<6/27・夕方>
既に夕方だったので、お店をしめようとしている所も増えてきました。
どこまでも続くブエノスアイレス通りを歩くことにも疲れ、途中で引き返す事になりました。
明日は観光だし、日曜日には全てのお店が閉まっているからブエノスアイレス通りで買い物が出来るのは今日だけだねと言いながら歩くものの、買い物をする元気もなくなりつつあり、ただひたすらに歩く私たち。途中私が石鹸を、友人が水を買っただけでホテルに戻ったのでした。
とりあえず部屋に戻る事にして先ほどの怖いエレベーターではない方の、少しは安全そうなエレベーターに乗ると、同じツアーの人がスーツケースを抱えて入ってきました。
「どうしたんですか?」と聞くと、
「ベニスからミラノに来る途中でスーツケースが割れちゃったんですよ。仕方なく今、新しいのを買ってきたんです」との事。
びっくりしました。どうやらあのベニスの結構乱暴なポーターが壊してしまったらしいのです。この後もう一人、どうやらベニスのポーターが原因で、鍵の部分が曲がってしまい、鍵が入らなくなってスーツケースが開かないという人も出てきました。幸い私たちの荷物は無傷で、中に入れていたガラスも割れていませんでした。
7時半になり、ホテルの6階でこのツアーの人達とは最後の夕食(朝食はまだ続きましたが)をとりました。そこでまたまたイタリアであった色々な話しで盛り上がっていたのですが、話している内に料理が来はじめました。
まずはマカロニのトマト煮。髪を真ん中でわけてぺったりとなでつけた若いウェイターが大きなスプーンで不器用そうに皆のお皿にサーブしてまわりました。
結構大胆に盛っていたせいか、途中でマカロニがなくなり、慌てて厨房に戻るウェイター。
かなりたってから戻ってきて、再びサーブしはじめました。ところが、どこに配ったのかをちょっと忘れていたらしく、マカロニを貰えない人が2人ほど出てきました。
「マカロニがないんですけど」と少し年上のウェイターに言うと、「すみません」と答えすぐに若い方のウェイターの所へ。
「忘れちゃだめじゃないか!」と何故か英語で怒る先輩ウェイター。
「あーかわいそう。怒られちゃったよ」と話す私たち。
あせった様子でウェイターがマカロニを入れにきました。
妙に余ってしまったマカロニをどうしたものかと眺めた後、ウェイター君はおかわりを聞いて回る事にしたらしく、一人づつに聞いてまわりました。でも、既に結構食べていた皆は首を振って「いらない」といい、仕方なく彼はまた厨房に大きなボールを抱えて帰って行ったのでした。
次に出てきたのは子牛のステーキ。またまたいそいそと配る新米ウェイター。ただでさえ焦り気味の彼は、先ほどの先輩の一喝で更におどおどしながら必死に料理を配るのでした。
「次に来るのはイチゴのパンナコッタとかって言ってたよね」と言いながらパンとお肉を食べる私たち。
「イチゴのパンナコッタなんて聞いたことないよね〜」と言いながら、遂に注目のデザートがやって来ました。
観ると、ガラスの小鉢に入ったそれはどっちかっていうとイチゴヨーグルトムース。
「これがパンナコッタ?」と言いながら食べ始める。うーん、これはイチゴムースだと思って食べていると、何人かが「これ、フルーチェだ!」と言い始める。
「え。ムースでしょ?」と言うと、「だって固まってないもん」という答え。
「私のは固まってますよ」と言うと、フルーチェ派の人のだんなさんが、「俺のもかたまってるよ」と答えました。
「え?本当だ。ねー、ちょっとかえて。あー、こっちの方が断然おいしい!」という事からちょっとした騒ぎになり、全員がデザートの状態を報告することに。何人かがどうやらフルーチェ状態になっているらしいと分かる。
「厨房に行ったらそこにフルーチェのイチゴ味の箱がたくさんあったら笑えるよね」と言いながら最後の晩餐が終わったのでした。
部屋に帰って漸く就寝。でも、何だかガタガタ音がしています。何だろうと思っていると、先ほど夕飯を食べたレストランがどうやらこの部屋の真上のようなのです。 「うるさいな〜」と言いながら「またあのウェイターあせってるのかな。やけに足音が多いよ」と言ってその日は眠りについたのでした。
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