前回、昨年の4月にボルドーを取り上げさせて頂きました際はメルロ種を主体として造られるポムロル村のシャトーを取り上げさせて頂きましたが、今回はボルドーの中心地でありますメドック地区の中でも特に人気の高いマルゴー村のワインを取り上げさせて頂きます。 マルゴー村と言うとまず誰もが思い浮かべるのが日本でも非常に人気の高いシャトー・マルゴーではないかと思われますが、今回取り上げさせて頂きますシャトー・ディッサンはそのシャトー・マルゴーからわずか1km足らずしか離れていない場所に位置する1855年にパリ万博が行われた際に制定されたボルドーワインの格付けでも3級格付けに選ばれたシャトーでカベルネ・ソーヴィニヨン70%、メルロ30%からとてもかぐわしくエレガントな味わいのワインを造りだしています。 特に1995年以降はシャトーが積極的に品質の向上に取り組み始め、本来の3級格付けに相応しい味わいのワインを産み出すようになってきており、この97年もブドウの出来栄えとしては決して素晴らしい当り年と言う訳ではありませんが、造られてから10年近い熟成を経てまさに飲み頃を迎えつつある非常に繊細でエレガントな味わいのマルゴー村らしさがとても良く出たワインになっています。
  ボルドーワインの中でもサンテミリオンやポムロールのように力強く、芳醇なタイプではなく繊細でデリケートな味わいの熟成感のあるマルゴー村のワインには同じ肉料理でもそれ程味付けのの濃い料理よりも比較的シンプルに肉の味わいを活かしたような肉料理やクリーミーなタイプの白カビチーズやそれ程くせの強くないブルーチーズ等がよく合いそうです。