アニーママ奮闘記

ホームページへ戻る

第n章 360度の胃捻転 − [ついに開腹手術!]

2006年1月22日(日)、義母宅で暮らすMダックス・ユウを預かる。
10歳前後から何度も繰り返す胃拡張(胃捻転)の原因が、加齢&ストレスだと確信している私は、
不安ではあったが、一人暮らしの義母が10日間入院する事になり、仕方がない。



初日、予想通り、アニー(11歳8ヶ月)は久しぶりに水便になり、夜に軽い吐き気が出た・・。
2日後、初めて4頭でお留守番をさせて、4時間後に戻ると、居間に3mもの長いオシッコ痕・・。
量的にはアニーのだが、居間で粗相をする事も歩きながらする事もとても考えられない・・。

兆候はこんなにあった!
こんなにあったのに、アニーがサインを出していたのに、私はフォローできなかった・・.。

6日目。1月27日(金)夜は、主人が出張の為に留守で、それまでは、主人とユウが2階で寝て
いたのだけれど、ユウも一緒に4頭と私で1階で寝た。
2時頃、アニーが起きて、庭に出たがった・・。
出ても、オシッコをするわけでもなく、庭に座り込み、しばらくして家に入る。
それまで寝ていたユウも落ち着かなくなり、ピーピー鳴きウロウロし始める。
また、アニーが庭に出たがり、入ったり出たりを繰り返す。
アニーも私も皆がこの日はほとんど寝ていなかった・・。

明けて、1月28日(土)、寝不足で機嫌の悪い私は、アニーに冷たかった・・。
アニーが何度もおやつの催促をするのだけれど、しつこいと無視したりした・・。

16時頃、出張帰りの主人から電話があった。
いつも電話があると、その15分後に家を出て、最寄駅まで車で迎えに行く。
この日は、駅で主人を乗せて、そのまま義母が入院している病院へお見舞いに行く予定だった。
が!電話を切るとすぐに、アニーの様子が変になった!!

お腹からこみ上げる感じで、真っ白で綺麗な泡が口からソフトボール大で出て来た!
ウロウロして苦しそうで、次から次へと真っ白な綺麗な泡がどんどん出てくる。
テニスボールの大きさ、ソフトボールの大きさ・・10回程だろうか、大量に出る!
あまりにも綺麗な新雪のような真っ白な泡に、冷静に『綺麗だ』と思ってしまった程だ(汗)
今までの胃拡張(胃捻転)は、こんな泡は出てこなかった。
今回は水便もなく、下からはオナラも何も出ない。

主人に迎えに行けない電話をしてから、病院に電話をする。
『拡張はしてないんですけど、真っ白い泡を大量に何回も出して苦しそうなんです。
 今から行っても良いですか?』

15分後に病院へ着いた時も、まだ拡張はしておらず、先生達の前で真っ白い泡をまた吐いた。

『あ〜ほんまやね。まだ胃は拡張してないね。でもお腹がちょっと張ってきてるかな。
 いつもの前段階やと思うから、胃にガスが溜まってないかレントゲンをまず撮ってから処置しますね。』

先生は、アニーを手術室の方に連れて行きながら、
『カテーテル!○○〜!△△〜!』と、必要な物を大きな声で叫んでいる。

先生が待合室に戻って来て、
『レントゲンでは胃が捩れてるかどうか分からないんです。
 でもカテーテルが胃の入り口で詰って、いつものように入りません。
 あんまりやっても傷ついたらアカンから、開腹手術しますわ。
 もう、全身麻酔かかってるから。
 胃の入り口で捩れてるか、それか、入り口に腫瘍とかあって、
 それで カテーテルが通らないのかもしれない。
 どっちにしてもこのままやったら死ぬから、腫瘍があれば腫瘍を取るし、
 捩れてたら胃の固定も一緒にしますけど、良いですね?
 もう麻酔かかってるから〜早くしないと時間がない。』

『老犬でも胃は固定した方が良いんですね?』

『腫瘍があったら、それを取って、固定はできないと思うけど、
 腫瘍が無かったら、せっかく開腹するから固定する方がもちろん良いです。』

『はい。お任せしますのでよろしくお願いします。』

手術に1時間以上かかるという事なので、家に帰った。

16時に症状が出て、16時半にはもう手術が始まっていた・・。
でも胃の拡張もまだ無い状態で行ったのに、今まで経験が無い開腹手術・・。
腫瘍って???いつもと症状が違うしな・・。不安が一杯・・。

19時頃、先生から電話があった。
『胃が360度に捩れていました。すごい捩れでしたわ。腫瘍は無くて完全な胃捻転です。
胃の固定もしました。詳しい説明をしたいので、病院へ来て下さい。』

主人も義母の病院へ寄った後に家に戻っていたので、一緒に病院へ行く。

『電話で言ったように360度に酷い捩れでした。胃が入り口の所で一回転してるからレントゲンを
撮っても胃の形が元に見えて捩れてるかどうか分からなかったんです。
胃の筋肉とお腹の筋肉を縫い合わせて胃も固定しています。
(デジカメでアニーの胃も見て、医学書も見て詳しい説明を受ける)
この方法は、内視鏡でする方法と一緒だけど、時間がかからずできるんです。
麻酔もしっかり醒めてるし、第一関門は突破です。

でも捩れてる胃を元に戻すと一気に酸素とか回るんだけれど、一緒に毒素も回るんです。
それで不整脈を起こし、死に至るケースが3日間程あるから3日間は注意が必要です。
術後に1度、不整脈は出たんですけどね。後、高齢やからどこまで快復するか・・。
でも幸い、処置が早かったので、隣の脾臓も巻き込んでいたけれど脾臓は綺麗やし、
胃の色もまだ赤い状態だったので、ダメージは少ないと思います。
(昼食3時間後)胃に食べ物がほとんど残ってなくて、ガスばっかりだったので胃が軽くて良かった。
食べ物が残っていると、これだけ捩れていたら胃の重さで血管も切れて大変な事になっていました。
とにかく、3日間が勝負です。手術に成功してもこの3日間で亡くなる子の方が多いから。』

2月2日に退院するまで、毎日お見舞いに行った。
炎症反応の数値も上がったり下がったりを繰り返し、術後2日目には心臓の状態が
あまり良くない・・と言われた事もあったけれど、毎日食欲は旺盛で、看護士さんに
『すっごいがっついて食べるんですねぇ。面白〜い!』なんて言ってもらえて・・(汗)
先生達はまだまだ分かりません・・って毎日慎重だったけれど、絶対大丈夫!だと信じていた。
私と一緒に帰ろうとして、すごい勢いでゲージをガリガリするアニーを見れば、安心だ。

入院中のお散歩の時にキョロキョロと私達を探し、毎回、病院の駐車場に入って座り込み、
『帰る!病院には戻らない!!』って頑張ったらしいアニー。
『炎症反応の数値がちょっと高いんですが、これだけ元気なのでもう今日帰ってもらいます。』
と、6日間で退院になった。

幸い、ユウもこの日の朝に義母が退院した為に、義母宅に帰ってもらったので
アニーも安心して療養できる(汗)

大変な手術を乗り越えてくれて、アニーありがとう。
後15分症状が出るのが遅かったら・・まだまだ幸運なアニーでありがとう。
病院の先生&スタッフの皆さん、今回も感謝です。ありがとうございます。
ネット仲間の皆さん、我が子のように祈り励ましてもらって応援ありがとう!心より感謝です!!

初めて胃拡張になった後から飲み始めた薬2種(甲状腺機能低下症薬&胃の働きを良くする薬)
を先生の指示で止めた。
胃を固定した事で、今までとは胃の動きも違うだろうし、様子を見る事になった。
すると、療養食以外を食べると、頻繁に下痢&嘔吐をしていていたのに、
胃を固定した事に安心して、少量だがいろいろな物を食べさせているのに、下痢&嘔吐が全く無い!
薬の副作用だったのかな?とにかく術後は調子が良い♪

今思うと、胃拡張(胃捻転)を経験するようになった当初の健康な時に、胃固定の為だけ!の
手術をした方が良かったかな?と思う。
胃拡張と胃捻転は別で、胃を固定してもまた胃拡張はおきて、その時はまた全身麻酔で処置を
しなければならない・・との事だったので、踏み切れなかったが、これだけ酷い胃捻転になるのなら
やるべきだったかもしれない。
ただ、前回の胃拡張(胃捻転)の後から、甲状腺の薬の量を倍にしていた。
もちろん、倍にしても数値(T4)は正常範囲だけれど、この増やした薬の量が今までと違った
胃の動きで一回転もしてしまったのかな?とも思う。

『処置が早くて本当に良かった。変な言い方だけど、胃拡張慣れしていて、詳しい説明も
しなくてすぐに手術できたのも良かった。これだけ酷かったら、まず助からない。
腫瘍も目に見えた範囲には1つも無いです。』

助かったから、いろいろな後悔・・しなくてすんだ・・。

『胃を固定しても胃拡張は別ですからね。気をつけて下さいよ。あんまり変な物をあげないで。』

固定してるんだから、ガスが上からも下からも上手く抜けるんとちゃうんかな?
と楽観的な事を思うが、ただでさえ、老齢で胃の働きが悪くなっているのに固定したのだから、
さらに胃の動きが悪くなってる・・よね?調子に乗らず、気をつけなければ!

術後1ヶ月経ったエコー検査&血液検査も全く異常無し。
『12歳前のバーニーズで、これだけ反応も良くて表情も良くて検査結果も良いのは奇跡です。』
院長先生の言葉が、素直に嬉しい・・。
−−−つづく−−−
(2006年4月12日 up)

特別日記(ご心配おかけしました。)

homeindex前へ次へ