厳しかった冬も終わり、ようやく春の気配を感じるような陽気になってきましたが、こんな季節にはロゼのワインがとてもよく似合うように感じるのは私だけでしょうか?シャンパンにもワインと同じようにロゼ・シャンパンと言うものがあります。以前にも一度お話させて頂きましたが、本来シャンパンと呼べるのはフランスのシャンパーニュ地方でシャンパーニュ方式と呼ばれる瓶内二次発酵方式で造られたスパークリングワインにのみであり、それ以外の国や地域で造られたものはシャンパンとは呼ぶことが出来ず、それぞれの国や地域によってスプマンテやカヴァ、クレマンと言うような名称で呼ばれます。
  白ワインは通常薄い緑色をしたブドウから造られるのですが、ブドウの果汁と言うのは本来少し緑色から黄色ががった無色に近い色合をしており、圧搾した果汁をそのまま発酵させてワインを造ると白ワインになります。これに対して赤ワインは黒ブドウと呼ばれる黒色の果皮を持ったブドウから造られ、圧搾した果汁と果皮を一緒に発酵させて造られます。その際に果皮に含まれている色素が果汁に色を付けると共に果皮に含まれているタンニン分も果汁に沁み込んで渋みを持った味わいになります。
  これに対してロゼワインは途中までは赤ワインと同じ造り方をしてある程度果汁にロゼ色の色合いが付いた時点で果皮を取り除きその後は白ワインと同じ造り方をします。その為ロゼワインは色合い的にも味わい的にも白ワインと赤ワインの中間の性格を持ったものとなります。 次に発泡性を持ったワインがどのようにして造られるかですが、ワインはブドウの中に含まれている糖分が二度の発酵を経てアルコールと炭酸ガスに変化して出来上がるのですが、シャンパン方式で造られます発泡性のワインはこの二度の発酵のうちの二回目の発酵である第二次発酵を瓶の中で行うことにより、発生する炭酸ガスを瓶の中に閉じ込めてしまうことにより発泡性を持ったワインが出来上がります。ロゼ・シャンパンはこのようにロゼワインの造り方をしたものを瓶内二次発酵方式で仕上げたもので、さらに瓶の中で数年の熟成を経てから初めてシャンパンとして出荷されます。
  その為にロゼ・シャンパンは通常のシャンパンよりもしっかりとした味わいとコクを持ち、数年間に渡る瓶内での熟成によって複雑さも合わせ持った綺麗な果実味と十分な飲み応えと旨みを持ったものとなります。そんなロゼ・シャンパンは料理との相性もとても幅広く、鶏肉や豚肉等の肉料理から中華料理やお寿司やピザ等といった料理まで様々な料理と良く合うオールマイティなワインでパーティーやお花見などにもピッタリの飲み物と言えるのではないでしょうか?