イタリア旅行記  〜ベニス・到着編〜  

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6時起床、7時10分朝食で8時にホテルを出発してベニスへ向かう。

フィレンツェのホテルのフロントで、困った顔をした同じツアーの人がいたので事情を聞くと、昨夜、眠りについてから何だかもそもそすると思って明かりをつけたら、何と蟻が100匹ぐらいベッドにいて、しかも小さな蟻なので髪の毛(彼女はロングでした)にまで入ってきていたとの事。
ぞっとする話しに皆本当に驚きました。かわいそうに、彼女の腕は蟻に刺されてところどころ赤く腫れているんですよ。
「庭の中の部屋で、かわいいと思っていたのに最悪です」
と言っていました。確かに、初日に泊まった庭の中の部屋の隅を蟻が行列しているのは私も見ましたが、こんな事になってしまうなんて、思いもよりませんでした。ホテルは見た目で判断しちゃ駄目だと皆で話しながらバスへ。

3.4時間でベニスの入り口(ここがネック)に到着。というのは、ベニスは車禁止の街なので、入り口の駐車場で全員車から降りないといけないのです。
だから、イタリア本土と島の集合体であるベニスを結ぶ唯一の道、デッラ・フェッロビア橋を渡った所で、人は自動車としばしのお別れをしなければならないのです。

バスを降りるとそこには山のようにトランクを積み上げたカートを押しているポーターがいっぱいいました。ベニスを訪れる観光客の多数は車で来る訳ですから、その荷物もすごい量になる訳で、車が使えない以上人力でがんばるしかない。となると、ポーターが大活躍となる訳です。
でも、この人たちが荒っぽくて、後で泣くことになった人もいました。(トランクが壊れたり鍵が開かなかったりしていました)

 待ち受けた日本人ガイド(珍しく男性)と徒歩で駐車場からホテルへ移動。私たちのホテルはベニスの中心地(サンマルコ広場)寄りではなく、ベニスの入り口、イタリア寄りの所でした。

北イタリアに入った途端昨日までの晴天はどこかへ行ってしまい、この日は朝から降ったり止んだりの雨模様。それに少し肌寒い日でした。イタリアは太陽の国のイメージですが、北に行くほどアルプスが近くなるせいか、どんどん天気は雨がちになり、気温は下がって行くんですよ。全員傘と上着を持ってホテルのロビーに集合。12時をとっくに回っていたので、水上タクシーに乗ってお昼を食べるレストランへ移動。

10分近く水上バスに乗って何処だか分からないところで降り、案内されるがままに細い路地を歩く私たち。この路地はとても細く、所によっては人と人とがすれ違うにはお互いに体を斜めにしなければならない程でした。

どこまで続くんだろうと思いつつ細い道を進んでいくと、何と火事で焼けてしまったフェニーチェ劇場に出ました。数年前、TVのニュースで火事で世界で指折りのオペラハウスが焼けてしまったと聞いた時、水の都で何故消火出来なかったの?と疑問に思いましたが、現地を歩いてみると納得しました。
この細い路地にはとてもじゃないけど、消防車は入れません。ベニスの街はそこそこ大きな通りもありますが、車が全く通らない為狭い道が主流なのです。

現在、再建の為の工事が行なわれているフェニーチェ劇場ですが、この立地条件を何とかしない限り、この惨事は繰り返されるのではないかと心配になりました。
まぁ、何と無残なと思いながら変わり果てた劇場の写真を撮っているうちに、ツアーの一行はさっさとレストランへ移動。慌てて後を追いかける私。すると、あっという間に一行はお店の中へ入って行きました。

店内はお昼だというのに私達だけという静かさ。今まで訪れたレストランの中で一番高級感が漂う所で、大きな花瓶に真っ白いユリが沢山生けてありました。
劇場のすぐ近くという場所なので、推測ですが恐らくオペラなどを見に行く前や後に、観客が利用するレストランだったのではないでしょうか?

イカスミのスパゲッティーと魚介類のフライというお昼は、イタリアに来てから初めての海の幸の料理。イタリア人は働くのが嫌いだから仕事の大変な漁師は少ないそうで、魚介類が食卓にのぼる地域は少ないそうです。でもベニスはさすがに水の都。どれも新鮮でとてもおいしかったです。

今までイカスミをその色故に避けて通ってきた私ですが、ここのイカスミはにおいもほとんど無く、くせも無くて癖になりそうな味でした。もちろん、口が黒くなるのは避けられませんでしたが。でも、ほうばるように食べれば被害を最小限に押さえる事が出来ました。
下唇につくとちょっと怖い事になりますが・・・・皆食後笑うと怖かったです。

・上の写真はフェニーチェ劇場(左と中央)とサン・モイゼ教会を撮影したものです。 (著者撮影)

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