ワインセラー



ケランヌ・オー・クスティアス

 ローヌ川流域沿いにリヨンの南約30kmに位置するヴィエンヌと言う町から地中海沿岸のアヴィニヨン周辺までの広大な地域に渡って南北に拡がるローヌ地方はフランスを代表するワインの産地として知られていますがそこで造られるワインは北部と南部でかなり性格が異なります。北部ローヌのワインは赤ワインの場合シラーと言うブドウ100%で造られる場合がほとんどですが、アヴィニヨン周辺に拡がる南部ローヌではグルナッシュと言うブドウを主体にシラー、ムールヴェードル、酸素ーと言った複数のブドウをブレンドして造られる場合がほとんどです。

南部ローヌで一番有名なワインはシャトーヌフ・デュ・パプですが、その周辺に拡がる幾つかの村の中にも素晴らしいワインを造り出している村があり、そのうちの一つがこのケランヌと言う村です。中でもロラトワ・サン・マルタンはケランヌ村を代表する最高の造り手として知られており、そのサン・マルタンの造るワインの中のトップ・ワインがこのワインです。

収穫量をとても引く抑えたムールヴェードルとシラー50%ずつから造られるこのワインは多くのローヌワインに見られがちな荒々しさや野暮ったさが無い非常にバランスの良く取れた洗練された味わいで、しかもローヌ地方のワインらしい十分な飲み応えとしっかりとした味わいを持った、とてもコストパフォーマンスに優れたワインでフランスでも数多くのミシュランの星付きレストランワインリストにオンリストされている程です。2000年はブドウの出来栄えも特に素晴らしく、4年を越える熟成を経てようやくその真価を発揮し始めつつありこれから先10年以上に渡ってさらに美味しさを増していくワインです。