Vol.8

<ACT THREE>

- A CONVALESCENCE HOME -

病院シンデレラの家族が帰り、再び平穏を取り戻した。しかし廊下に怪しい人影が・・・・

シンデレラの病室に通じる通路を一人こっそりと歩いてきたのは継母シビルだった。彼女は辺りを見回し、誰もいないのを確認するとシンデレラの病室へ入っていった。

部屋にはベッドで眠るシンデレラしかいない。彼女は横たわり熟睡している。その様子を確認したシビルは、ベッドの下から予備の枕を取りだし、何と彼女の顔に押し付けたのである。
体重をかけて彼女の顔を枕で押さえ込むシビル。どうやら彼女を窒息死させようと考えているらしい。
シンデレラは叫ぶ事も出来ず、手足をバタつかせて必死に彼女を押しのけようとしている。それでもシビルは枕をしっかりと持ち、彼女の上にのしかかっる。

そこへ、いなくなった母親を探している義理の兄弟そして姉妹が現れる。彼らは自分の母親が人を殺そうとしているのを見てひどく驚き、シンデレラから母親を引き離す。窒息寸前で助かったシンデレラは苦しげに息をついている。
シビルは子供たちに取り入ろうとするが、彼らは取り付くしまもない。
殺人未遂現場を見られた母親は、見方である子供たちから遂に見放されたのだ。彼らは母親を軽蔑のまなざしで見つめている。そこに病院の人間が現れた。

病院の職員に両脇をがっちりかためられ、引きずられるようにシビルは連行されて行く。その彼女を見る子供たちの目には同情の色はない。彼らは漸くシンデレラをいたわる素振りをみせ、漸く彼らは和解した。

家族が去り、再び病室は静寂を取り戻す。しかし彼女の心は晴れない。ハリーの事を思っているのだ。彼女は寂しげにベッドにポツンと座っている。

・・・・ついたてが四つづつにわかれて病室が二つになる・・・・

看護婦に案内されて病院の廊下を歩く軍人がいた。彼の頭には包帯が巻かれている。それはハリーだった。
彼が通された診察室には脳波をはかるらしい機械が置かれている。その横に置かれた椅子に腰掛けるように促され、嫌な予感がしながらもそれに従い彼は椅子のわきにスーツケースを置き、その椅子に腰掛けた。
そこへ担当の医師が現れる。よく見るとエンジェルである。
彼はハリーにヘッドホンのようなものをつけさせ、彼の両耳をふさいぐ。機械のスイッチが入れられる。そして医師がレバーを引き下げたとたん、ハリーは苦しみ大声で叫びはじめた。

その声をシンデレラが聞いていた。彼女は何事かとベッドから降り、声のする部屋を目指して歩き始める。そして彼女は遂にその部屋に足を踏み入れた・・・・

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