Matthew Bourne's Nutcracker! Report@ Sadler's Wells Vol.9
21&22 November,2002
By Natsumu


 幕間の休憩に、改めて先ほど購入したプログラムを開きます。表紙はポスターにもなっている、スノードームの中でリチャード・ウィンザーが飛び跳ねていて、それを少女が目を輝かせて見つめているというもの。このポスターだけだと、リッチーが主人公?と思ってしまいますが、さにあらず。
 ページをめくっていくと、舞台のワンシーンの写真の他に、デザイン画。これで見るとDrドロスはかなり妙ちきりんなおやじです(笑)フリッツも思惑道理ヤなガキだし。

 そしてそして。特筆すべきは、今回キャスト紹介の写真が全て子供の頃のものという事!
 スコット・アンブラーから始まるのですが、うーん。白黒といういう以上に時代を感じる質感の古さ。しかも、今の彼の面影はあまりありません。そうかぁ。スコットってこんな男の子だったのか。子供の頃と今が結びつかない。

 絵本に出てくるような男の子といえば、ロス・カーペンター。黒のキャップを逆さにかぶり、ストライプのタイにいたずらそうな笑顔を浮かべています。細かいウェーブのかかった長髪の赤毛にそばかす、いかにも外国の女の子という雰囲気で微笑んでいるのはサラーン・カーティン。本当に大人しそうです。
 キュート!なのは友谷真実さん。大きな目が印象的です。いたずらそうな女の子達はバレンティーナ・フォーメンティとミカエラ・メッツァ。子供の頃から余裕のお姉さんスマイルなのはエタ・マーフィット。今もそのままの気の良さそうな満面の笑みを浮かべるニール・ペリントン。

 いかにも男の子って顔ではえかけの前歯でかわいく笑っているのはアーサー・ピタ。白い肌に赤い頬、慣れた笑顔をこちらに向けているのはアラン・ヴィンセント。彼が後のルカになるとは、当時は誰も思わなかったはず(笑)
 一方、今のフリッツにも通じる自信ありげな笑みを浮かべこちらを見ている真っ青な目と金髪の少年はユアン・ウォードロップ。大物になりそうな余裕の笑みです!(笑)
 そして、もうピカピカの前髪をきちっと揃えてもらってバラ色の頬に微笑みを浮かべて坊ちゃん坊ちゃんした顔でこちらを見ているリチャード・ウィンザー!かわいがられて育ったのがよーく分かる一枚です。

 そして、キャスト以外でただ一人写真を出しているマシュー・ボーン。今と変わらないその笑顔。マシューもこれ、前歯がはえかけてる写真です。
 私も写真が残ってますが、子供の頃って前歯がなかったり、はえかけてたりしてる写真ってあるんですよね。(私の場合、バレエの発表会で凄いメークにチュチュで前歯がないのに笑ってるという恐い写真が残ってます…その後すぐにバレエはやめてしまいましたが)

 なかなか今回、面白いプロラムだわとめくっているうちに、休憩が終わり再び会場が暗くなります。そしてまた急いで入ってくるマシュー・ボーン。

   先ほどまでの華やかな一時は去り、今クララは一人、白い木製の「FROZEN POND」とかかれた氷柱のついた道しるべの下に座っています。辺りは闇。闇の恐さと一人ぼっちという寂しさに一人たえるクララ。
 と、そこにハート型に組み合わせた大きな大きな2枚の白い羽根のブランコに乗たキューピッドが通過。その途端会場からクスクス笑いがわき起こります。
 マシューのキューピッドが普通の訳もなく、出て来ただけで既に笑いを取っています。彼等は青と白のストライプの長そでパジャマ。しかも、黒ぶち眼鏡つき!でもちゃんと髪はショートの金髪で、背中にはエンジェル羽がついているので、やっぱりどこから見てもキューピッドです。

 そんな変なキューピッドが後ろを通過してるなんて、これっぽっちも気付いてないクララは相変わらず途方に暮れて座っています。
 でもキューピッドはしっかり彼女を発見。にっこり笑いながら彼女の背後を右から左にスウィングして通り抜けて行きました。言うまでもなく、道化役です。

   今日のキューピッドはヴァレンティーナ・フォーメンティとニール・ペリントン。早速空から地に下りてきました。二人揃って現れ、腰を振って背中の白い羽根をプルプルっと動かしてくれます。お、おかしいっ!この羽根がまた嘘っぽい嘘っぽい。生えてるというより、「つけてる」もしくは「しょってる」です。

   驚くクララの前にやったら明るいキューピッドが登場。前向きです!とにかく信じがたいほど明るく、何がそうさせてるのかは謎ですが、信じるままに突き進んでいく感じ。
 余りにかけ離れたモードのキューピッドにたじろぐクララ。でも、そんな彼女の様子を気にする事なく、二人は右手の人さし指を突き出し、「そう!」とでも言うように、声無き声を発しながら「思い付いたわっ!」「こうすべきだよ!」とクララに有無を言わせない勢いで詰め寄りました。何を思い付いたの?と思っていると・・・
 空から水色に白い水玉のかわいいワンピースが降ってきました。白いハトが2羽でくちばしにくわえたワンピースをクララちゃんにお届け。また会場からクスクス笑いが。
 その唐突さよりもワンピースに心奪われたクララはあっという間にワンピースにお着替え。芸細ですが、ハトはワンピースをかけていたハンガーをくわえて退場。またまた笑いが。おかしい。やっぱりおかしい。

 着替えたクララにキューピーッドは再び決定権を行使。そう!とまた指をぴっと立てて「こうしなさいっ!」とフォーメンティのキューピッドはクララの手を取り、何故か孤児院のままのドアを開けてクララを誘いました。

 さあ、目指すは皆が居るSWEETIE LAND!


"Matthew Bourne's Nutcracker!"インデックスに戻る

Matthew Bourne's Nutcracker! Report@ Sadler's Wells Vol.8に戻る

Matthew Bourne's Nutcracker! Report@ Sadler's Wells Vol.10に進む

Matthew Bourne & NEW ADVENTURES News & Informationを見る

HOMEに戻る