Matthew Bourne's Nutcracker! Report@ Sadler's Wells Vol.5
21&22 November,2002
By Natsumu


 壊れたものなんか、興味ないわと、急激に興味を失いぷいっと何処かに行ってしまったシュガー。そして、残されたクララと壊れた人形。そこに救世主のドクターが登場。

 とれてしまった人形の腕を、早速ドクターが治しにかかります。といっても、クララと同じ孤児院の男の子、ニール・ペリントンとその助手ヴァレンティナ・フォーメンティ(だったと思います)なのですが。このなかなか心優しい二人組は、私の記憶違いでなければ(二ールがそうだったというのは自信ありですが)後にクララを助けてくれるキューピッド役の二人です。
 このキューピッド役は狂言まわしでもあり、演技力、コメディアン的要素を要求される、マシューらしいキャラクターです。まるで台詞が聞こえてくるような二ールとヴァレンティナ。流石、上手いです。

 無事先生の手術は成功。喜ぶクララにつかの間舞台は和やかな雰囲気に。子供達はおのおの手にしたおもちゃに満足そうです。

 さて場面は変わり、暇乞いをする訪問者とDrドロスとその妻が登場。訪問者の一人の女性とDrドロスは何やらいい雰囲気に。すっかり打ち解けてというより、すっかり親密に。というより、それ以上な雰囲気が(笑)
 ドロスの設定は子供達に冷酷で意地悪。外面は良く女ったらしな嫌な奴と、ろくでなし路線つっぱしってますが、演じてるのがスコットだけに・・・憎めませんっ。どころか、ALL OK!
ああ、判断基準が麻痺しています。。。
 訪問者が帰るまでは微笑みをたたえ続けていたDrドロスが訪問者の見送りを終えた途端、「あー、疲れた。やってられるか」と本来の彼の姿に豹変。その様子が、台詞が聞こえてくるかのようで実にお見事!やっぱり上手いです。役者です。この荒んだ感じがまたいいっ!って、何をやってもいいと言ってるようなものですが(笑)

 今までのいい人な仮面はあっという間に脱ぎ去り、クリスマスの飾り付けをひっぺがしにかかります。ドロス夫人は枯れ木のクリスマスツリーを窓から外に放り投げ、お人形をゲットした男の子から人形をひったくって取り上げる。そして、もう寝ろとばかりに子供達をどんどんベッドに追い立てます。
先ほどまでの作られた穏やか和やかな空気はツリーと一緒に窓の外へ投げ捨てられてしまいました。
 この冷酷さがピアシーからひしひしと伝わってきます。白鳥のガールフレンド役ではあんなに饒舌そうだったピアシーですが、ドロス夫人の彼女はめったな事では口をきかない気の強い冷たい、感情が表に出て来ない氷のような女性に見えます。まるで別人の印象を受けるのです。
 全員がネグリジェ式の寝間着に着替え、ベッドに潜りこんでいきます。しかし、一人離れた所で人形を抱えて佇むクララ。ドロス夫人はさっと彼女に近付き、人形をとりあげ、他の子供達のおもちゃと同様クローゼットにしまってしまいました。  クローゼットの鍵をかけ、部屋から出て行くドロス夫人。一つのベッドには2、3人の子供達が潜り込んでいます。何と狭い。そして、何と怪しげな(笑)いえいえ。子供達は寄り添って眠るのです。

 暗くなった部屋。そしてクローゼットが気になるクララ。鍵束を探しにこっそりベッドを下ります。
 そこにふらふらと千鳥足で酒瓶片手に部屋を横切るDrドロス。この酔っ払い方、白鳥の王子がちらっと脳裏を過ります。何処から見ても酔っ払いなスコットでも、舞台そでに引っ込んでしまうと、寂しい・・・
 そこにサラーン演じるシュガー登場。彼女もクララの人形が気になって仕方なかったのです。鍵を手にクローゼットの前に立つシュガー。そして、時計の針が12時をさす中、勢い良くクローゼットの扉を開けました。

 そこに立っていたもの。それは何と人サイズのクララの人形だったのです!またまたマシューお得意のビニール仮面人形チックキャラの登場です!!


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