◇グラーベンのユリウスマインルです◇

・ウィーン旅行記 2004 vol.34・

〜出発の朝〜

2004年11月06日


 遂にこの日がやってきました。出発の朝です。空港までの帰りの車を頼んだところ、このペンションと契約している車は既に予約でいっぱいという事で、タクシーを呼んでもらう事に。10時の予約を入れます。

 まずは、いつもの通りにビュッフェスタイルの朝食を取りに食堂へおりて行きます。今日が出発と思うと、ポットで運ばれる紅茶のティーバックの持ち手についているユリウスマインルのイラストも、紙ナプキンのシュテファン寺院の絵も、何だかとっても名残惜しく見えてきます。
 食後、荷造りをしつつ、最後の買物をすべくペンション前のカフェ、オーバーラーへ。目的はチョコですが、おいしそうなパンの数々を目にして、そうだ、買って行って空港で食べようと思い早速購入。
アプリコットのデニッシュパンとクロワッサンをチョイス。すると、40代ぐらいの長い金髪のおっとりとした感じの女性スタッフが丁寧にラッピングを開始。デニッシュ生地が壊れないように、厚手の紙でドームを作り、その上からまた紙で丁寧に包んでくれました。とにかくデニッシュ生地が壊れないように細心の注意を払って包んでくれた素晴らしいラッピングか完成。ちょっと感動してしまいます。  チョコは今回BOXで購入。パンと合わせて一つの袋に入れて持たせて くれました。お礼を言って再び部屋へ。
忘れ物が無いように棚や洗面所もチェックして、いよいよ出発です!

 10時少し前にフロント(といっても、食堂の横の小さなデスク) で待つ事しばし。背の高いいかにもヨーロッパな雰囲気のスーツで 決めた男性が入ってきました。この人がどうもドライバーのようです。 荷物は?と聞かれたので物凄く重たくなっているスーツケースを 指差します。それをひょいっと・・・力が違う・・・
 ペンションのスタッフに別れを告げ、いざ外へ。どこにタクシーが?と見ると、待っていたのはアルファロメオでした。
ア、アルファロメオがタクシー??見た目どこにもタクシーっぽさが 無いんですけど。まあ、料金はちょっと高めかな?とは思いましたが この車が待っていたのはちょっと驚きです。

そして、ここからが問題でした。アルファロメオに乗る人が、そんなに大きなトランクを必要とする事は無いようで・・・スーツケース2つが入らない!!!
こっちも「え?!」ですが、ドライバーも「えっ!?」って感じで 現在激しく積みこみ中・・・というか、出したり入れたり方向を 替えたりしてチャレンジしてるんですけど。
「あの・・・後部座席に入れてもいいですけど?」
と言ってみても、絶対にダメだという答えで。何が何でも トランクしかダメだそうです。ぐいぐいそんなに押したら 私達の荷物はどうなるの?と不安になりつつも見守ります。 この車に乗らないと、空港に行けないしなぁ・・・と。

 格闘する事数分(でもドライバーだけ)。結局トランクを 完全に閉めることは諦めたようで
「さ、行きましょう!」
ってドライバーは言うけど、こんなパッカパカに開いてて大丈夫なの?? と思ったものの、仕方なく後部座席へ。座ってみると総革ばりで美しい車内です。確かにここに荷物は入れたくないでしょうねぇ・・・
 さて、いざ出発となり、ドンナーの泉裏などを通りながらリンクへ。 カールスプラッツの近くを通った時、行ったね、見たねと日本語で話していると
「寄っていこうか?」
とドライバー。いえいえいえ、もう行ったからいいです!と答えるものの、案外いい人なのかもしれないと、先ほどの「荷物強引押し込み、でも不完全事件(?)」でダウンした印象が少しだけ上昇。
と、ここで信号まちをしている我々に他の車が軽くクラクションを鳴らして来ました。相手は車の窓をあけてドライバーに話しかけてきます。それに答えるべく、こっちも窓を開けます。

 ドイツ語なので、ここからは推測翻訳という事で!(笑)
「あの、トランクのふた、開いてるよ?」
そう!そうなんですよ!開いてるんです!しかも中味は我々の大事なスーツケースなんです!!と見ず知らずのドライバーに心の中で激しく訴え中な我々。しかしかれは、
「分かってる。分かってるよ。分かってるから大丈夫」
・・・大丈夫じゃないと思うんですけど。多分。

 空港へ向かう道の途中、観光した場所が次々に登場して、ああ名残惜しい!と思うのもつかの間。高速道路に入った途端、アルファロメオの本領発揮!とばかりにスピードがガン!と上がりました。
 こ、怖い・・・時速何キロぐらい出てるかメーターを見ても時速表示がkm/hではないので分からない!だからより怖い!分からない程怖い事は無い!!

 ぎょえ〜と思いつつ、いつの間にかアルファロメオの何とも言えない包み込むような感触のシートにどっぷり身を沈め・・・というより力学的に沈めざるを得ない?(笑)状態で、早く着いて、早く着いて!!っていうか、このスピードでトランクは果たして大丈夫なのか?!と更に身を硬直させているうちに、空港に到着。
ふーっ。スリリングだったわ〜とぐったりしながら再びこの足で大地を踏みしめた事に感謝します。でも、運転はプロだったんですよ。問題はトランクが開いていた事と、私が高速を光速で駆け抜ける事に慣れていなかっただけなんですが・・・なかなか緊張感のある時を快適なアルファロメオで体験させてもらいました。ああ・・・

 トランクが開いたままでの走行以外は紳士的だったドライバーは荷物もちゃんと持ちやすい位置まで運んでくれて、最終的にはいい人だったという結論に達して別れます。
 しかしこの乗り心地。降りてみて一息ついて考えると、とてもヨーロッパらしい主張を感じる良い車でした。日本車にはない重量感というか、エンジンの力強さというか。

 さあ!ここからはまたお楽しみタイムです。我々の空港での目的は、何といっても空港内ハロッズ。ここでトートバッグを買うのを楽しみにしている友達の意気込みを感じつつ、いざ構内へ。ところが・・・


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