◇ 造形美術アカデミーです ◇

・ウィーン旅行記 2004 vol.11・

〜造形美術アカデミー〜

2004年11月03日


 ウィーンのゴミ回収車って、何で朝5時とかににぎやかくやってくるのでしょうか??しかも、ガラス類を回収してるのか、回収されるゴミまでにぎやかい!!道路に面した部屋のベッドで眠る私の安眠を、今日もゴミ回収車が妨害してくれます!!(怒)
 という訳で、必死に二度寝にチャレンジしながら、今度予約する時は、絶対にこのビルの中庭に面した部屋にしてもらうんだと呪文のように繰り返す朝がやってきました。

 さて、今日の予定は、まず造形美術アカデミーに行き、グランドホテルウィーンのフレンチレストラン"Le Ciel"でランチです。今回の旅のテーマは「オペラ」と「食」のまったり旅行。オペラが終わってからでは深夜になる為、また我々の胃袋では夜のフルコースは到底入らない為、またランチの方が言うまでもなくリーズナブルな為、お昼に食事を楽しみ、夜は観劇三昧にする!これが今回の旅の基本になっています。
 が、しかし!まったりの割りには日中動き回ってますし、食の割りには昨夜はマクドナルドだった・・・という指摘はしてはいけません(笑)

 今日も軽目に朝食を済ませ、歩けない距離ではないのですが、1週間有効パスを持っていることだし、という事でシュテファンプラッツからカールスプラッツまで1駅だけ地下鉄に乗って移動します。途中、昨日バッグステージツアーで様子を聞いた、『ドン・カルロ』の大きなポスターを地下鉄通路で発見。主役の二人が膝を折り、手に手を取り合っている写真です。もしかして、この演出は現代になっているのでしょうか?ドン・カルロは白いシャツにブルージーンズという、随分ラフな格好です。そして、鬼才(?)っぽい雰囲気で、自信に満ちた表情の演出家もそのポスターには写っていました。ほう、彼が今話題の人なのねとポスターをまじまじとみます。オペラは演出家の物と言われて久しいですが、オペラファンからはバカにされそうですが、恐らく彼も名だたる演出家の一人なのでしょう。

 駅からセセッシオン側に出て、でもそちらには行かず、手前の道を右に折れ、リングと平行するようにテクテクと歩き始めます。日本では完璧なる方向オンチの私が、何故か海外では迷わないという不思議な現象のもと、地図を片手に(何故か海外だと地図も読めるのです。笑)雨上がりで濡れた落ち葉が視覚的な寒さを演出している秋の道を二人歩いて行きました。

 今我々が向かっている造形美術アカデミーは、クリムト、エゴン・シーレ、ココシュカなど有名な画家を多数輩出し、かのヒトラーが受験に落ちた事で有名な美術学校です。ヒトラーがこの学校に入学する事が出来ていたら、歴史は変わっていたかもしれない。そう言われる名門美術学校の一角に、一般に公開しているギャラリーがあるのです。

 道路からすぐに始る階段を上り中に入ると、学校らしく入口には守衛さんの詰め所らしきものと掲示板が現れました。ごくごく普通の学校です。実際こうして我々が訪れている時も、教室では普通に授業をしていて、学生が行き来しています。

 何だか人の家にお邪魔している気分がしないでもない感じで、そろそろとギャラリーの表示がある方向に進んで行きます。入ってすぐに右へ進めの表示があり、それが階段を上がれになり、結構上の階なんだと思う頃には右へ曲がれの表示になって、道なりに進んだ正面奥に、何故かネオン表示(いきなりバーみたいでちょっとびっくり!)のギャラリー入口が現れました。

 ネオン看板の下をくぐり、中に入ると男性二人の受け付けが目の前に登場。入場料を払い、チケットを受け取ります。コートをコート掛けに掛けるように言われ、身軽になって中に入ります。
 まずは手前の部屋へ。案外狭い室内に人はほとんど居ません。ガルディの『ベネチア風景』を見ては、確かにベネチアはこの風景だったなぁ〜と、ありきたりな感想を持ち、ボッチェリの『聖母子』を見ては、あ、ボッチェリカラーだ、ボッチェリ顔だとこれまたありきたりな感想で。
 一枚ずつ時間をかけても、そう長居は出来ない展示室を一周するのはあっという間。展示の仕方からしてここの恐らく一番のメインは中央、ボッシュの『最後の審判』。中央上部には天界が描かれ、左には天国、中央と右には地獄が細かくかかれ、良く見るとかなり怖い内容になっています。なるほど。相変わらず宗教画はグロテスクです・・・

 と、ここまで来てはたと気付きました。え?全部でこれだけ??(笑)展示室って、この2部屋?(もしかすると3部屋だったかもしれませんが)こ、これだけ?(笑)

   余りにもあっけないので、もう一度リピートして、椅子に腰掛けてみたりもしましたが、それでもあっという間に絵画鑑賞は終わってしまい、思いの他時間が余ってしまうことに。残念んがら特に感銘を受ける絵はなく、案外グロテスクなヨーロピアンな絵画鑑賞は、ヒトラーがすべった学校見学、の色合いが濃くなりながら終了しました。

 受け付けでコートを受取り、面白かったのでネオン付き入口を撮影。いかにも学校な落書き付きトイレも見学してからエントランスへ移動。エントランスにさしかかった時、右手に閉鎖された講堂のような部屋を発見。暗くてはっきりは見えませんが、良くみると大きな部屋の天井には一面に天井画が描かれています。かなりの大作です。
修理中なのか、ガランとした部屋にはさびれた雰囲気が漂っています。名のある画家の作品なのでしょうか。(後に、フェイエルバッハによるフレスコ画『タイタンの失墜』であると分かりました)

 全体に薄暗いエントランスを出て、再び落ち葉の街へ出発です。目の前にはリング(環状道路)。その先にはゲーテの像が。椅子に座ってリングをじっと見つめ続けている彼の前で、同じポーズをとって写真撮影を楽しんだりしながら、オペラ座の方向に進んで行きます。途中、今ウィーンで一番目立っているラファエロ展の面白いポスターを発見!というか、いたずらを発見。天使(あるいは子供)の顔のアップにチョビ髭が・・・どこの国の人もやることは似たり寄ったりですね。

 あちこちで写真を撮って遊んでも、結構あっという間にオペラ座に到着。ランチまでまだ時間があります。という事で、一番近いショッピングエリア、リングシュトラーセン・ガレリエンへ行くことに。
昨日お昼を食べたコルソーの前を通り、リングシュトラーセン・ガレリエンの中へ。昨日と同じく、活気がさほど無いショッピングモールです。が、しかし!ここにもスワロフスキーが。以前私が気付かなかっただけかもしれませんが、本当にウィーンにはスワロのお店が多いんです。そして、また何故か見てしまいます・・・

 バッグや靴といった革製品を扱う店や、雑貨を扱う店。そしてBILLA。クリスマスのポストカードが欲しかったので、大きめの文具店を発見し、期待してみて見ましたが、全くの品薄状態です。ロンドンなら、マークス&スペンサーなどに、思わず買ってしまう可愛いカードが箱に入って積上げられている頃なのに!ウィーンの人はカードを渡す習慣があまり無いのでしょうか?カード不毛の地と勝手に決定。私の大好きな、洒落た小さなツリーも今のところ、全く姿を見ません。ああ、パストタイムとか、マークス&スペンサーがあれば楽しいのに・・・何故にウィーンはH&Mばかりになっているのでしょうか??

 「グリュスゴット」「アウフヴィーダーゼーン」を繰り返し、ひやかし部隊は気付けばめぼしい店を全て制覇。漸く時間も予約の時間に近づいて来ました。 さあ、ランチです。フレンチです!リングシュトラーセン・ガレリエンに隣接というより一体化しているグランドホテルの入口に、漸く足を踏み入れました。


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