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台高山系エリア |
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60 三峰山(1235m) B <1985.05.03>![]() 一等三角点の埋まる山頂は樹木の成長でかっての大展望が失われ、僅かに北側に室生火山群が望める。南西に少し下った八丁平からは、迷岳、池木屋岳、国見山など台高の山々の展望が良い。八丁平はススキやヒメザサに覆われた広々とした高原で、花期にはシロヤシオの花が咲き誇る。 山麓の御杖村は伊勢本街道が通り、垂仁天皇の皇女倭姫命が、天照大御神の御杖代(神意を受ける依代)」となって巡行した時、この地に行宮を造り休憩したところ地という伝承がある。村名は倭姫命の玉杖を祀ったことから生まれたという。 「みつえ青少年旅行村」が起点となる。シーズンの休日には、ここまで「霧氷バス」が運行される。少し引き返し神末川に架かる橋を渡り、大タイ川沿いに行くと尾根道の「登り尾コース」と、落差15mの不動滝を見る「不動谷コース」に分岐する。いずれをとっても1時間半ほどで避難小屋がある地点で合流する。小屋から三畝峠を経て約30分で山頂に達する。別コースとして、新道峠(ワサビ峠)を経るコースがある(2時間40分・林道歩きが長く下山に使われることが多い)。三重県側からも福本道といわれるコースなどがあるが、私は歩いていない。 |
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61 高見山(1248m) B <1978.01.22> ![]() この山は古くは高角山(たかつのやま)といい、山頂の高角神社は神武天皇東征のとき道案内を勤めた八咫烏建角見命(ヤタカラスタケツノミノミコト)を祀る。杉平からの表登山道には、神武天皇が国見をした国見岩がある他、天狗岩、揺岩、笛吹岩など伝説の残る巨岩が多い。 高見山は『万葉集』 我妹子を いざ見の山も高みかも 大和の見えぬ 国遠みかも の「いざ見の山」に比定されている。「去来見山(いざみやま)」の別名はこの歌が元になっている。 山頂からの展望は名の通り雄大で、間近の三峰山をはじめ曽爾、大峰、台高の山々などが一望である。 山頂南側の大峠は、伊勢街道が通る高見峠として交通や通商の要衝であった。今は峠のさらに南の山腹を国道166号線高見トンネルが通っている。登山口の杉谷近くには「古市」跡が残り往時をしのばせる。 一番簡単に登るには、車で166号線から大峠に登り広場に駐車すると、1時間足らずで山頂である。平野からは樹齢700年の高見杉を見て2時間半。杉谷からは伊勢南街道を通り小峠へ。ここから急登で平野からの道と合するとなだらかな尾根道になり、先述の説話の説明がある岩を見ながら山頂に向かう。冬には美しい樹氷が見られる人気の高いコースである。杉谷の登山口から2時間15分。 |
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62 国見山(1419m) C <1994.10.16>![]() 近年は灌木が次第に視界を狭めていると聞くが、2001年に伊勢辻山へ縦走した時は、越えてきた水無山の向こうに薊岳から明神岳、檜塚に続く稜線、遠くに大台ヶ原が霞んで見えた。山頂から南に縦走路を行くと、すぐウシロ嵒という絶壁上の展望台があり、明神谷を隔てて薊岳がよく見える。 明神平から明神岳、水無山を経て登るのが一般的である。私たちが初めて登ったときは、最短で山頂に立てる「天高ルート」をとった。この道は大又林道終点から明神平に登る途中、旧あしび山荘を過ぎたところでキハダサコの涸沢に入る。右岸を行き尾根に出て急登する。右にキハダサコの源流を見る痩せた岩尾根から、プナ、ヒメシャラ、コナラ、リョウプなどの雑木林に変わり、出会いから1時間で頂上に着いた。 |
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63 伊勢辻山(1290m) C <2001.05.07>![]() 山頂からは北に高見山、遠くに倶留尊、大洞など室生の山々、その右に局ヶ岳、修験業山、栗ノ木岳。東から南にかけては国見山、水無山の稜線。南方、薊岳の右に大普賢、山上ヶ岳など大峰の山々…と見飽きぬ大展望が繰り広げられる。 国見山と伊勢辻山との間には「馬駆場ノ辻」という芝のような草地があり、源義経が愛馬と別れた場所という伝説が残る。山頂から大又に下る途中には、落差30mと聞く和佐羅滝が山肌に白布をかけている。写真中央が伊勢辻山、右は赤ゾレ山) 高見峠からは雲ヶ瀬山、ハンセ山を経て3時間。私たちは明神平から明神岳に登り、水無山、国見山と北上して伊勢辻山から大又に下った。明神平から約1時間45分だった。 |
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64 明神岳(1432m) C <1998.04.26> ![]() 東吉野村大又から、大又川に沿った林道は魚止滝や石ヶ平谷、三度小屋谷、アベ山谷などいくつかの支谷を見送り、かなり奥まで通じている。終点から、冬には美しい氷瀑と化す明神滝をみて、樹林帯を登ると約1時間半で明神平に着く。新しい「あしび山荘」の西側から台高山脈主稜線にかけての笹原は、かって雪質のよいスキー場として知られたところである。頭上に見える稜線に登りきったところは三ツ塚と呼ばれ、北は水無山、国見山へ、南は千石山を経て池木屋山、西は薊岳への三叉路となっている。 三ツ塚から南へ10分ほどで檜塚への支稜が分かれるが、明神岳はここ(国土地理院地形図には山名の表記はなく、前述の穂高明神と記されたところ)に位置している。周辺は美しいブナ林で、展望は主稜線を少し南に下った笹ヶ峰(1367m)の方が優れている。 大又バス停から林道終点までは歩くと1時間15分ほどかかる。薊岳から明神岳へ1時間強。 |
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65 薊 岳(1406m) B <1997.08.09>![]() 岩稜とシャクナゲの間に登山路が通る狭い山頂は素晴らしい展望所である。南に木ノ実ヤ塚の円頂に続く二階岳。北に伊勢辻山、その右の赤ゾレ山との間に高見山、その奥に曽爾の山々。伊勢辻山から国見山、水無山に続く稜線、明神岳からの尾根が池木屋山を過ぎて低くなると、その上に七ツ釜高から日出ヶ岳、経ヶ岳へと続く大台ヶ原が浮かぶ。経ヶ岳の下に見える二階岳がちょうど南になる。南西には釈迦ヶ岳、仏生ヶ岳、特異な山容の大普賢岳から山上ヶ岳、大天井岳と大峰の山々。さらに右、西から北西にかけては岩湧山、金剛山、葛城山、生駒山まで望むことができる。 大又からの途中にある大鏡池(だいきょういけ)は、今は水量が少なく湿地状だが、竜神を祭る祠がある雨乞いの池で、夕日長者(金扇で沈む夕日を呼び戻そうとする)や美しい天女、天狗までが登場する賑やかな伝説が残っている。 1997年に明神平から(1時間15分)、2004年には大又から(3時間)、2005年に木ノ実ヤ塚経由(麦谷林道登山口から1時間30分)で登った。写真は明神平下からの薊岳。 |
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66 木ノ実ヤ塚(1374m) C <2004.11.02>![]() 三等三角点のある山頂は樹林に囲まれ展望はないが、広くて明るい感じである。山頂から薊岳へは、急坂を水溜まりのような池がある鞍部に降り、しばらく岩混じりの暗い痩せ尾根を登る。尾根が広くなると、ブナ、ヒメシャラ、オオイタヤメイゲツなどの林の中、気持ちの良い稜線歩きとなる。右手の梢越しに明神岳から笹ヶ峰、千石山と続く稜線が見える。薊岳のピークを見上げながら、傾斜が強まった道を岩角や木の根を掴んで登るようになると、間もなく薊岳雄岳山頂の東端にでた。 麦谷川沿いに伸びる林道麦谷線を車を利して登った。林道が稜線にでたところが登山口で、すでに標高は1100mある(したがってランクはAに変わるだろう)。二階岳(1242m) を経て1時間ほどで頂上に着いたので、薊岳へピストン(80分)して展望を楽しんだ。 |
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67 池木屋山(1396m) C <2003.04.27>![]() 私たちは、三重県側の奥香肌峡宮ノ谷から入山した。それでも標高差580m、休憩を含めて4時間の登高を強いられた。山頂は笹原とブナの疎林に囲まれ、大熊谷の頭、迷岳、白倉山、古ヶ丸山などが展望された。近くの木立の中に小さな木屋池がある。山の名はこの池から来ているとも、池の畔に小屋があったからとも聞くが定かでない。 宮ノ谷は奇岩や飛瀑の連なる美しい渓谷である。高滝までは遊歩道が設けられ、犬跳び、鷲岩、六曲屏風岩などの奇岩や蛇滝を見ながら行く。高滝は落差50mの堂々たる大滝で、ここから猫滝を過ぎるまで、岩角や灌木などを手掛かりに登る危険地帯である(ロープあり)。河原を何度か渡り返して「奥の出合」で谷を離れ、ようやく中尾根の本格的な登りになって山頂に立つ。 奈良側からは他に川上村入之波(しおのは)から北股川を遡行するルートがあると聞く。参考までに私たちのコースタイムを記す。 宮の谷林道終点08:20…高滝(下)09:20〜09:30…奥ノ出合10:35〜10:40…池木屋山12:20〜13:00…奥ノ出合14:20〜14:30…高滝15:20〜15:25 …林道終点16:25 |
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68 日出ヶ岳(1695m) A <1967.09.16>![]() 山頂から東に下ると、冠松次郎が「関西の黒部」と絶賛した大杉谷がある。大小の瀑布と深い淵を連ねた9キロにわたる美しい渓谷である。(現在、山頂へは通行不能) 戦後、ドライブウェイが山頂近くまで開通し、夏の避暑に訪れる観光客も含めて、冬季ドライブウェイが閉鎖される時期を除いて賑わうようになった。山頂駐車場からコンクリートの展望台が建つ山頂までは、コンクリートの階段道や木道で40分で到着できる。日出ヶ岳登頂だけで物足らぬ向きは、東大台周遊路を一巡されるとよい。美しい笹原の正木ヶ原や神武天皇の銅像が建つ牛石ヶ原から、大蛇ーの岩頭で展望を楽しみ、シオカラ谷吊橋から駐車場へ4時間半ほどで回れる。 かって山頂から正木ヶ原にかけては、立ち枯れたトウヒの白骨林が特異な景観を見せ、イトザサのなかにシカが遊ぶ楽しい道だったが、鹿による食害と登山道保護を名目に木の階段道が設置され、人工的な空中回廊の様相に一変している。また、より豊かな自然の趣を残している西大台周遊は、2007年9月からの入山規制で安易には歩けなくなった。 ドライブウェイ終点の山上駐車場からスタートするのが普通になったが、かっては筏場道、尾鷲道(廃道に近い)が大台ケ原への登路だった。小処温泉から笙ノ峰、逆(さかさま)峠、開拓を経て山上駐車場に向かう道は、西大台規制区域を通り約6時間。 |
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69 白屋岳(1177m) C <2001.09.16>![]() 山麓の白屋はかって林業の村として栄えたが、大滝ダムの建設によって大きく変貌する。ダム建設による地滑りの危険はかねてから危惧されていたが、2003年試験湛水の結果、白屋地区に亀裂が生じ、離村が勧告された。 私たちが歩いた白屋地区からの登山路(山頂まで3時間)は現在、通行できない。武木から林道に入り、足ノ郷越に車を置くとわずか40分ほどで頂上に達すると聞く。 |
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70 白髭岳(1378m) C <2001.06.29>![]() 北側、林道を終点まで走り、高尾(1193m)経由で2時間。西側、柏木から神之谷道4時間。私たちは東谷出合(530m)まで車で入った。 【コースタイム】東谷出合(530m)8:15…水場8:55…神の谷コース分岐(1080m)9:55〜10:05…小白髭(1282m)10:30〜10:40…白髭岳(1378m)11:35〜12:20…小白髭13:15〜13:25…東谷出合14:55 |
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