A298
効果の無かった少子化対策をこれ以上繰り返すな 支離滅裂の読売新聞の社説

 3月30日の読売新聞社説は、「少子化対策 出産後も正社員で働けるよう」と言うタイトルで、次の様に論じていました。(茶色字は記事、黒字は安藤の意見)
------------------------------------------------------------------------------------
[社説]少子化対策 出産後も正社員で働けるよう
2026/03/30 05:00  読売

 少子化対策に特効薬はない。女性に育児の負担が偏っていることや、婚姻数の減少、低収入による将来への不安など、様々な要因複雑に絡み合っているからだ。

 
だからといって現状を放置していたら経済の活力は失われ、社会保障制度の維持も難しくなる。官民が総力を結集し、できることから着実に手を打つ必要がある。

 
有識者や若者らでつくる「未来を選択する会議」が、人口減少対策に関する提言をまとめた。従来の経済的な支援に限らず、働き方改革対策の中心に据えるよう、国に求めたのが特徴だ。

 具体的には、女性が出産後、
正社員から非正規雇用に転じる「L字カーブ」の解消や、夫婦が協力して子育てができる「共育て」の環境の整備を提案した。

 L字カーブとは、正社員として働いていた女性が出産後、育児と仕事を両立することが難しくなり、勤務時間を調整しやすい
非正規に転じる現象をさす。

(以下省略)
--------------------------------------------------------------

 「様々な要因複雑に絡み合っている」のなら、それらから原因を突き止めるべきである。今するべき事の第一歩として、今までの何の効果も無かった少子化対策の誤りを認めて、その責任の所在を明確にすることだ。
 次に突き止めるべきは「
原因」であって、「要因」では無い。曖昧なままで誤魔化す事は許されない。

 「原因」を明確に出来ない(しない)中で、「特効薬が無い」と言い、更にそれを口実にして、「女性育児の負担が偏っている」として、「少子化」を“改善”するための“対策”として、「出産後も正社員で働けるように」と言っている。原因が不明対策が立てられるのか。言っていることは正に支離滅裂である。

 
敗戦による大打撃(戦後の占領下で、禁止されていた堕胎が奨励・拡大して出生率が急減(激減)したのはこれに当たる)、疫病の大流行、大地震による大打撃などでも無ければ、婚姻の減少少子化などは自然界ではあり得ないのだ。現在の日本社会がいかに不健全な、クレイジーな社会か考えてみれば分かることだ。

 今までの「子育て支援」でさえ「少子化対策」として効果が無かった事を考えると、「出産後の女性を
正社員に据え置く」ことが少子化改善に寄与することの説明も無いし、少子化対策としての効果は全く期待出来ない。
 
れにもかかわらず、なぜ、どこからこのような根拠の無い主張が繰り返されるのだろうか。言っていることは支離滅裂であり、結局は他意のある便乗”とみられる。

 戦後の日本では、空前のベビーブームが到来したが、当時は女性の育児の負担が軽かったとか、ほとんどの女性は正社員として働いていたという事実は無い。当時は夫婦共働き(共稼ぎ)は稀であった。

 「共働き夫婦への育児支援」と「多くの女性が正社員」は、現代の「少子化社会」と結びつく現象と言える。統計資料を見れば、両者には因果関係を読み取ることが出来る。

 「
放置すべきでは無い」、と言うのはその通りだが、原因が不明の上に更に対策の効果の有無も何も明らかにせずに、対策を提案するのは、極めて無責任である。
 原因も対策の効果も考えずに、「
だからといって・・・、出来る事(やりたい事)から手を打つ」とは、「少子化」に“便乗”を宣言していることに他ならず、効果が無いどころか、現状を更に悪化させる可能性が高い。

 「有識者や若者らでつくる『未来を選択する会議とあるが、国民の代表でも、未婚者(非婚者)の代表でも無く、“”がどういう基準で選んだのか意味不明の“
有識者”の意見により、議論が進んでいく日本の現況民主主義とは無縁の社会と言わざるを得ない、

 ここに共同代表として名前が上がっている
増田寛也は、つい最近まで日本郵政の社長を務めていた人物で、社内で重大な不祥事件が発生したにもかかわらず、何の対応も、責任も取らず後任者にすべてを丸投げして退任した“無責任の見本”と言うべき人物である。
 この「未来を選択する会議」の“活躍”は、「
官民が総力を結集」どころか、まさに・学・マス“三悪そろい踏み”の現場である。

 共働きの女性(母親)に対する子育て支援は、1989年の「1.57ショック」以来37年間、少子化対策の柱として実施されてきたが、少子化は解決も改善もしないどころか、むしろ少子化を深刻化させてきたと言うのが現実である。

 共働きの母親は、保育園の増設、労働条件の優遇などで様々な恩恵を受けたが、それが少子化改善に結びついたと言うデータは無い
 共働きの女性(母親)に対する子育て支援の結果を見れば、それは改善策では無く、悪質な「便乗詐欺」行為だった事が分かる。
 37年が経過し、効果が無かった事が明らかになった今になっても、対策廃止を求める声が出ないことは、雄弁にそれを物語っている。彼女達は少子化を口実にし(便乗して)利益を得たのである。

 少子化の
原因が、未婚(非婚)の増加であり、「子育て支援」の不足では無いということは、「釣った魚に餌を与えても、漁獲は増えない」という言葉が示すとおりである。
 ではなぜ未婚「非婚」が増えたのか。百歩譲って、子育ての負担が原因だとしても、子供を持たない夫婦生活も可能なのだから、未婚の増加の原因を「子育ての負担」に結びつけるのは、無理がある。未婚の増加の原因はそれ以前の問題、つまり「配偶者を持ちたいと思わない,あるいは持ちたくても持てない若者が増えたのである。
 「配偶者を得たい、子供を持ちたい」、という
健全若者の減少は、今の日本が「病める社会」であるという事である。
 
これらの点を考えれば、少子化、「未婚(非婚)の増加」には、男女(夫婦・父母)の役割分担否定(禁止)社会蔓延が、致命的悪影響を及ぼしていると考えるのが正論である。

 「特効薬は無い」、「様々な要因複雑に絡み合っている」は、過去の対策は「効果が全く無かった」ことと、「偽りの少子化対策推進」行為に対して、責任を負うべき人達責任を逃れようとしてしている「醜態」に過ぎないのである。

 原因を要因と言い換え、さらに「様々な要因複雑絡み合っている」と言って原因を明らかにせず、「対策として正社員化」を提案するのは、無責任極まる話しである。

 育児の負担が女性に偏る(反対に家業の負担や通勤勤務の負担が男性に偏る)と言う、夫婦・父母役割分担は、人類史上の自然の実態であり、そこでは婚姻数の減少も、「少子化問題」も無かったのである。

 あったのは、偏差値(だけ)は
高いものの、女性としての役割分担が得意で無い(苦手の)女性の存在だった。彼女達は決して多数派では無かったが、社会での影響力は小さくなかった。

 そして、彼女達の存在こそが、役割分担社会の
消滅と、男女共同参画社会をもたらした原因であり、未婚(非婚)の増加、ひいては少子化社会をもたらしたのである。

 「少子化」に限らず、解決・改善が必要な問題に直面して、「対策」が必要となったときには、その問題発生の「原因」を突き止めることが必要である。それなくして有効な対策あり得ない

 そして、その間効果の無かった(誤った少子化対策(そのほとんどが共働きの母親に対する子育て支援)が、検証される事も廃止されることも無く、漫然と継続されて今日に至ったのである。これはまともな政策の実施では無く、少子化に便乗した詐欺行為でしか無い。

 この社説ではその理由・効果の根拠が説明されることも無く、少子化対策として「出産後も正社員働けるよう」にする事が主張・提案されている。根拠が不明の「少子化対策」、いや、もはや効果が全く期待できない対策が、「特効薬は無い」という無責任のもとで繰り返されようとしている。

 今まで長年続けてきた子育て支援を中心とする少子化対策は、何の効果(成果)も得られなかったのである。しかるにその時間費用無駄遣いだった「対策」に対して、
批判の意見や「廃止論」が報じられたことは一度も無い。
 
驚くべき「無責任」である。

(参考)
I50. 国民年金の第3号被保険者制度は、優遇なのか束縛なのか

I62. 少子化問題、女性問題を語る東大女性教授(白波瀬佐和子氏、本田由紀氏)のレベルへの疑問-男女雇用機会均等法以降未婚が増加-

I70. 完全に破綻した厚労省の少子化対策 その原点は1994年の「エンゼルプラン」にある(その1) -未婚者増加の原因は男女共同参画社会-

I73. 「新しい経済政策パッケージ」は支離滅裂の総花的パッケージ -少子高齢化対策の効果に疑問-

令和8年4月4日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ