大峯奥駈道を行く トップへ 修験道とは 修行中守るべきこと 名称について 大峯山の四門 十界の修行 六波羅蜜の実践 行程表
修験道は今から約1300年前、役行者によって開かれた山岳宗教で、山即神、山即宇宙である神仏一体観の信仰による山岳崇拝の精神をもととし、けわしい山岳を歩いて苦労に耐え心身を鍛え、出家の形を取らず優婆塞(在家の仏教信徒)のままで悟りに近づいて仏の境地を得る、在家菩薩道・即身即仏の優婆塞宗教である。  この宗旨は宗祖以後次第に民間に浸透し、平安・鎌倉・室町等の諸時代を通じて公私日常の生活に、あるいは思想界、宗教界にもし修験がなかったら果たして何が残るだろうと云われるほどの社会的勢力を持っていた。  ところが明治の神仏分離令により修験道は廃止され、本宗は天台宗に所属させられたが、終戦後独立復興し「本山修験宗」と称して伝統を守っている。  修験道の修行には入峰修行がある。入峰修行とは宗祖の開かれた諸国の霊山に登って修行する。即ち山に登って自然の声を経典として心身を鍛え、清らかな本心を磨きだして、仏に一致する修行である。(とそう)とは「はらう」という意味があり、山中を一心に歩くことにより雑念を払い煩悩を振払う、そこに仏に一致する意味が生まれることを目指している。  常時の修行とは、常に登山の時のような清らかな心持ちになることに努め、日常生活にも六波羅蜜の実践を活かし、上求菩提、下化衆生の菩薩としての心を顕わすのである。修験では生活がそのまま修行であって、一生が人生の修行、仏法の修行と心得ねばならない。
 
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