アラン・ヴィンセント演じる「くるみ割り」の盛り上がった上腕二頭筋。たくましい胸板。うーん。もうどこから見ても、マッチョな体型でダンサーとはとても思えない(笑)まあ、それは今に始まった事ではないのですが。
妙に目につく素肌に白いサスペンダーに気を取られていると、何と何と。彼と同じ格好の男性ダンサーが続々と舞台に登場。もう、観客は笑うしかありません。
全員でボディービルダーがするように、両腕を上向きに折り曲げ、両腕の筋肉の盛り上がりを披露。良く見ると、リチャード・ウィンザーも居ます。あはは。おかしい。このナンセンスな感覚もマシューらしい。
「我々は、力持ちなんです!」という台詞が聞こえて来そうなポーズを決めた後、おもむろに彼等は亀裂の入った壁の前に整列しました。そして、全員が壁に手をかけ、一気に引っ張りあげたのです!
あっという間にシャッターのように上に持ち上がる壁。そして、今までのダークで閉鎖的な部屋から広い空間へとかわりました。うーん。今までにない場面展開です。マッチョな男たちが腕力でセットをかえてくれるなんて(笑)笑い転げてる観客もかなり居ます。
さて、上半身露出度の高いサスペンダー君達が立ち去り、クララとくるみ割りの二人が、舞台に残されました。
グレーと白だった床は水色と白のクロスに。正面の白壁は中央が丸く切り取られ、そこからのぞく空は美しい水色。そして、これはクララの夢なのだという象徴のように、床には大きな大きなふかふかな白い枕が置かれていました。
今までのダークな風景からのこの色調への場面展開は、目に鮮やか。そしてクララ同様観客までもを、何処かに連れ去ってくれます。
クララとくるみ割りのダンスが終わると同時に、大きな大きな純白の羽が空からスウィングして登場しました。枕の上に浮かんで止まります。この風景。まるで天国のようです。
羽と入れ替わるようにくるみ割りは姿を消し、クララはまた一人取り残されてしまいました。この結局は一人ぼっちの役。マーフィットは上手いし、多いですよね。Car Manのリタもそうでしたが。
さて、一人取り残されたクララの背後に丸められた雪が左右に通過。どうやら雪合戦のようです。そこにあっという間に全身白できめ、かわいい帽子をかぶったスケート靴を履いた男の子達が登場。全員シャー、シャーっと床に足を滑らせて出てくるので、最初は何なの?と思うのですが、とにかく彼等は全員スケートしているという設定です!決して、床を靴の裏で掃除しているのではございません(笑)
かわいらしい衣装に身を包んだ男の子たち。言うまでもなく、さっきのサスペンダー君達なのですが、そこに帽子をかぶっていないくるみ割り(アラン・ヴィンセント)も含まれていました。白のハイネックにパンツ姿です。
女の子たちもかわいらしい白のワンピースを着て、これまたスケート靴を履いて登場。床の上をすべってます。シャー、シャーっと音をたてながら(笑)
クララを除く全員が、かわいらしい暖かそうな白い衣装を身に付けています。女の子は毛皮の縁取りつきのワンピースなんかを着ていて、とってもキュートで暖かそう。その中、一人目をひく女の子が。ピンクの美しいドレスを纏ったプリンセス・シュガーです。その姿はフィギュアスケートの衣装のように華やかで、プリンセスの名の通りゴージャスです。
襟裳と袖口は白い毛皮で縁取られ、頭にはキラキラと輝くティアラが。そしてドレスには、全身ラメがちりばめられ、キラキラ、キラキラと輝き、まさしくプリンセスという言葉がふさわしい。舞台上のシュガー演じるサラーンの美しさは言うまでもなく、スタイルも抜群。
中味はドロスの娘シュガーですから嫌な女の子のままのはずですが、見た目は夢のようです。
美しい彼女に早速興味を示すくるみ割り。そして、おしとやかで美しく優しそうな外見とは違うプリンセス・シュガーは、あっという間にある企みを考え付いたのでした。
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