、シンデレラは暖炉の横にパイロットが置き忘れていった彼の帽子を見つける。喜んでそれを手にし、ボディーの頭に被せる。そして、洋服の袖を自分の肩にかけ、彼女は踊り始める。足の部分に車が着いているので滑らかに滑り、楽しげにボディーと踊っていると、それはいつの間にか先ほどのパイロットに変わる。
見た目はパイロットだが、動きは人形のままで、動きを変えたい時にはシンデレラがいちいち手で相手の体を動かさなくてはならない。ほとほと疲れた彼女が諦めかけた時、その人形パイロットは生命を宿し、彼女と楽しく踊り始める。
しかしそれもつかの間、あっと言う間にパイロットは再びボディーに変わり、シンデレラは夢から覚める。

そこに再びエンジェル登場。シンデレラをドアの外へと導いていく。

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