「大和万葉スケッチ」は絵はがき(あづま家製)になっています。
このバ−チャル画廊は冨田画伯のご許可をえてそのイメ−ジを伝えるるものです。


巻12・3011 作者不詳

我妹子(わぎもこ)に 衣春日(かすが)の よしき川

よしもあらぬか 妹が目を見む


水門町より戒壇院を望む


巻11が「古今相聞往来歌類の上」に対して巻12は「古今相聞往来歌類の下」と
なっており、上下の対になっています。勿論、新しいもの、古いもの混じっての
恋のやりとりのうたから成ります。

歌は色々と分類されていますが、
正述心緒(せいじゅつしんしょ)・・・比喩をもちいず、心情をそのまま表現した歌。
寄物陳思(きぶつちんし)・・・・・・物に寄せて、思いを表現した歌。

この歌は後者に分類されており、妻に会いたい気持ちを表現している。
ここでは、「春日」は「貸すが」。恋人同士は、衣を取り替えて着ると言う。
「よしき(宣寸)川」の「よし」は「よし(縁)もあらぬか=手段はないものか」につながる。

この「よしき川」は春日山北方から西流し佐保川に注ぐが、吉城川」とも書く。
現在、奈良随一といわれる「依水園」はこの川の流れを利用してつくられた。
江戸時代には、この川の清流を利用して「奈良晒」の製造が行われたとのこと。
戒壇院を望むこの地は水門町にあるが、この町名は「吉城川」に設けられた水門に由来。
(絵はがきですので、画伯の説明はありません。説明は上田欽一の蛇足です。)


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